1.次の文章のうち、下線部が、すべて正しい場合には○を、誤っているものがある場合には×を、解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。また、誤っているものがある場合には、誤っている箇所(1 カ所)の記号も記入(マーク)しなさい。
① 1962年にケネディ教書で表明された4つの権利は、㋐安全への権利、㋑情報を与えられる権利、㋒選択をする権利、意見を聴かれる権利である。
② 1982年、国際消費者機構(CI)は、消費者の㋐6つの権利と3つの責任を提唱した。具体的には、㋑生活のニーズが保証される権利、㋒批判的意識を持つ責任などである。
③ 政府は、2010年3月に、2010年度から㋐5カ年を対象とする消費者基本計画を策定した。その後、消費者安全法が改正され、2012年10月に㋑消費者安全調査委員会が設置された。
④ 2013年度に全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談を契約当事者の年代別の割合で見ると、20歳未満が㋐最も高く、その年代の相談では、㋑約7割が契約当事者以外からの相談となっている。
⑤ 2013年度に全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談を販売購入形態別に見ると、前年度に比べ、㋐「通信販売」の相談件数は増加し、相談全体に占める割合が最も高い。このほか、㋑「訪問販売」に関する相談件数は減少したが、㋒「マルチ取引」に関する相談件数は増加した。
⑥ 1960年代には、いわゆる「ニセ牛缶事件」のような不当表示事件が発生し、1962年、㋐景品表示法が制定された。また、1968年には、㋑消費者基本法が制定された。政府においては、消費者政策担当部局が設置され、1965年、㋒経済企画庁に国民生活局が設置された。
⑦ 1970年代には、「マルチ商法」と呼ばれる商形態が広まり始めた。これらを規制するため、㋐割賦販売法が制定された。また、国民生活センターが、㋑苦情相談対応、㋒調査研究等を担う機関として1970年に設立された。
⑧ 1980年代には、クレジットカードの普及等により多重債務問題等が㋐増大した。また、いわゆる「バブル経済」の中で、金の現物まがい取引等に見られる資産形成取引をめぐる消費者問題が急増したことから、1986年には、㋑預託法が制定された。
⑨ 1990年代から2000年代にかけては、消費者と事業者との間の一般的な民事ルールの整備が進められ、その結果、㋐製造物責任法、㋑消費者契約法、㋒個人情報保護法など、民事ルールの立法化が行われた。
⑩ 2000年代前半には、急激な高度情報化に伴い、2002年、㋐内閣府が「電子商取引等に関する準則」を策定・公表した。また、消費者問題としては、アダルトサイト利用料等の㋑架空請求が発生し、2003年度、2004年度に相談件数が急増した。
⑪ 消費者基本計画は、㋐毎年度、㋑計画に盛り込まれた施策の実施状況について検証・評価・監視を行うこと、㋒検証・評価の結果とそれによって必要となる計画の見直しについては閣議決定を行い、公表することとされている。
⑫ 消費者基本法では、㋐消費者を恩恵的に保護するという発想のもと、㋑事業者に対して、消費者の安全及び消費者取引の公正の確保などの責務や、㋒国による消費者政策の推進などの責務を定めている。
⑬ 2014年12月に国民生活センターが発表した「消費者問題に関する2014年の10大項目」の1項目に、若者の投資関連トラブルが拡大したことが挙げられている。具体的には、㋐ファンド型投資商品に関する相談では、20歳代の契約当事者が約半数を占めている。また、大学生等の㋑投資用DVDの購入トラブルに関する相談件数も増加していることが特徴として見られた。
⑭ 2013年度に全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談の特徴を見ると、インターネット関連では、遠隔操作による㋐プロバイダ変更勧誘トラブルが増加した。このため、国民生活センターは、消費者に向けて注意喚起を行ったが、2014年には同様のトラブルが激増したため、再び注意を呼び掛けるとともに、㋑総務省へ電気通信事業者及び代理店等に対する行政処分、指導等を要望した。
⑮ 2014年に起こった通信教育事業者が保有する個人情報の大量流出事件を受けて、㋐総務省は個人情報保護法に基づく勧告や「個人情報保護ガイドライン」の改正を行い、㋑消費者庁では、「ガイドラインの共通化の考え方について」の改定を行った。
まず、自分自身で解答してから解説を読みすすめてください。再受験組も今の状態で解答できるか試すと同時に、本番での解答も準備してください(今後の共通事項)。
解説(概要)
問題1は例年と違った傾向で出題されました。
- 消費者行政の歴史が1960年代から2000年代まで時系列の短文形式で出題され、正誤判定も必ずしも3個からではなく2個というパターンもありました。
- 安易な短文出題形式に面食らったかもしれません。穴埋めだったら、つなげて問題にするという感じですね。長文の流れの問題でないので、解答しにくいです。
- 1問目から短文暗記問題15個というのはメンタル的にもきついなあと感じました。
- 法律名については、例年であれば、歴史の中の何らかの法律を切り出して出題されていましたが、今回の暗記形式的な単純な問題は簡単そうで難しかったかもしれません。
- どちらかというと、アドバイザー試験に出題されるような問題ですので、W受験の場合は楽だったかもしれません。とはいえ、暗記能力が劣っている場合は苦しかった可能性もあります。
- ただし、受験生なら参考書の冒頭に出てくる消費者行政の歴史は一度は目を通しているはずであり、なんとなく記憶に残っていると思います。その記憶を掘り起こして、正解に結び付けていくことが求められます。相談員になりたいのであれば、今回のような歴史は正解できるかは別として、知っておいてほしいですね。
相談統計問題
- 例年、国民生活センターでの相談統計(平成25年度分)から5問程度出題されていましたが、今回は、短文形式で④⑤⑭の3問が出題されています。少なめですね。⑭は統計問題というほどの問題ではなく、「プロバイダ変更勧誘トラブル」という鉄板問題でした。少なかった代わりに歴史問題が出たのかもしれません。歴史問題の中にも相談統計のことが少し触れられています。
- 相談統計の変化球型として、毎年12月に国民生活センターが公表する「消費者問題に関する10大項目(2014年分)」が出題されました。この公表は新聞等でも記事になっていますので、ご存じの方もおられると思いいますが、28年度試験の新たなチェック項目になりました。
- 私自身は相談統計の出題が直近の前年度ではなく、前年度に公表した前々年度の内容であることに違和感を感じていました。今後、消費生活相談員という新資格が合わせて取得できるため、国民生活センターの統計を問題とすることが妥当なのかどうかという議論もあるかもしれませんね。ただし、あくまでも専門相談員試験ですので、国民生活センターが中心となることは間違いありません。例年通り、28年度対策として、27年度に公表した26年度の統計データを勉強しつつも、例年8月に好評される前年度の統計資料にも目を通しておく必要があるかもしれません。そのあたりの対策については勉強部屋でフォローします。
目標点
- 暗記系が得意な人は8割を目標に、通常は6割、苦手でも5割は欲しいですね。
勉強方法
消費者行政の歴史
- 応用力不要の単純暗記問題ですので、答えがそのままテキストに掲載されています。
- 消費生活アドバイザー受験合格対策の消費者問題と消費者行政の項目
- こちらがおすすめ ⇒ ハンドブック消費者2014・・・消費者庁のHPから閲覧できます。参考書のページもご覧ください。
相談統計
- 国民生活センター公表の資料の概要を確認しておいてください
- 国民生活センターHP
【27年度試験対策】
トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 2013年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要[2014年8月7日:公表]
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140807_2.html
【28年度試験対策】
トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 2014年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要[2015年8月20日:公表]
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20150820_1.html - 勉強部屋では28年度試験対策として別途記事にする予定です。