相談統計問題の対策

①基本はPIO-NETの相談統計(8月公表)

基本はPIO-NETの相談統計です。前年度の統計情報の公表は毎年8月ですので、すでに試験問題が作成済みです。したがって、前々年度の統計が出題されます。
平成30年度試験では、平成28年度の公表分が試験対象になります。

【例外】新試験が始まった最初の平成28年度試験のみ出題されませんでした。新試験からPIO-NET統計からの出題はなくなったのか気にしていましたが、平成29年度試験では出題されたので、やっぱり、PIO-NET統計資料は対策する必要があります。

詳細版である「消費生活年報」については年が明けた1月~2月に公表されています。

熊本地震関係

災害関係の悪質商法も出題されることがあります。国民生活センターでも随時公表しています。

国民生活センターHP
トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 「平成28年熊本地震」で寄せられた消費生活相談情報(第3報)-発生1年半にみる相談の推移-[2017年11月30日:公表]
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20171130_2.html

東日本大震災と熊本地震
(1)東日本大震災にみられた特徴
2011年の東日本大震災では、被災地が広範囲にわたり、津波による被害や放射能関連の相談が多く寄せられたため、相談の内容は非常に多岐にわたるものとなりました。
(2)東日本大震災と熊本地震との共通点
「国内パックツアー」、「募金」、「火災保険」、給湯器の転倒トラブルに関する相談、被災地以外における、「点検商法」や震災に便乗した「ファンド型投資商品」の詐欺的勧誘に関する相談が、東日本大震災に続き熊本地震でも寄せられています。

まとめ

相談の件数の推移
時間がたつにつれて徐々に減少傾向にありますが、約1年半を経過した現在でも一月に数十件の相談が寄せられています。

被災地における相談の傾向
相談の多くが住宅に関連するものとなりました。時間が経過するにつれ、「工事・建築」に関する相談の割合が増え、工事の内容や価格、遅れに関する相談が多くなりました。

被災地以外における相談の傾向
地震発生直後は、被災地への旅行に関する相談が上位を占めていましたが、その後、点検商法を主な内容とする「工事・建築」に関する相談が上位となります。他にも、「老人ホーム」の詐欺的勧誘や「ファンド型投資商品」など、被災者支援を名目とした悪質商法がみられます。

②消費者問題に関する2017年の10大項目(12月公表)

国民生活センターは「PIO-NETの相談統計」以外に「消費者問題に関する2017年の10大項目」というのを12月に公表しています。平成27年度試験に出題されたことがあります。今後の出題の可能性はあまり高くないと思いますが、一度目を通しておいてください。PIO-NET統計と違い、前年度分になりますので、ごっちゃにならないよう注意を。

【出題された都市の問題】平成27年度(2015年度)試験 問題1

⑬ 2014年12月に国民生活センターが発表した「消費者問題に関する2014年の10大項目」の1項目に、若者の投資関連トラブルが拡大したことが挙げられている。具体的には、㋐ファンド型投資商品に関する相談では、20歳代の契約当事者が約半数を占めている。また、大学生等の㋑投資用DVDの購入トラブルに関する相談件数も増加していることが特徴として見られた。
ちなみに公表内容

2014年の10大項目
・高齢者の消費者被害依然として多く 認知症等の被害者も目立つ
・事業者からの個人情報の大量流出事件発生
・公的機関等をかたる詐欺的勧誘が急増 国民生活センターをかたる電話も頻発
・食の安全と信頼が脅かされる事件が相次ぐ 食品の安全性に関する相談がここ5年で最多
・インターネット通販などのネット関連トラブルは引き続き増加
・遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルが急増
・若者に投資関連トラブルが拡大 バイナリーオプション取引などが顕著
・繰り返される子どもの事故 事故防止へのさまざまな取り組み
・消費税が8%にアップ 相談も増加
・消費者関連法規の改正により地方消費者行政の基盤を強化

詳細な報告内容から該当部分を抜粋

◆若者に投資関連トラブルが拡大 バイナリーオプション取引などが顕著 (表6)
・インターネットで簡単に取引が始められることもあり、バイナリーオプション取引の相談では、20歳代の契約当事者が全体の約半数を占めるなどの特徴が見られます(2014年990件のうち20歳代479件(49.6%。無回答を除くn=966)、30歳代347件(35.9%。同左))。
・大学生に借金をさせて高額な投資用DVDを購入させ、支払いに困ると、人を紹介し契約させればマージンが得られると友人を勧誘させる手口が、再び増加しました。11月には、消費者庁と東京都が連携し、このような勧誘・販売を行っていた複数の業者に対し、特定商取引法違反の行政処分を行いました。

「ファンド型投資商品」ではなく「バイナリーオプション取引」が正解となりますので、「×ア」が正解です。若者なので「ファンド型投資商品」を購入する資金は持っていないと考えれば常識力で解答できました。

消費者問題に関する2017年の10大項目[2017年12月21日:公表]

国民生活センターHP
トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 消費者問題に関する2017年の10大項目[2017年12月21日:公表]
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20171221_2.html

消費者問題に関する2017年の10大項目

国民生活センターでは、毎年、消費者問題として社会的注目を集めたものや消費生活相談が多く寄せられたものなどから、その年の「消費者問題に関する10大項目」を選定し、公表しています。

2017年は、還付金詐欺や訪問購入などで高齢者をターゲットにした悪質な勧誘、仮想通貨や格安スマホなどの新たな分野の相談が多く寄せられた年となりました。

2017年の10大項目
・狙われる高齢者 「還付金詐欺」、「訪問購入」での相談目立つ
・依然として多い「定期購入」トラブル 20歳未満でも多くみられる
・仮想通貨の利用広がる 「必ず儲(もう)かる」と勧誘されて購入するもトラブルに
・情報通信の多様化 格安スマホなどの相談も
・子どもの事故 加熱式たばこの誤飲、宅配ボックスに閉じ込めなどが発生
・「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品の危害 若い女性に多発
・格安旅行会社「てるみくらぶ」が経営破綻(はたん)
・景品表示法による初の課徴金納付命令 品質への信頼揺らぐ企業の不祥事
・改正特定商取引法施行 約120年ぶりとなる民法改正も
・集団的消費者被害回復制度の整備進む 特定適格消費者団体の認定と国民生活センター法の改正

[報告書本文] 消費者問題に関する2017年の10大項目[PDF形式](317KB)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20171221_2.pdf

※今回は統計問題だけではなく本試験や論文試験でも出題されそうな重要な項目が出されています。