旧試験での正誤×選択の考え方

旧試験では、メインとなる法律問題である「民法」「消費者契約法」「特定商取引法」「割賦販売法」はすべてこの出題形式でした。24年度から27年度試験では50問出題されており、全体200問のうちの4分の1を占めているという状況でした。

この出題形式は読み解くのに時間がかかるうえ、サクッと正解が出せるものではなく、特にメインの法律問題は難関でした。

勉強部屋では、この4分野の正誤問題の目標を5割以上に設定し、穴埋め問題でカバーするというイメージにしていました。それぐらいのハードルであればクリアできると考えたからです。

過去の出題状況

試験全体の6割程度がこの正誤×選択の問題形式でしたが、平成26年度のみ3割に逆転しました。その結果、難易度が下がりましたが、結果的に推定合格ラインも10点上昇したので、一般受験者にとってはハードルが高いのに変わりありませんでした。

事務局としても合格ラインを上げざるをえなかったというのは好ましい状態ではありません。

勉強部屋では、これを踏まえ、「傾向が元に戻ると考えるので、そのつもりで勉強してほしい」とのポイントをお伝えしました。案の定、翌年は元の傾向に戻りました。これを知らない一部の受験生は傾向が変わったと騒いでいましたが、暦年の過去問対策をしっかりしていれば、十分想定できたことです。

新試験制度では、他の回答形式も混ざることになったので、難易度が下がったともいえますが、合格ラインを押し上げることになるのは想像がつきますね。

旧試験と新試験の問題駅式の割合の比較

 

平成24~27年度試験 平成28年度試験 平成29年度試験
正誤×選択 正誤×選択 単純正誤 選択穴埋 5肢2択 小計 正誤×選択 単純正誤 選択穴埋 5肢2択 小計
民法 15問 10 5 15  10 5 15
消費者契約法 10問 7 7 7 7
特定商取引法 15問 11 2 13 18  18
割賦販売法 10問 7 7 7  7
合計 50問 24 11 5 2 42  24 18  5 0 47

難易度の上げ方と今後の対策

新試験制度での「特定商取引法」から正誤×選択がなくなったことは難易度を下げる=合格ラインを押し上げることにつながったと思います。

29年度試験で「合格ラインを引き下げる=難易度を上げる」方法としては、このメインの法律問題の形式や問題数を元に戻せばいいことは容易に想像がつきます。

実際の29年度試験では、特定商取引法において「5肢2択」がなくなったかわりに、「単純正誤」が増えました。その結果、メインの法律問題の数が5問増えました。それが、難易度を上げたことにつながるかどうかといえば、「正誤×選択」ではなく「単純正誤」なので、大きくはなかたっと思われますが、心理的にきつくはなったと思います。

勉強部屋としては、従来どおり、正誤×選択の問題形式に対応できるように、過去問対策と制限時間対策をすることをおすすめします。

ポイント

ポイントとしては、過去問対策により、どのような「くせ」のある問題が出題されるのかということです。

正確な知識が必要、二者択一まで絞る、常識力で解答可能、意地悪問題で無視、相談員になるための研修的な問題、条文丸写し、など