30年度 問題1⑦⑧ 消費者行政と関連法(正誤○×)その4(一般公開中)

1. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入 (マーク)しなさい。

⑦ 消費者安全法は、都道府県は、市町村が消費生活相談等の事務を他の市町村と共同して処理しようとする場合、関係市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができるとしている。

⑧ 消費者安全法は、都道府県及び市町村が設置する消費生活センターの基準として、消費生活相談員を消費生活相談等の事務に従事させること、消費生活相談等の事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織等の設備を備えていること、1週間につき4日以上相談の窓口を開所していることを定めている。

問題1⑦ 消費者安全法(第8条 都道府県の役割) AB★ ※常識対応可能

⑦ 消費者安全法は、都道府県は、市町村が消費生活相談等の事務を他の市町村と共同して処理しようとする場合、関係市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができるとしている。

消費生活センターの事務については消費者安全法に規定されています。
実はこれまで消費生活センターについては法律的な位置づけがなかった(消費者基本法に苦情処理のあっせん等の処理をしなさいというのが根拠⇒下記に条文)という経緯がありますので、画期的な法律となります。
あわせて消費生活相談員についても法改正により規定されています(「専門的な知識及び経験を有する者を従事させる」から「消費生活相談員を従事させる」に改正(消費生活相談員の国家資格化)⇒平成28年4月1日施行)。

消費生活センターは、都道府県のセンターと市町村のセンターがあり、法律でも、それぞれの役割について規定されています。
どのような役割分担かは想像がつくと思います。市町村は身近な存在で、都道府県は市町村を支援したりまとめたりする役割ですね。
すると、問題文も日本語的に違和感もなく正解であると想像できます。実際に、消費者安全法第8条第3項の条文の前半分そのままの問題となっています。

したがって、問題1⑦は〇(正しい文章)です。この問題は常識的にわかるので正解したいところです。

消費者安全法
(都道府県及び市町村による消費生活相談等の事務の実施)
第八条 都道府県は、次に掲げる事務を行うものとする。
一 次項各号に掲げる市町村の事務の実施に関し、市町村相互間の連絡調整及び市町村に対する必要な助言、協力、情報の提供その他の援助を行うこと。
二 消費者安全の確保に関し、主として次に掲げる事務を行うこと。
イ 事業者に対する消費者からの苦情に係る相談のうち、その対応に各市町村の区域を超えた広域的な見地を必要とするものに応じること。
ロ 事業者に対する消費者からの苦情の処理のためのあっせんのうち、その実施に各市町村の区域を超えた広域的な見地を必要とするものを行うこと。
ハ 消費者事故等の状況及び動向を把握するために必要な調査又は分析であって、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
ニ 各市町村の区域を超えた広域的な見地から、消費者安全の確保のために必要な情報を収集し、及び住民に対し提供すること。
三 市町村との間で消費者事故等の発生に関する情報を交換すること。
四 消費者安全の確保に関し、関係機関との連絡調整を行うこと。
五 前各号に掲げる事務に附帯する事務を行うこと。
2 市町村は、次に掲げる事務を行うものとする。
一 消費者安全の確保に関し、事業者に対する消費者からの苦情に係る相談に応じること。
二 消費者安全の確保に関し、事業者に対する消費者からの苦情の処理のためのあっせんを行うこと。
三 消費者安全の確保のために必要な情報を収集し、及び住民に対し提供すること。
四 都道府県との間で消費者事故等の発生に関する情報を交換すること。
五 消費者安全の確保に関し、関係機関との連絡調整を行うこと。
六 前各号に掲げる事務に附帯する事務を行うこと。
3 都道府県は、市町村が前項各号に掲げる事務を他の市町村と共同して処理しようとする場合又は他の市町村に委託しようとする場合は、関係市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができる。
4 第一項各号に掲げる事務に従事する都道府県の職員若しくはその職にあった者又は第二項各号に掲げる事務に従事する市町村の職員若しくはその職にあった者は、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

消費者基本法での消費生活相談業務の必要性、消費生活センターや相談窓口の設置の根拠条文

消費者基本法
(苦情処理及び紛争解決の促進)
第十九条 地方公共団体は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた苦情が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に処理されるようにするため、苦情の処理のあつせん等に努めなければならない。この場合において、都道府県は、市町村(特別区を含む。)との連携を図りつつ、主として高度の専門性又は広域の見地への配慮を必要とする苦情の処理のあつせん等を行うものとするとともに、多様な苦情に柔軟かつ弾力的に対応するよう努めなければならない。
2 国及び都道府県は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた苦情が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に処理されるようにするため、人材の確保及び資質の向上その他の必要な施策(都道府県にあつては、前項に規定するものを除く。)を講ずるよう努めなければならない。
3 国及び都道府県は、商品及び役務に関し事業者と消費者との間に生じた紛争が専門的知見に基づいて適切かつ迅速に解決されるようにするために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。

類似過去問

【29年度過去問 問題1⑧ 単純正誤】
消費者安全法上、市町村は、事業者に対する消費者からの苦情相談への対応や苦情処理のためのあっせんを行うこととされている。他方、都道府県は、それらのうち、主として各市町村の区域を超えた広域的な見地を必要とするものを行うこととされている。
(正答→〇)

問題1⑧ 消費者安全法(第10条 消費生活センターの設置) AB★ ※超重要・超頻出

⑧ 消費者安全法は、都道府県及び市町村が設置する消費生活センターの基準として、消費生活相談員を消費生活相談等の事務に従事させること、消費生活相談等の事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織等の設備を備えていること、1週間につき4日以上相談の窓口を開所していることを定めている。。

消費生活センターの設置については消費者安全法第10条で規定されており、都道府県・市町村と別項でげられていますが文面的な内容は同じです。3項目あって1個目は「消費生活相談員を従事させる」、2個目は「電子情報処理の設備を備える」(いわゆるパソコン)、3個目は政令で定める基準となっており、その政令が消費者安全法施行令により、都道府県と市町村とも、「週に4日以上」と規定されています。

したがって、問題1⑧は〇(正しい文章)です。この問題は頻出問題なので過去問でも勉強しているはずなので正解したいところです。

消費者安全法
(消費生活センターの設置)
第十条 都道府県は、第八条第一項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置しなければならない。
一 消費生活相談員を第八条第一項第二号イ及びロに掲げる事務に従事させるものであること。
二 第八条第一項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
三 その他第八条第一項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
2 市町村は、必要に応じ、第八条第二項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置するよう努めなければならない。
一 消費生活相談員を第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務に従事させるものであること。
二 第八条第二項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
三 その他第八条第二項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
3 前項の規定により同項の施設又は機関を設置する市町村以外の市町村は、第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務に従事させるため、消費生活相談員を置くよう努めなければならない。

消費者安全法施行令
(都道府県が設置する消費生活センターの基準)
第六条 法第十条第一項第三号の政令で定める基準は、法第八条第一項第二号イ及びロに掲げる事務を一週間につき四日以上行うことができるものであることとする。
(市町村が設置する消費生活センターの基準)
第七条 法第十条第二項第三号の政令で定める基準は、法第八条第二項第一号及び第二号に掲げる事務を一週間につき四日以上行うことができるものであることとする。

【覚えておきたいポイント】消費生活センターの設置は条例で定める

消費者安全法
(消費生活センターの組織及び運営等)
第十条の二 都道府県及び前条第二項の施設又は機関を設置する市町村は、次に掲げる事項について条例で定めるものとする。
一 消費生活センター(前条第一項又は第二項の施設又は機関をいう。次項及び第四十七条第二項において同じ。)の組織及び運営に関する事項
二 第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる事務の実施により得られた情報の安全管理に関する事項
三 その他内閣府令で定める事項
2 都道府県又は消費生活センターを設置する市町村が前項の規定により条例を定めるに当たっては、事業者に対する消費者からの苦情が適切かつ迅速に処理されるための基準として内閣府令で定める基準を参酌するものとする。

【覚えておきたいポイント】消費生活相談員の資格・処遇・研修・守秘義務

消費者安全法施行規則
(消費生活センターの組織及び運営等の基準)
第八条 法第十条の二第二項に規定する内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
一 都道府県知事又は市町村長は、消費生活センターを設置したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を公示すること。当該事項を変更したときも、同様とする。
イ 消費生活センターの名称及び住所
ロ 法第十条の三第二項に規定する消費生活相談(以下「消費生活相談」という。)の事務を行う日及び時間
二 消費生活センターには、消費生活センターの事務を掌理する消費生活センター長及び消費生活センターの事務を行うために必要な職員を置くこと。
三 消費生活センターには、法第十条の三第一項に規定する消費生活相談員資格試験(以下単に「試験」という。)に合格した者(不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律(平成二十六年法律第七十一号。以下「景表法等改正等法」という。)附則第三条の規定により合格した者とみなされた者を含む。)を消費生活相談員として置くこと
四 消費生活センターは、消費生活相談員が実務の経験を通じて専門的な知識及び技術を体得していることに十分配慮し、任期ごとに客観的な能力実証を行った結果として同一の者を再度任用することは排除されないことその他の消費生活相談員の専門性に鑑み適切な人材及び処遇の確保に必要な措置を講ずること
五 消費生活センターは、当該消費生活センターにおいて法第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる事務に従事する職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保すること
六 消費生活センターは、法第八条第一項各号又は第二項各号に掲げる事務の実施により得られた情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の適切な管理のために必要な措置を講ずること

類似過去問

【29年度過去問 問題1⑦ 単純正誤 】※超頻出論点…都道府県は義務、市町村は努力義務
都道府県は、消費者安全法の要件を満たす消費生活センターを設置しなければならないが、市町村は、必要に応じ、同法の要件を満たす消費生活センターを設置するよう努めなければならないとされている。
(正答→〇)

【28年度過去問 問題1⑤ 単純正誤】※重要法律改正案件
消費者安全法では、消費生活相談員は、登録試験機関の行う消費生活相談員資格試験に合格した者又はこれと同等以上の専門的な知識及び技術を有すると都道府県知事若しくは市町村長が認める者でなければならないと規定されている。
(正答→〇)

【正答】
⑦→〇、⑧→〇

①、④~⑧の6個は正解できそうです。実際の点数と、改めて解説を読んで正解できてたかも、という差を比べてください。

実は問題1は④から⑧までの6個連続で「〇」という、ちょっと不安になるパターンです。新試験になってから、やたら「〇」の解答が増えています。