アドバイザー試験と相談員試験の試験範囲の違い(新制度で表現が変更)

過去に記事にしたものを、そのまま掲載していましたが、資格制度の変更により、試験内容の表現が変更されています。消費者安全法の試験の規定にあわせたものと思われますが、実質的には、これまでと変わらないと思います。

参考までに、制度変更前後をあわせて記載しました。

「消費生活専門相談員」と「消費生活アドバイザー」の出題範囲の比較(各試験要項より抜粋)

  • 大きく異なっているのは、アドバイザーのほうが出題範囲が広いということです。それは、企業としての考え方を問う問題が加わっているからです。
  • 消費者問題は、相談員のほうが、国の施策にかかわる問題に重点が置かれています
  • 法律問題については、同じぐらいですが、相談員の場合は過去問でどの法律を押さえるか傾向が分かります
  • 経済については、アドバイザーのほうが細かいことを問われます
  • 商品やサービスについては、相談員のほうが、より現実的な相談現場で使われるような問題を問われます。アドバイザーは一般的な知識を問われます。また、アドバイザーのほうが広い範囲を問われます。
  • 論文試験の範囲と問題数が異なっているほか、相談員では一次試験で、アドバイザーでは二次試験で行われます
  • したがって、アドバイザーの勉強をしていれば、おおむね相談員の出題範囲もカバーされます。

消費生活相談の実務に関する科目

肝入りでできた新しい科目ですが、結局は面接ということになるようです。そして、現職などの実務経験者は面接を免除されることになるという、これまでと同じ制度ですね。

ただし、アドバイザー試験の面接も免除されるというのは、これまでになかった大きなメリットです。

「消費生活専門相談員」

新制度(平成28年度試験)

出題科目

法第10 条の3 第3 項の規定に基づき、次の①から⑤までに掲げる科目を実施します。

①商品等及び役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
②消費者行政に関する法令に関する科目
③消費生活相談の実務に関する科目
④消費生活一般に関する科目
⑤消費者のための経済知識に関する科目

試験の実施方法

第1 次試験
(A)択一式及び○×選択式試験
試験時間:2時間30 分
(B)論文試験
2 題のうち1 題を選択
試験時間:2 時間
※(A)の合格ラインを超えた者のみ、(B)の採点を行います。
第2 次試験
面接試験(15 分程度)

合格水準(合格難易度)

平成27 年度「消費生活専門相談員資格試験」と同程度の難易度を想定しています。

旧制度(平成27年度試験まで)

出題範囲
1. (1)消費者問題に係わる一般常識
2. (2)消費者行政に係わる関連法規
3. (3)消費者問題に係わる基礎的な法律知識
4. (4)消費生活に係わる経済知識
5. (5)消費生活上の商品・サービスに係わる知識
6. (6)消費生活相談に携わるにあたっての基礎的知識

出題形式
第1次試験
(A)択一式及び○×式筆記試験(解答はマークシート)
(B)論文試験
第2次試験
面接試験(出題範囲についての学識及び消費生活専門相談員として業務を遂行するための適性の有無を判定)

「消費生活アドバイザー」

新制度(平成28年度試験)

試験問題の範囲及び合格水準等

試験の範囲及び合格水準については、平成27年度の消費生活アドバイザー資格試験と同程度とすることを想定しています。また、第1次試験(択一試験)と第2次試験(論文試験及び面接試験)に分け実施します。

① 第1次試験 (択一試験(択一及び〇×式試験) 全55問)
a 商品等及び役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費
安全性に関する科目
b 消費者行政に関する法令に関する科目
c 消費者のための経済知識に関する科目
d 消費生活一般に関する科目
② 第2次試験 (論文試験及び面接試験)
e 消費生活相談の実務に関する科目
◉ 論文試験 (2題 試験時間は各60分)
・ 概ね、第1次試験筆記試験b・dの範囲より4題、cの範囲より4題出題。
・ 各範囲毎に1題、合計2題を選択して記述。
◉ 面接試験 (1人 10分程度 面接委員と個人面接)
・ 消費生活アドバイザー及び消費生活相談員として必要な、見識、相応しい態度、積極性等について審査。

旧制度(平成27年度試験まで)

試験範囲
(1)消費者問題
消費者問題発生の背景と最近の消費者問題、企業の社会的責任と消費者対応
(2)消費者のための行政・法律知識
行政知識、法律知識
(3)消費者のための経済知識
経済一般知識、企業経営一般知識、生活経済、経済統計と調査方法の知識、地球環境問題・エネルギー需給
(4)生活基礎知識
医療と健康、社会保険と福祉、余暇生活、衣服と生活、食生活と健康、住生活と快適空間、商品・サービスの品質と安全性、広告と表示、暮らしと情報

試験の方法
(1)第1次試験(択一試験)
前記、試験範囲より出題します。出題は正誤法(1.2.3.4.5.)、補充式(……は ウ である。)等により行います。
(2)第2次試験(第1次試験合格者に対し実施します。)
① 論文試験
前記、試験範囲のうち、消費者問題、消費者のための行政・法律知識、消費者のための経済知識より出題しますが、出題を次の2グループに分け、それぞれのグループより1問ずつ選択し記述していただきます。
○ 第1グループ(4問)…①消費者問題、②行政知識、③④法律知識2問〔うち、③特定商取引に関する法関連、④その他消費者法関連〕
○ 第2グループ(4問)…①経済一般知識、②企業経営一般知識、③生活経済、④地球環境問題・エネルギー需給
② 面接試験
面接委員と受験者の個人面接を行います。

まとめ

どちらにしろ、幅広い消費者問題への知識が求められますので、勉強するとなれば時間をかけてじっくり取り組む必要があります。その知識レベルは、一般常識でOKですが、より高度な一般常識になりますので、日常生活で自分自身が知っていることだけではカバーしきれません。消費者問題は日常から時系列的に社会状況の背景などのニュースを知っておくことが重要です。

【追記】難易度

  • 経済問題はアドバイザーのほうが難しく、ボーダーラインが精一杯です。
  • 法律問題は相談員のほうが難しく、アドバイザーは簡単です。行政・法律知識の問題で点数を稼いで、難しい科目をカバーしましょう。私は9割取れました。
  • アドバイザーの一般知識は広い範囲ですので知識力をとわれますので、絶対的な知識が必要です。たとえば、繊維の素材の問題等が出題されます。
  • 論文はアドバイザーが文字数も少なく指定用語もなく選択問題になっているので簡単です。ただし、問題数が多いので気分的にしんどいです。文章を書きなれてる人にとっては、念のため最近の時事問題などを抑えておけば楽勝です。

質問回答の過去ログ

今後の資格取得について(2014年2月14日)

質問

メッセージ本文:お世話になっております。
勉強部屋さんのおかげで、何とか資格を取得することができました。
ありがとうございました。
さて、質問ですが、せっかく頑張って勉強したので、記憶が新しいうちに
今年、消費生活アドバイザー資格にチャレンジしてみようかと思案中です。
でも、近い将来国家資格に生まれ変わるのなら、新しい制度が出来るまで
待っておいたほうがいいでしょうか?
勉強部屋の管理人様のご意見をお聞かせください。
よろしくお願いします

回答

私は消費生活専門相談員資格は消費者センターでのみ価値のある資格だと思っています。
また、新しい資格については明確には示されていませんが、当初は民間も含めた相談業務の資格という理念が、どうも消費者センターだけの資格になりそうな雰囲気です。国家資格になったとしても今とあまり変わらないような気がします。

それに対して、アドバイザー資格は一般企業にも一般消費者にも分かりやすい価値のある資格だと思います。
アドバイザー資格を有していることは大きなアピールポイントです。
専門相談員資格は消費者センター以外ではそんなに価値はないと思います。
(逆に消費者センターの相談員には必須)
私には「やりたいと思った時が、やり時だ」という信念があります。
ぜひアドバイザーにも挑戦してください。

ちなみにアドバイザーの法律分野は相談員試験を突破しているなら8-9割は取れます。
しかし、ほかの分野は幅広く高得点を取るのは難しいです。
暗記物も多いですし、法律でのアドバンテージをいかせるような作戦もあると思います。

なお、もしかしたらアドバイザー試験が何らかの形で新しい資格の国家試験の要件を満たすのではないかとも思っていますが、そのときにならなければわからないと思います。

相談員試験勉強用にアドバイザー通信講座の受講の有効性(2014年5月29日)

質問

『消費生活専門相談員を受験するのにあたり、消費生活アドバイザーの通信講座を受けるのは、的外れな勉強方法でしょうか?』

回答

・相談員試験を勉強している人が、アドバイザー試験を受けようと思えば、相談員試験の法律関係の勉強は十分カバーできます。きちんと勉強していれば8-9割は取れます。したがって、相談員試験の範囲外の分野を勉強することになりますが、過去ログで分かるように、かなり広い範囲ですので、勉強するのも大変です。
・逆にアドバイザーを勉強している人が相談員試験を受けようと思えば、その特殊性を勉強しなければなりません。まず、法律問題は難しいです。深いところを問うてくるのと、意地悪問題的なものもありますし、相談現場を想定した問題もあります。また、クリーニングなどのほかの分野でも相談現場を想定した問題が出題されます。アドバイザー試験は基本的に知識を問う問題ですが、相談員試験は実務を想定した問題が多くあります。
・相談員試験の特殊性を勉強しようとすれば、過去問です。ただし、過去問を勉強するのも難しいです。そこで、この勉強部屋が誕生したのです。当初は自分が受験した年度の自分用の勉強のためでした。
・アドバイザー試験はたとえば通信講座を受講すると、ものすごい量のテキストです。ダブル受験するには、どちらを目的に置くかが重要です。消費者センターの相談員になりたいのなら、断然、相談員試験です。アドバイザーの広い範囲を勉強するのなら、その時間を過去問の勉強にでも使ってください。
・相談員試験のポイントは「過去問対策」です。いくら知識があっても、この試験形式というハードルは事前準備をしていなければ突破は難しいかもしれません。過去問対策としては、この勉強部屋を自信を持っておすすめします。今年から有料になったのが申し訳ないのですが。
・アドバイザー試験は普通の一般的な資格試験なので、明らかに点数をとらせてくれる問題がありますが、相談員試験にはそれがありません。
・相談員試験の受験者は40-50代が多く、アドバイザーよりも受験層は高いと思います。それゆえ、記憶力も衰えており、たくさんの勉強は難しいと思います。もちろん、若くて記憶力もあり、両方の試験勉強をして両方合格すればすばらしいですが、それぞれの目的を第一に考えてください。
・相談員試験は消費者センター以外では活用できない資格です。民間で活用するのならアドバイザーです。また、相談員資格や試験の見直しもあり、28年度ぐらいから大幅に変わるかもしれません。

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