【速報版】2020年度 論文試験・論文対策 総評(まとめ)(一般公開中)
- 1. 2020年度試験 論文試験問題
- 2. 論文試験の要件を確認する
- 2.1. 受験要項(2020年度)※2020年度で修正あり(要項なので事前公表済み)
- 2.2. 論文問題の共通の注意事項(2020年度)※2019年度と同じ(試験当日確認)
- 2.3. 論文問題の「論述に当たっての」注意事項(2020年度)※2020年度で修正あり(試験当日に判明)
- 3. 2020年度 論文試験問題 ※テーマのタイトルは勉強部屋での独自タイトルです
- 3.1. 【テーマ1】消費者庁設立10年(消費者行政の課題)
- 3.2. 【テーマ2】定期購入トラブル
- 3.3. 行政問題か法律問題か
- 3.3.1. 行政問題
- 3.3.2. 法律問題
- 4. 【テーマ1】消費者庁設立10年(消費者行政の課題)
- 4.1. 今回のテーマ1は行政問題・事前対策可能な範囲でしたので難易度は普通です
- 4.1.1. 論じるべき点は「消費生活センターなど地方公共団体における消費者行政の課題」
- 4.1.2. 指定語句
- 4.1.2.1. 【指定語句を順番に使ってストーリー構成を作る】
- 4.2. 論文テーマの参考資料
- 4.2.1. 【参考】WEB版国民生活 2019年7月号(No.84) 特集 より充実した地方消費者行政のために
- 4.2.2. 【参考】2019年5号 消費者情報No.488
- 4.2.3. 【参考】消費者白書 令和元年版 第1部第2章 消費者庁及び消費者委員会の10年
- 4.3. 指定語句の解説資料
- 4.3.1. 消費者行政の司令塔
- 4.3.2. 消費生活相談
- 4.3.3. 消費者事故
- 4.3.4. PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)
- 4.3.5. 消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)
- 5. 【テーマ2】定期購入トラブル
- 5.1.1. 今回のテーマ2は法律問題・重点対策テーマでしたので難易度は比較的易しかった
- 5.1.2. 論じるべき点は「定期購入による被害の防止対策」
- 5.1.3. 指定語句
- 5.1.4. 指定語句からストーリーを作る
- 5.1.4.1. 【指定語句を順番に使ってストーリー構成を作る】
- 5.1. 論文テーマの参考資料
- 5.1.1. 【参考】国民生活センター公表資料
- 5.1.2. 特定商取引法「定期購入の契約内容の表示」
- 5.1.2.1. 平成28年改正特定商取引法について(平成29年11月 消費者庁取引対策課)
2020年度試験 論文試験問題
【テーマ1】
1.2009(平成21)年9月に消費者庁が設立されて10 年以上が経過した。消費者庁設立による国の消費者行政の変化を説明するとともに、消費生活センターなど地方公共団体における消費者行政の課題について論じなさい。
指定語句:消費者行政の司令塔、消費生活相談、消費者事故、PIO-NET、消費者安全確保地域協議会
【テーマ1】
2.インターネット通信販売においては、定期購入に関する消費者トラブルが増加している。その特徴と問題点を挙げるとともに、被害の防止対策について論じなさい。
指定語句:お試し価格、スマートフォン、広告表示義務、解約返品制度、最終確認画面
論文試験の要件を確認する
論文試験では、注意事項等が頻繁に変更されるので、きちんと確認しておく必要があります。
- 【受験要項】
事前に確認できる。評価の観点が列挙されており、点数に大きく影響する。新試験2年目から追加されたものであり、新試験1回目の現職相談員の論文不合格者が多かったこと追加された可能性もあります。また、「誤字・脱字」が減点されることも明記されました。必ず確認しましょう。 - 【試験問題の共通の注意事項】
論文を書くに当たっての形式的な注意事項が書かれています。採点不可能な失格要件や文字数の考え方が示されており、ちょくちょく追加されています。特に、1000文字目の最終行が途中で終わった場合に1000文字として扱うことが明記されたのは画期的でした。 - 【論文問題の「論述に当たっての」注意事項】
テーマの出題分の中に「論述に当たって踏まえるべき事項」が列挙されています。特に、指定語句について頻繁に変更されており、重要評価点であることが分かります(つまり、できていなかったこと)。また、新試験2年目の29年度からは、指定語句の下線を引くのが「すべて」ではなく、「1回目」だけになり、これもすごい変化でした(引き忘れなど結構面倒だった)。
受験要項(2020年度)※2020年度で修正あり(要項なので事前公表済み)
(B)論文試験(100 点満点)
論文試験は、相談内容を分析し、問題点をまとめ、資料を作成する能力を判定するために出題します。このため、「体験談」や「感想文」といった作文ではなく、以下の評価の観点を踏まえ、客観的な事実に基づき論理的に考察した論文である必要があります。
[評価の観点]
・出題の趣旨をよく理解し、テーマに関する要点が適切に記載されているか。
・指定語句を、論旨に沿って適切に使用しているか。
・出題に関する知識や能力、問題意識を有しているか。
・広い見地から考察し、適切な結論を下しているか。
・論理に矛盾や飛躍がなく、論旨が明確になっているか。
・消費生活センター・消費生活相談窓口、消費生活相談員の役割を踏まえて消費者問題を考察しているか。
なお、原稿用紙の使い方の不適、誤字・脱字については、減点の対象とします。
【2019年度からの変更点】※上記のマーカー部分
(変更前)・指定語句をその意味するところが明確になるよう、適切に使用しているか。
(変更後)・指定語句を、論旨に沿って適切に使用しているか。
管理人のコメント
基本的には同じような感じですが、変更前は、指定語句の説明があればOKのような表現ですが、変更後は、指定語句の説明があるのは当然ながら、それが論旨に沿った説明かどうかというところに踏み込んでいるような気がします。つまり、単純に、論旨とは関係なく指定語句を説明しただけの論文があったということかもしれません。
論文問題の共通の注意事項(2020年度)※2019年度と同じ(試験当日確認)
次の2つのテーマのうち1 つを選び、1,000 字以上1,200 字以内で論文にまとめ、解答用紙に記入しなさい。以下の場合は、採点の対象外となる。
① 「選択式及び正誤式筆記試験」の得点が基準を超えていない場合
② 文字数制限が守られていない場合
※文字数の数え方は、文字が記入されている行ごとに20 字として数える。1行の途中までしか文字が書かれていなくても、20 字として数える。
※1行のうち1文字も記載がない行は、1行(20 字)として数えない。
※1列のうち1文字も記載がない列は、その文字数分を減らして文字数を数える。
③ 受験番号・氏名の記入がない場合、又は正しく記入されていない場合
④ 選択した論文テーマ番号の記入がない場合、又は正しく記入されていない場合
【平成30年度に2項目の追加がありました】※上記のマーカー部分
論文問題の「論述に当たっての」注意事項(2020年度)※2020年度で修正あり(試験当日に判明)
1.以下の指定語句(5つ)をそのまますべて用いること(順不同)。
2.指定語句は、論旨に沿って適切に用いること。
3.文章中の指定語句の箇所には、分かるように必ず下線を引くこと。同じ指定語句を複数回用いる場合、下線は1回目の箇所についてのみ引けばよい。
4.消費生活センター・消費生活相談窓口、消費生活相談員等の役割を考慮すること。
【2019年度からの変更点】※上記のマーカー部分
1.以下の指定語句をすべて用いること(順不同)。
2.指定語句は、単に語句として用いるだけでなく、その意味するところが明確になるように、適切に用いること。
管理人のコメント
・「指定語句(5つ)をそのまま」というのは指定語句の転記間違いのことを指すと思います。例えば、「成年年齢の引下げ」を「成人年齢の引き下げ」「取消し」を「取り消し」など。厳しくいえば「採点の対象外になる」ということかもしれませんが、さすがにそこまでするとは思えませんので減点対象ぐらいでとどめてくれるのではと思ったりします。
・「論旨に沿って」というのは修正された2020年度受験要項に合わせていると思います。基本的には同じことですが、修正前の注意事項も必須です。
以下のページでまとめていますので、必ず確認しておいてください。(2020年度試験対策の過去ログになります)
2020年度 論文試験問題 ※テーマのタイトルは勉強部屋での独自タイトルです
テーマ1は「消費者庁設立10年(消費者行政の課題)」、テーマ2は「定期購入トラブル」と命名しました。
【テーマ1】消費者庁設立10年(消費者行政の課題)
2009(平成21)年9月に消費者庁が設立されて10 年以上が経過した。消費者庁設立による国の消費者行政の変化を説明するとともに、消費生活センターなど地方公共団体における消費者行政の課題について論じなさい。なお、論述に当たっては、以下を踏まえること。
1.以下の指定語句(5つ)をそのまますべて用いること(順不同)。
2.指定語句は、論旨に沿って適切に用いること。
3.文章中の指定語句の箇所には、分かるように必ず下線を引くこと。同じ指定語句を複数回用いる場合、下線は1回目の箇所についてのみ引けばよい。
4.消費生活センター・消費生活相談窓口、消費生活相談員等の役割を考慮すること。
指定語句:消費者行政の司令塔、消費生活相談、消費者事故、PIO-NET、消費者安全確保地域協議会
【テーマ2】定期購入トラブル
インターネット通信販売においては、定期購入に関する消費者トラブルが増加している。その特徴と問題点を挙げるとともに、被害の防止対策について論じなさい。なお、論述に当たっては、以下を踏まえること。
1.以下の指定語句(5つ)をそのまますべて用いること(順不同)。
2.指定語句は、論旨に沿って適切に用いること。
3.文章中の指定語句の箇所には、分かるように必ず下線を引くこと。同じ指定語句を複数回用いる場合、下線は1回目の箇所についてのみ引けばよい。
4.消費生活センター・消費生活相談窓口、消費生活相談員等の役割を考慮すること。
指定語句:お試し価格、スマートフォン、広告表示義務、解約返品制度、最終確認画面
行政問題か法律問題か
この2つに区分するのが賛否が分かれるところですが、勉強部屋ではこの2つに区分しています。
行政問題
- 行政問題は、政策的なことを論じるもので、さまざまな視点から書くことができ、何でもありになるので書きやすいです。テーマは現場を知らなければ書けないものから、前回と今回のように一般受験生でも書けるものなど、出題年によって難易度が異なります。基本的には現職向けの問題です。
- 指定語句を見ると、基本的な語句ばかりで、政策的な語句や、一般用語などが入っており、法律的な用語が少ないので判断できると思います。現職は、こちらを選ぶほうが無難です。新試験になってからは、一般の受験生でも対応できる問題になりつつあるようです。
- 明確に判断できない場合は、求められていることが現場のことか法律的なことか、という違いと、指定語句に行政的なものが多いか法律的なものが多いかで考えます。
- 最近は、行政問題でありながら、法律問題の要素が含まれるテーマ、もしくはその逆のパターンが増えていますので、見分け方としては、指定語句が行政的なのものか法律的なものか、もう一つのテーマがどちらかを確認してください。
- 今回のテーマは明確にテーマ1が行政問題でテーマ2が法律問題であることが判断できます。
- ということで、テーマ1は「行政問題」で、「消費者庁設立10年(消費者行政の課題)」と命名しました。
法律問題
- 法律問題は2つのパターンがあって、1つは法律制定や改正などがあったときに、その概要を論じるもので、純粋な法律問題です。過去問を見ればわかると思います。
- もう1つは行政問題的な法律問題です。これは、現場で見られる相談事例をあげて具体的に解決方法を具体的な法律を適用させて書くというもので、最近はこのパターンが多くなっています。「送りつけ商法」「次々販売」「ネット通販」などオーソドックスな事例が出題されます。
- 特徴は指定語句に条文等に出てくるような法律用語が列挙されることです。知らなければ書けないというもので、毎年1つぐらい難易度の高い指定語句があります。また、具体的な解決策として、法律に基づくアドバイスをしていくことになるので、どんな条項を使って解決するのかを示す必要があります。現職が行政問題的に政策的なことを書いてしまって不合格になるパターンが出ています。こちらは、あくまでも法律用語を正確に適用させて解決方法を助言するというのが中心になります。
- 今回のテーマ2は、定期購入トラブルで、明らかに具体的な商法を題材にした過去の法律問題と同じパターンでした。
- ということで、テーマ2は「法律問題」で「定期購入トラブル」と命名しました。
最近の傾向として、行政問題が「法律問題的な行政問題」であったり、法律問題が「行政問題的な法律問題」であったりするので、同じテーマのようでも少し書き方が変わります。ごっちゃになってしまうと論点をはずすことになりますのでお気をつけください。
例年通り、テーマ1は行政問題、テーマ2は法律問題でした
【テーマ1】消費者庁設立10年(消費者行政の課題)
2009(平成21)年9月に消費者庁が設立されて10 年以上が経過した。消費者庁設立による国の消費者行政の変化を説明するとともに、消費生活センターなど地方公共団体における消費者行政の課題について論じなさい。
指定語句:消費者行政の司令塔、消費生活相談、消費者事故、PIO-NET、消費者安全確保地域協議会
今回のテーマ1は行政問題・事前対策可能な範囲でしたので難易度は普通です
今回のテーマ1は勉強部屋2019で重点対策したテーマである「消費者庁創設10年」でした。1年遅れでの出題もありうるので、2020年度の重点テーマ「消費者行政のあり方」と合わせて、対策しておくようにとのアドバイスが現実になりました。ただし、「消費者庁設立による国の消費者行政の変化を説明するとともに」というところが、少し厚めに書く必要があるのがポイントかもしれませんし、論じるべき点が「課題」だけになっていることに注意が必要です。
2019年度限定テーマ(行政問題)※重点対策
【行政問題】
消費者庁が創設されて10年になりますが、消費者被害の防止や救済に関して、消費者庁や消費生活センターが果たしてきた役割や課題について論じなさい。
指定語句:縦割り行政、消費者安全法、見守りネットワーク、相談窓口、あっせん
※追加指定語句⇒消費者ホットライン、司令塔、消費者教育
「縦割り行政」と「司令塔」はどちらかを選んでください(書く内容は同じような感じ)。
消費者教育は見守りネットワークとセットで考えてください。
論じるべき点は「消費生活センターなど地方公共団体における消費者行政の課題」
- 地方消費者行政強化作戦⇒地方消費者行政強化作戦2020(第4期消費者基本計画)に政策目標として列挙されている。
【政策目標の例示】消費生活相談体制の強化、相談の質の向上、消費者教育の推進、高齢者の見守り活動の充実 - 特に、指定語句「消費者安全確保地域協議会」=「見守りネットワーク」であり、強化作戦の「高齢者の見守り活動の充実」と合致している。
- また、指定語句「消費生活相談」に強化作戦の「消費生活相談体制の強化」「相談の質の向上」を使うとよい。
- 第4期消費者基本計画のキーワードに「ぜい弱な消費者の増加(高齢者、成年年齢の引下げ)」と「社会情勢の変化(デジタル化の進展による電子商取引の拡大、SNS、越境消費者取引)」
参考⇒【緊急動画解説】「第4期消費者基本計画」「地方消費者行政強化作戦2020」のポイント解説(24分32秒)(2020/9/21)[会員限定]
指定語句
指定語句:消費者行政の司令塔、消費生活相談、消費者事故、PIO-NET、消費者安全確保地域協議会
- 【消費者行政の司令塔】
縦割り行政から各省庁間を横断的にまとめて消費者行政のリーダーシップをとる消費者庁の重要な役割。消費者被害を一元的に集約し調査分析する。 - 【消費生活相談】
消費生活相談業務は消費生活センターの重要な役割。消費者トラブルへの対応。情報提供・助言のほか、あっせんも行う。専門的な知識を持った消費生活相談員が対応する。 - 【消費者事故】
事故情報が共有されなかったために問題となった。消費者庁創設のきっかけの一つ。消費者安全法での事故情報の収集解析および重大事故の通知制度。身体等の被害だけでなく、財産的な被害も含む。 - 【PIO-NET】
頻出指定語句。各地の消費生活センターの相談情報をネットワークで国民生活センターで集約する。3つの機能があり、①相談情報への活用②政策立案・法執行③啓発活用 - 【消費者安全確保地域協議会】
消費者安全法に規定(最初から規定されていたのではなくて改正で追加された)。「見守りネットワーク」ともよばれている。過去問では「見守りネットワーク」が指定語句になっていた。「消費者安全確保地域協議会」は改正当初は難指定語句でしたが今はよく登場。「見守りネットワーク」と同じ意味だということが分かっていれば難しくないでしょう。
【指定語句を順番に使ってストーリー構成を作る】
- 縦割り行政で事故情報などが共有されず被害が拡大したり被害防止が遅れたりした。そこで、各省庁を横断的にまとめる組織として消費者庁が設立され、消費者庁が消費者行政の司令塔として、リーダーシップをとって消費者行政を推進していくことになった。
- 消費者トラブルの相談窓口として消費生活センターは重要な役割を担っている。(ハード面)消費者庁が創設されて消費生活センターをはじめとした相談窓口の整備がすすめられた。消費者安全法による消費生活センターの法的位置づけ。(ソフト面)消費生活センターでは、情報提供や助言のほか、あっせんも行っている。消費者安全法による消費生活相談員の法的位置づけ。消費生活相談員の国家資格化。
- 消費生活センターでは、身体被害のほか財産被害についても消費者事故として受け付けている(ポイントは財産被害も含む)。消費者安全法による重大事故の報告が制度化されている。すき間案件についても対応している。
- 相談窓口で受け付けた情報はPIO-NETで国民生活センターに集約される。PIO-NETの3つの機能。
- 課題として高齢者の被害防止がメインの論点。高齢者を地域で見守ることが重要であり、啓発活動(消費者教育)を推進していくとともに、消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)を構築していく。※第4期消費者基本計画や消費者行政強化作戦2020の高齢者に関すること
- 相談員として、相談スキルの向上、啓発活動への参加をしていきたい。
論文テーマの参考資料
【参考】WEB版国民生活 2019年7月号(No.84) 特集 より充実した地方消費者行政のために
1 地方消費者行政の歩みと課題-消費者庁創設から10年-[PDF形式](340KB)
http://www.kokusen.go.jp/wko/data/wko-201907.html
【執筆者】田口 義明(名古屋経済大学 名誉教授)
2-1 活動内容の共有で深まる連携-自治体、消費者団体、福祉関係者等の懇談会-[PDF形式](459KB)
【執筆者】中谷 隆秀(長野県消費者団体連絡協議会事務局)
2-2 長野県における市町村消費者行政支援について[PDF形式](155KB)
【執筆者】長野県県民文化部くらし安全・消費生活課
3-1 埼玉県消費生活支援センターの市町村センター支援[PDF形式](303KB)
【執筆者】��永 康明(埼玉県消費生活支援センター主任専門員)
3-2 富里市消費者行政推進連絡協議会の設置と見守りネットワークの取り組み[PDF形式](399KB)
【執筆者】富里市市民経済環境部商工観光課
厳しい財政状況の中、地方自治体の消費者行政を充実・強化していくためには、限られた人員で工夫をしながら事業を進めていくことが求められます。そこで、今号ではまず地方消費者行政の現状を踏まえこれからの課題を考えるとともに、連携や効率化で一定の成果を挙げている地方自治体の取り組み例を紹介します。
【管理人コメント】「1 地方消費者行政の歩みと課題-消費者庁創設から10年-」は超重要。また、見守りネットワークという語句も指定語句として出題されたことがあるので、特に、高齢者被害防止対策として超重要。
【参考】2019年5号 消費者情報No.488
特集 消費者庁・消費者委員会 創設10年のあゆみ
巻頭インタビュー 消費者庁・消費者委員会創設10年に想うこと(PDF形式:1682KB)PDFファイル
元・内閣府消費者委員会事務局長 原 早苗さん消費者庁発足10年「誰一人取り残さない」社会の実現を目指して(PDF形式:693KB)PDFファイル
消費者庁長官 岡村 和美消費者委員会創設10年と今後の展望(PDF形式:671KB)PDFファイル
内閣府消費者委員会委員長 髙 巖消費者庁・消費者委員会創設10年のあゆみに寄せて(PDF形式:613KB)PDFファイル
独立行政法人国民生活センター理事長 松本 恒雄全国消費者行政ウオッチねっとが見た消費者庁・消費者委員会の10年(PDF形式:695KB)PDFファイル
http://www.kanshokyo.jp/jigyou/joho/
全国消費者行政ウォッチねっと事務局長 弁護士 拝師 徳彦
【参考】消費者白書 令和元年版 第1部第2章 消費者庁及び消費者委員会の10年
消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 調査・物価・事業者連携 > 消費者白書等
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/令和元年版
HTML形式【本文】令和元年版 消費者白書
【概要】令和元年版 消費者白書
[Summary] White Paper on Consumer Affairs 2019PDF形式
【本文】令和元年版 消費者白書[PDF:8.8MB]
表紙裏表紙_目次_凡例_序[PDF:1.6MB]
第1部第1章 消費者を取り巻く環境の変化と消費者問題 [PDF:3.7MB]
第1部第2章 消費者庁及び消費者委員会の10年 [PDF:4.8MB]
第1部第3章 今後の消費者政策の在り方についての展望 [PDF:7.8MB]
第2部第1章 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果等 [PDF:4.3MB]
第2部第2章 消費者政策の実施の状況 [PDF2.5MB]
資料編[PDF:2.0MB]【概要】令和元年版 消費者白書 [PDF:10.1MB]
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/
[Summary] White Paper on Consumer Affairs 2019[PDF:1.4MB]
指定語句の解説資料
消費者行政の司令塔
(消費者白書より抜粋)
消費者庁は、縦割り行政から脱却すべく、消費者行政の「司令塔」としての役割を果たすために設置されました。以下では、消費者庁が消費者行政の「司令塔」としてどのような役割が求められてきたかについて、①消費者被害に対して、すき間なく迅速に対応する機能と、②府省庁横断的に消費者政策を推進する調整機能に分けて解説するとともに、③政府の消費者政策の計画的な推進(消費者基本計画等)について概観します。
※これ以降、「消費者行政の司令塔機能」といった用語を用いる場合には、主にこれらの機能を意味するものとする。消費者庁
~消費者行政の司令塔・エンジン役~
○情報を一元的に集約し、調査・分析
○情報を迅速に発信して、注意喚起
○緊急時対応が必要な生命・身体事案への政府一体となった対応
○各省庁に対する措置要求
○「すき間事案」への対応(勧告等)
○消費者に身近な諸法律を所管・執行
○横断的な制度を企画立案消費者庁は、消費者行政の
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/
司令塔として、事案や問題の性質に応じて、与えられた手段を最大限に活用して、消費者政策を推進していくことが求められます。
消費生活相談
(消費者白書より抜粋)
消費生活相談員は、消費生活センター・消費生活相談窓口の現場において消費者からの相談等に直接対応する重要な役割を担います。消費生活相談では、相談者から相談の内容を聞き取り、適切に対応し、時には事業者との交渉等も行うため、消費生活相談に必要な知識・技術はもちろん、経験の積み重ねも重要となります。そのほか、消費生活相談員には、消費者に近い立場からの普及啓発を行う役割もあります。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/
また、消費生活相談員の重要な役割の一つに、PIO-NET32への消費生活相談情報の入力・登録業務があります。集約された消費生活相談情報は相談対応の際に参考になるのみならず、法執行の端緒や、消費者政策の立案に活用されています。このように、PIO-NETへの入力・登録は、消費者行政において重要な業務となっています。
消費者事故
(消費者白書より抜粋)
消費者事故等に関する情報の一元的集約・分析・注意喚起等
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/
従来の問題点を受け、消費者被害に対してすき間なく、迅速に対応するため、消費者事故等の情報を消費者庁に一元的に集約・分析した上で、消費者への注意喚起、関係行政機関(各大臣)への措置要求、事業者に対しての勧告等をする仕組みが整備されました(図表Ⅰ-2-2-16 )。
2012年の消費者安全法改正37において、財産に関する事態(以下「財産事案」という。)にも勧告を行う対象を拡大し、2013年には、2件の財産事案で事業者に対する勧告を行いました(図表Ⅰ-2-2-17 )。
このような仕組みの下、2018年度末までに、消費者安全法の規定に基づく注意喚起を累計74件(生命・身体事案3件、財産事案71件)実施しています。
消費者安全法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=421AC0000000050
(定義)
第二条 この法律において「消費者」とは、個人(商業、工業、金融業その他の事業を行う場合におけるものを除く。)をいう。
2 この法律において「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者(個人にあっては、当該事業を行う場合におけるものに限る。)をいう。
3 この法律において「消費者安全の確保」とは、消費者の消費生活における被害を防止し、その安全を確保することをいう。
4 この法律において「消費安全性」とは、商品等(事業者がその事業として供給する商品若しくは製品又は事業者がその事業のために提供し、利用に供し、若しくは事業者がその事業として若しくはその事業のために提供する役務に使用する物品、施設若しくは工作物をいう。以下同じ。)又は役務(事業者がその事業として又はその事業のために提供するものに限る。以下同じ。)の特性、それらの通常予見される使用(飲食を含む。)又は利用(以下「使用等」という。)の形態その他の商品等又は役務に係る事情を考慮して、それらの消費者による使用等が行われる時においてそれらの通常有すべき安全性をいう。
5 この法律において「消費者事故等」とは、次に掲げる事故又は事態をいう。
一 事業者がその事業として供給する商品若しくは製品、事業者がその事業のために提供し若しくは利用に供する物品、施設若しくは工作物又は事業者がその事業として若しくはその事業のために提供する役務の消費者による使用等に伴い生じた事故であって、消費者の生命又は身体について政令で定める程度の被害が発生したもの(その事故に係る商品等又は役務が消費安全性を欠くことにより生じたものでないことが明らかであるものを除く。)
二 消費安全性を欠く商品等又は役務の消費者による使用等が行われた事態であって、前号に掲げる事故が発生するおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するもの
三 前二号に掲げるもののほか、虚偽の又は誇大な広告その他の消費者の利益を不当に害し、又は消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある行為であって政令で定めるものが事業者により行われた事態
6 この法律において「生命身体事故等」とは、前項第一号に掲げる事故及び同項第二号に掲げる事態をいう。
7 この法律において「重大事故等」とは、次に掲げる事故又は事態をいう。
一 第五項第一号に掲げる事故のうち、その被害が重大であるものとして政令で定める要件に該当するもの
二 第五項第二号に掲げる事態のうち、前号に掲げる事故を発生させるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するもの
8 この法律において「多数消費者財産被害事態」とは、第五項第三号に掲げる事態のうち、同号に定める行為に係る取引であって次の各号のいずれかに該当するものが事業者により行われることにより、多数の消費者の財産に被害を生じ、又は生じさせるおそれのあるものをいう。
一 消費者の財産上の利益を侵害することとなる不当な取引であって、事業者が消費者に対して示す商品、役務、権利その他の取引の対象となるものの内容又は取引条件が実際のものと著しく異なるもの
二 前号に掲げる取引のほか、消費者の財産上の利益を侵害することとなる不当な取引であって、政令で定めるもの
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)
国民生活センターHP
トップページ > 国民生活センターについて > 国民生活センターの紹介 > 業務案内 > 相談情報の収集・管理 > PIO-NETの紹介[2019年10月11日:更新]
http://www.kokusen.go.jp/pionet/
PIO-NETの紹介PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センターをネットワークで結び、消費者から消費生活センターに寄せられる消費生活に関する苦情相談情報(消費生活相談情報)の収集を行っているシステムです。
PIO-NETとは
地方公共団体は、商品やサービスなど消費生活全般に関するさまざまな苦情相談を受け付ける相談窓口(消費生活センター)を設置し、消費生活相談員による問題解決の支援(相談処理)を行っています。
消費生活相談員が、消費者(相談者)から苦情相談を受けたときは、相談者から「聞き取り」を行い、相談の内容に応じた苦情の解決のための「相談処理」を行います。
「聞き取り」から「相談処理」の過程はすべて記録され、全国の消費生活センターには、このような苦情相談の記録が蓄積されます。
この苦情相談の記録を収集して、消費者行政に役立てることを目的として構築されたのが、「全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET※)」です。
情報の内容は、苦情相談の記録を整理した要約です。
※ Practical Living Information Online Network System
PIO-NETの目的
行政機関による消費者被害の未然防止・拡大防止のための、法執行への活用など
http://www.kokusen.go.jp/pionet/
国・地方公共団体の消費者政策の企画・立案及び国民・住民への情報提供
地方公共団体(消費生活センター)の消費生活相談業務に対する支援
消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)
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消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)
平成26年6月の消費者安全法(平成21年法律第50号)の改正により、高齢者、障がい者、認知症等により判断力が不十分となった者の消費者被害を防ぐため、地方公共団体及び地域の関係者が連携して見守り活動を行う「消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)」を設置できることが規定されました 。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/system_improvement/network/
消費者安全確保地域協議会設置の手引き(3ページ)
1.見守りの重要性 ~地域協議会設置が求められる背景~平成26 年の消費者安全法の改正においては、高齢者、障がい者、認知症等により判断力が不十分となった者の消費者被害を防ぐため、地方公共団体及び地域の関係者が連携して見守り活動を行う「消費者安全確保地域協議会」(以下「地域協議会」という。)を設置できることが規定されました。
高齢者等の消費者被害の未然防止・拡大防止においては、普段から地域の見守り活動を行う者(福祉関係者、医療・保健所関係者、警察・司法関係者、教育関係者、事業者等)が消費者被害を察知した際に、スムーズに解決につなげる必要があります。なぜ地域協議会が必要となるのか。地域協議会には、どのような役割が期待されるのか。まずは、事例を通して考えてみましょう。※平成26 年6月の消費者安全法の改正は、平成28 年4月1日から施行されている。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/system_improvement/network/
【テーマ2】定期購入トラブル
インターネット通信販売においては、定期購入に関する消費者トラブルが増加している。その特徴と問題点を挙げるとともに、被害の防止対策について論じなさい。
指定語句:お試し価格、スマートフォン、広告表示義務、解約返品制度、最終確認画面
法律問題は事前の想定通り「定期購入」となりました。指定語句もほぼ同じです。ただし、論じる点が「被害の防止策」になっていることに注意ですので、トラブル解決の法制度や救済は脇役になるのかもしれません。
今回のテーマ2は法律問題・重点対策テーマでしたので難易度は比較的易しかった
今回のテーマ2は勉強部屋2020で重点対策したテーマで、ずばりでした。指定語句もほぼ同じで楽に書けたのではないでしょうか。また、行政問題とは違い、事実を淡々と書いていけばいいので、ほかの受験生と同じような内容でもOK。
【勉強部屋・法律問題・事例問題・テーマ例・2020年度用に新規作成】
インターネット通信販売での定期購入のトラブルが増大している。定期購入のトラブルの具体例と特徴を挙げつつ、トラブルの防止・救済のための法制度や仕組みについて論じなさい。
指定語句:特定商取引法、広告規制、申し込み内容の確認措置、返品特約、行政処分
論じるべき点は「定期購入による被害の防止対策」
- 指定語句はすべてトラブルにあわないための注意事故にもなっているので、そこを意識しながら論じるとよい。指定語句の各ブロックごとに「被害の防止対策」を書いてもいいし、最後にまとめて「被害の防止対策」のブロックを書いてもいいし、両方書いてもいい。
- 法律問題らしく、通信販売の仕組みをきちんと書くこと。
参考 ⇒ 特定商取引法(通信販売)「顧客の意に反して通信販売に係る売買契約の申込みをさせようとする行為」と電子消費者契約法(動画解説あり)[会員限定](2020/10/15)
指定語句
指定語句:お試し価格、スマートフォン、広告表示義務、解約返品制度、最終確認画面
- 【お試し価格】
定期購入のよくある事例。下記のような事例をだらだらと書くのではなくコンパクトにまとめる。例示する事例は指定語句に出ているので、これだけでよく、最後に「~など」を付け足せばよい。
国民生活センター公表相談事例「お試しだけのつもりで注文したが定期購入が条件だった」
動画投稿サイトで「ダイエット効果のあるサプリメント、お試し500円」という広告を見て注文した。最近、初回の商品と同じ商品が届き、商品代金約6,500円の請求書が同梱(どうこん)されていた。驚いて事業者に問い合わせると、「5回の商品購入が条件の契約だ」と言われた。500円のお試しのみの購入で定期購入が条件とは思わず注文した。注文時の最終確認画面にも高額な金額の記載はなく、定期購入が条件とも記載されていなかった。こんなに高額になるなら注文しなかった。納得できない。 - 【スマートフォン】
この指定語句は奥深い。なぜなら前の指定語句「お試し価格」にも使えるし、残り3つのすべての指定語句にも使える。
①スマートフォンの普及により手軽にネットで購入できるようになった
②SNSなどの広告により定期購入のトラブルにあう機会が増えた
③スマートフォンは画面の大きさに限界があるため、契約内容等を全て確認するにはスクロールしなければならず、かつ、文字が小さいので、契約内容を十分理解しないまま購入している
④これを悪用して定期購入させる事業者も少なくない(不利な条件を目立たなくしている) - 【広告表示義務】
特定商取引法に基づく表示義務で、定期購入について法令改正で表示項目が増えた(定期購入であること、契約の内容など) - 【解約返品制度】
返品特約が表示されていない場合は自己都合でも送料消費者負担で8日以内に返品可能。トラブル事例では、返品特約が書いてなかったり分かりにくく書いている。 - 【最終確認画面】
広告表示義務項目や返品特約は契約の申込みの最終確認画面に表示しておく必要がある。容易に確認訂正できる措置がされていな場合は違反となり、行政処分を受ける。※違反=取消し返品可能でなないの⇒民法の錯誤取消し(電子消費者契約法)。指定語句にはなっていなので、ここまで書く必要はないが、余裕があれば書いてもよい。
指定語句からストーリーを作る
【指定語句を順番に使ってストーリー構成を作る】
- インターネットによる通信販売が普及している⇒近年、定期購入のトラブルが増加している⇒定期購入トラブル事例⇒指定語句「お試し価格」
- スマートフォンの普及⇒SNSなどの広告による購入の増加⇒トラブル(どんなトラブルかといえば、残りの指定語句)
- 定期購入は特定商取引法の通信販売の規制を受けている⇒事業者の住所氏名や契約内容などの特定商取引法に基づく表示と呼ばれる「広告表示義務」がある。契約条件がある場合は表示しなければならないが定期購入であることが分かりにくくトラブルが増加したため法令が改正されて、定期購入である場合は、広告表示義務項目に定期購入であることや契約回数・総額などの項目が追加された。⇒広告表示を確認する
- 定期購入だと思わずに届いた商品を返品しようとした場合に、返品特約がなければ、消費者の返送料負担で返品可能⇒返品できないとの特約がある場合も、容易に認識できない表示になっている場合は違反となるので返品交渉は可能である(電子消費者契約法)⇒返品・解約条件を確認する
- 特定商取引法では契約の申込みの最終確認画面で申し込み内容を容易に確認・訂正できる措置が必要とされており⇒最終確認画面があるか?ある場合は、申込み内容がすべて表示されているか?申し込みボタンをクリックする前に内容を確認したか?
- まとめとして、定期購入トラブル防止のポイントを再掲し、消費生活センターでも情報発信や啓発活動を行っていることを書いて締める。
(国民生活センター公表資料より)
相談事例からみる特徴と問題点
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20191219_1.html
・定期購入が条件であること等の契約内容が認識しづらい
・契約内容の表示が不十分なSNS上の広告や動画広告をきっかけに注文に至っている
・解約条件が認識しづらい
・事業者と連絡がとれない
・消費者は注文時に想定した以上の金額を支払うことになる
アドバイス
・「定期購入が条件となっていないか」「支払うこととなる総額はいくらか」など契約内容をしっかり確認しましょう
・「解約・返品できるかどうか」「解約・返品できる場合の条件」など解約条件をしっかり確認しましょう
論文テーマの参考資料
【参考】国民生活センター公表資料
国民生活センターHP
トップページ > 注目情報 > 発表情報 > 相談激増!「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?-解約したくても「解約できない」、「高額で支払えない」…-[2019年12月19日:公表]
相談激増!「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?-解約したくても「解約できない」、「高額で支払えない」…-*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。
販売サイト等で「1回目90%OFF」「初回実質0円(送料のみ)」など通常価格より低価格で購入できることを広告する一方で、定期購入が条件となっている健康食品や飲料、化粧品の通信販売に関する相談(以下、通信販売での健康食品等の「定期購入」に関する相談)が全国の消費生活センター等に多く寄せられています。相談件数は年々増加しており、2019年度(2019年11月30日時点)にPIO-NET(注)に寄せられた相談は29,177件と、2018年度の23,002件を既に上回っており、前年度同期比約230%と激増しています。
図.通信販売での健康食品等の「定期購入」に関する相談件数の推移
2014年度から2019年11月30日までの年度別相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。
※1 2018年度同期件数(2018年11月30日までのPIO-NET登録分は12,834件)
※2 2019年度は4月~11月の相談件数2014年度の相談件数は1,925件、2015年度の相談件数は5,922件、2016年度の相談件数は14,909件、2017年度の相談件数は19,261件、2018年度の相談件数は23,002件、2019年11月30日までの相談件数は29,177件(前年度同時期の相談件数は12,834件)です。
(注)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。本資料の相談件数は、2019年11月30日までのPIO-NET登録分。
相談事例
お試しだけのつもりで注文したが定期購入が条件だった動画投稿サイトで「ダイエット効果のあるサプリメント、お試し500円」という広告を見て注文した。最近、初回の商品と同じ商品が届き、商品代金約6,500円の請求書が同梱(どうこん)されていた。驚いて事業者に問い合わせると、「5回の商品購入が条件の契約だ」と言われた。500円のお試しのみの購入で定期購入が条件とは思わず注文した。注文時の最終確認画面にも高額な金額の記載はなく、定期購入が条件とも記載されていなかった。こんなに高額になるなら注文しなかった。納得できない。
その他、以下のような相談も寄せられています。・2回目に数カ月分の商品が一度に届いた
・カウントダウンに焦って注文したら実際には定期購入が条件だった
・定期購入契約を解約するには通常価格で商品を購入する必要があると言われた
・通常価格での商品購入が「解約保証」の条件となっていた
・いつでも解約可能の定期購入を解約しようとしたが、解約の申請期間外だと断られた
・事業者に電話がつながらず解約できない
・体調不良を理由に解約を申し出たが医師の診断書を求められた相談事例からみる特徴と問題点
・定期購入が条件であること等の契約内容が認識しづらい
・契約内容の表示が不十分なSNS上の広告や動画広告をきっかけに注文に至っている
・解約条件が認識しづらい
・事業者と連絡がとれない
・消費者は注文時に想定した以上の金額を支払うことになるアドバイス
・「定期購入が条件となっていないか」「支払うこととなる総額はいくらか」など契約内容をしっかり確認しましょう
・「解約・返品できるかどうか」「解約・返品できる場合の条件」など解約条件をしっかり確認しましょう
・事業者に連絡した記録を残しましょう
・不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談しましょう※消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。[報告書本文] 相談激増!「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?-解約したくても「解約できない」、「高額で支払えない」…-[PDF形式](639KB)
特定商取引法「定期購入の契約内容の表示」
「第十一条(通信販売についての広告)」には必要な表示が示されているのですが、すべての表示事項が列挙されているのではなく、いくつか列挙されていて、最後に「主務省令で定める事項」という表現があり、施行規則で、残りの表示事項が示されています。
定期購入のトラブルの多発を受けて、定期購入の場合に表示すべき事項が追加されたのですが、施行規則に「商品の売買契約を二回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び金額、契約期間その他の販売条件」という項目が追加されています。それと同時に『インターネット通販における「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に係るガイドライン』が改訂され、定期購入の表示方法も追加で具体的に示されました。
※特定商取引に関する法律施行規則の改正(平成28年6月3日公布・平成29年12月1日施行)
◆「いわゆる定期購入契約」とは「販売業者が購入者に対して商品を定期的に継続して引き渡し、購入者がこれに対する代金の支払をすることとなる契約」
インターネット通販における「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に係るガイドライン
◆申込みの最終確認画面での申込者が締結することとなる定期購入契約の主な内容
・契約期間(商品の引渡しの回数、購入者から解約通知がない限り契約が継続する無期限又は自動更新のある契約である場合にはその旨)
・消費者が支払うこととなる金額(各回ごとの商品の代金及び送料並びに支払総額等)
・各回ごとの商品の代金の支払時期
・その他の特別の販売条件(購入者が商品を購入しなければならない回数が決められている場合にはその旨及びその回数並びに解約条件等)
なお、解約条件等の定期購入契約の主な内容に商品の引渡時期が密接に関連する場合は、各回ごとの商品の引渡時期も含まれる。
平成28年改正特定商取引法について(平成29年11月 消費者庁取引対策課)
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平成28年特定商取引法の改正について
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2016/6.広報・説明資料等
特定商取引に関する法律の一部を改正する法律にかかる説明会資料[PDF: 1.8 MB](平成29年11月27日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2016/