【テキスト】消費者問題・消費者行政の歴史
消費者問題・消費者行政の歴史の問題(主に問題1・2・3)は繰り返し同じ論点で出題されている頻出問題なので過去問対策が効果的です。
【テキスト・動画解説】消費者行政の歴史(ハンドブック消費者2014)(48分35秒)(2020/10/06)
相談員試験の択一試験問題1・2・3の消費者問題の歴史・消費者行政の歴史・消費者行政関連法で出題される問題は、「ハンドブック消費者2014」を勉強しておくと対応できる問題が多いです。また、論文試験の行政問題の序論等にも活用できます。
基本的に『I我が国の消費者政策[PDF:4,869KB]』の62ページ分を読んでおいてください。
発行が2014年版なので、新しい情報や改正された情報はありませんが、歴史は変わらないということです。主に、「消費者保護基本法→消費者基本法→消費者庁創設」までの歴史がコンパクトにまとめられています。消費者庁のホームページからダウンロードできるほか絶版かもしれませんが書籍で購入もできます。
関係資料
【消費者庁】ハンドブック消費者2014
消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 調査・物価・事業者連携 > 調査・報告書等 > ハンドブック消費者
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/handbook/
ハンドブック消費者
「ハンドブック消費者」は、消費生活に関する各種法令・制度の解説に重点を置きつつ、消費者政策の状況、関係機関の活動状況等について、最新の情報を基に、その概況を幅広く収録したものであり、消費者行政関係者や一般の消費者がそれらについての理解を深めていただくことにより、消費者トラブルの未然防止・拡大防止につなげることを目的として作成しています。最新版「ハンドブック消費者2014」は、全国官報販売協同組合より出版されています。官報販売所又はお近くの書店等でもお取り寄せできますので、ご注文ください。
2014年版
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/handbook/
ハンドブック消費者2014(全文)[PDF:13MB]
各章
表紙・凡例・目次[PDF:1,803KB]
I我が国の消費者政策[PDF:4,869KB]
II-«i»各種商品・サービス別の消費者政策[PDF:4,397KB]
II-«ii»取引全般に関する消費者政策[PDF:1,779KB]
II-«iii»消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援[PDF:2,098KB]
II-«iv»公正かつ自由な競争の促進[PDF:1,330KB]
II-«v»物価・公共料金[PDF:1,478KB]
II-«vi»経済社会の発展等の環境変化への対応[PDF:2,702KB]
参考資料[PDF:4,699KB]
索引[PDF:879KB]
2010年版
ハンドブック消費者2010[PDF:2,470KB]
訂正のお知らせ[PDF:102KB]
担当:参事官(調査・物価等担当)
アマゾンの中古は高いので、楽天等の中古などを探すしかないようですが、入手は難しいかもしれません。無理して大金を支払う必要はありません。また、上記で紹介している官報関係の販売所で在庫の有無をたずねてみるとよいかもしれません。
(参考)【消費者庁・消費者教育教材】入門!消費者問題の歴史・消費者問題年表
消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 消費者教育推進 > 消費者への普及啓発 > 消費者教育のための教材・資料・イラスト >
消費者問題の歴史
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/teaching_material/history/消費者問題の歴史
1.入門!消費者問題の歴史表紙[PDF:243KB]
はじめに[PDF:119KB]
1945~50年代 消費者問題の草創期[PDF:375KB]
1960年代 大量生産、大量販売、大量消費から起きる消費者問題[PDF:400KB]
1970年代 消費社会の多様化と暮らしの見直し[PDF:403KB]
1980年代 物からサービスへ 情報化、国際化に伴う消費者問題[PDF:345KB]
1990年代、2000年代以降 情報化社会、国際化社会、高齢社会と消費者問題[PDF:343KB]2.消費者問題年表
消費者問題年表[PDF:864KB]
担当:消費者教育推進課
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/teaching_material/history/
「ハンドブック消費者2014」以降の消費者施策のテキストは令和元年版消費者白書「消費者庁及び消費者委員会の10年」にもあります
消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 調査・物価・事業者連携 > 消費者白書等 > 令和元年版消費者白書目次 > 第1部 第2章 消費者庁及び消費者委員会の10年
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2019/white_paper_105.html
第1部 【特集】消費者庁及び消費者委員会設立10年〜消費者政策の進化と今後の展望〜
第2章 消費者庁及び消費者委員会の10年
消費者庁及び消費者委員会は、消費者・生活者の視点に立つ行政への転換を図るための拠点としての役割を担うことを期待されて2009年9月に設置されました。本章では、このような設置当初に求められた役割を踏まえ、両組織のこれまでの取組を振り返り、その成果と課題を明らかにします。第1節 消費者庁及び消費者委員会の設立
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2019/white_paper_105.html
第2節 消費者庁のこれまでの取組
第3節 消費者委員会のこれまでの取組
第4節 これまでの取組の評価と課題
消費者問題の歴史(アメリカでの始まりと消費者基本法)
【学習ポイント】暗記するほどではないが、誰が何を言ったのかが「つながる」ように。それぞれの項目自体は暗記までしなくてよいが、語群で見た時に当てはめれるようにすること。
【アメリカ大統領】消費者の4つの権利
1962年(昭和37年)
【ケネディ大統領】
消費者の4つの権利
- 安全への権利
- 情報を与えられる権利
- 選択をする権利
- 意見を聴かれる権利
1975年(昭和50年)
【フォード大統領】
消費者教育を受ける権利
【国際消費者機構(CI)】8つの消費者の権利と5つの消費者の責任
1982(昭和57)年【国際消費者機構(CI)】消費者団体の国際的組織
8つの消費者の権利
- 生活のニーズが保証される権利
- 安全への権利
- 情報を与えられる権利
- 選択をする権利
- 意見を聴かれる権利
- 補償を受ける権利
- 消費者教育を受ける権利
- 健全な環境の中で働き生活する権利
※マーカーは大統領の提唱と同じもの
5つの消費者の責任
- 批判的意識を持つ責任
- 主張し行動する責任
- 社会的弱者への配慮責任
- 環境への配慮責任
- 連帯する責任
CIの提唱はケネディ大統領とフォード大統領の提唱も合わせてまとめた形だと理解すればよい⇒消費者基本法にも採用されている
消費者基本法(2004年・平成16年)
1968年(昭和43年)に制定された「消費者保護基本法」が改正された
(基本理念)
第二条 消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策(以下「消費者政策」という。)の推進は、国民の消費生活における基本的な需要が満たされ、その健全な生活環境が確保される中で、消費者の安全が確保され、商品及び役務について消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保され、消費者に対し必要な情報及び教育の機会が提供され、消費者の意見が消費者政策に反映され、並びに消費者に被害が生じた場合には適切かつ迅速に救済されることが消費者の権利であることを尊重するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として行われなければならない。
2(以下省略)
【前提条件】
国民の消費生活における基本的な需要が満たされ、
その健全な生活環境が確保される中で、
- 【安全の確保】消費者の安全が確保され、
- 【選択の機会の確保】商品及び役務について消費者の自主的かつ合理的な選択の機会が確保され、
- 【必要な情報の提供】【教育の機会の確保】消費者に対し必要な情報及び教育の機会が提供され、
- 【消費者の意見の反映】消費者の意見が消費者政策に反映され、
- 【消費者被害の救済】並びに消費者に被害が生じた場合には適切かつ迅速に救済されること
が消費者の権利であることを尊重するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として行われなければならない。
この条文は先に紹介したCIの「8つの消費者の権利」と共通している
※それぞれについての基本的な施策が11条から19条に規定されている(ハンドブック消費者8ページの図を参照)
消費者行政施策
消費者問題の始まり(試験に出る重要事件)
- ニセ牛缶事件(1960年・主婦連合会)⇒景品表示法の制定へつながる ※2択のもう一方はカラーテレビ二重価格問題(1970年・全国地域婦人団体連絡協議会)で不買運動
- サリドマイド事件(1962年)⇒薬害・睡眠・鎮静剤の妊婦妊娠初期の服用で奇形児
- 森永ヒ素ミルク事件(1955年)⇒ヒ素の混入した森永乳業製の粉ミルクを飲用した乳幼児に多数の死者・中毒患者
- 消費者政策担当部局が相次いで設置(経済企画庁国民生活局(1965年))
- 1970年10月には、消費者問題の情報提供や苦情相談対応、商品テスト、教育研修等を担う機関として国民生活センターが設立
消費者保護基本法
1968年(昭和43年)5月30日公布・施行
消費者保護基本法
(目的)
第一条
この法律は、消費者の利益の擁護及び増進に関し、国、地方公共団体及び事業者の果たすべき責務並びに消費者の果たすべき役割を明らかにするとともにその施策の基本となる事項を定めることにより、消費者の利益の擁護及び増進に関する対策の総合的推進を図り、もつて国民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。
(国の責務)
第二条
国は、経済社会の発展に即応して、消費者の保護に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。
消費者基本法
消費者保護基本法が1968年に制定されて以降、急速な経済成長、広範な分野にわたる規制改革の推進、IT化や国際化の進展等により消費者を取り巻く環境は著しい変化を遂げました。
ハンドブック消費者2014
このような変化の中で、消費者政策の基本的な考え方や施策の内容を抜本的に見直し、21世紀にふさわしい消費者政策として再構築することが不可欠であるとの認識の下、国民生活審議会消費者政策部会において、2002年6月より「21世紀型消費者政策の在り方」についての議論が開始されました。
消費者基本法では、消費者政策の基本理念として「消費者の権利の尊重」及び「消費者の自立の支援」を掲げるとともに、その基本理念を具体的に実現する手段として、政府は、長期的に講ずべき消費者政策の大綱となる「消費者基本計画」を定めることとされています。
ハンドブック消費者2014
「消費者基本計画」では、毎年度、①計画に盛り込まれた施策の実施状況について検証・評価・監視を行うこと、②検証・評価の結果とそれによって必要となる「消費者基本計画」の見直しについては閣議決定を行い、公表することとされています。
ハンドブック消費者2014
2004年6月に公布・施行された消費者基本法では、消費生活に関する情報の収集・提供、苦情相談などの中核的な機関としての役割が明記されました。
ハンドブック消費者2014
2004年(平成16年)6月2日公布・施行
消費者基本法
(目的)
第一条 この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、国、地方公共団体及び事業者の責務等を明らかにするとともに、その施策の基本となる事項を定めることにより、消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策の推進を図り、もつて国民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。
(国の責務)
第三条 国は、経済社会の発展に即応して、前条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのつとり、消費者政策を推進する責務を有する。
(消費者基本計画)
第九条 政府は、消費者政策の計画的な推進を図るため、消費者政策の推進に関する基本的な計画(以下「消費者基本計画」という。)を定めなければならない。
2 消費者基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 長期的に講ずべき消費者政策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、消費者政策の計画的な推進を図るために必要な事項
3 内閣総理大臣は、消費者基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、消費者基本計画を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、消費者基本計画の変更について準用する。
(法制上の措置等)
第十条 国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行なわなければならない。
2 政府は、この法律の目的を達成するため、必要な財政上の措置を講じなければならない。
(年次報告)
第十条の二 政府は、毎年、国会に、政府が講じた消費者政策の実施の状況に関する報告書を提出しなければならない。
消費者庁創設
グローバル化、複雑化した社会においては、消費者問題は複雑化の傾向にあり、複数の府省庁の所管分野にまたがる事案も数多く発生するなど、これまでの行政では適切に対処することが困難な状況でした。加えて、食の安全・安心という消費生活の最も基本的な事項に対する消費者の信頼を揺るがす事件や、高齢者の生活の基盤である資産を狙った悪質商法による消費者被害等が相次いで発生してきました。
ハンドブック消費者2014
こうした社会状況の変化等を踏まえ、これまでの行政をパラダイム(価値規範)転換し、国民1人1人の立場に立ったものとするため、各府省庁の所管分野に横断的にまたがる事案に対し、いわば消費者行政の司令塔として機能し、各行政機関の権限の円滑な調整を行うとともに、必要な事案に対しては、自ら迅速に対応する新たな組織の設立に向けた検討が開始されました。
消費者委員会は、消費者庁を含めた関係府省庁等の消費者行政全般に対して監視機能を有する独立した第三者機関として、設置法に基づき2009年9月1日に消費者庁と同時に設置されました。
ハンドブック消費者2014
消費者庁及び消費者委員会設置法
2009年(平成21年)9月1日公布・施行
消費者庁は、自らが所掌する消費者関連法令を執行すること、消費者事故等に関する情報を一元的に集約し調査・分析を行うこと、消費者事故等に関する情報を迅速に発信して消費者の注意を喚起すること、各府省庁に対し措置要求を行うとともにいわゆる「隙間事案」については事業者に対する勧告等の措置を講じることなど、消費者行政の司令塔としての役割を担っています(詳細は12ページ参照)。そして、各府省庁は、相互間の情報共有を進めながら、的確な役割分担や共同の取組により、それぞれの業務を着実に遂行しています。
ハンドブック消費者2014
消費者委員会は、消費者庁を含めた各府省庁の消費者行政全般に対して監視機能を有する独立した第三者機関として、消費者庁及び消費者委員会設置法に基づき、2009年9月に設置されました。同委員会は、消費者行政に関わる重要事項について自ら調査審議し、内閣総理大臣や関係各大臣等に建議を行うこと、内閣総理大臣や関係各大臣等の諮問に応じて調査審議を行うこと、内閣総理大臣に対して勧告・報告要求を行うことなどの役割を担っています(詳細は13ページ参照)。
ハンドブック消費者2014
消費者安全法
2009年(平成21年)6月5日公布・2009年(平成21年)9月1日施行
消費者安全法
(目的)
第一条 この法律は、消費者の消費生活における被害を防止し、その安全を確保するため、内閣総理大臣による基本方針の策定について定めるとともに、都道府県及び市町村による消費生活相談等の事務の実施及び消費生活センターの設置、消費者事故等に関する情報の集約等、消費者安全調査委員会による消費者事故等の調査等の実施、消費者被害の発生又は拡大の防止のための措置その他の措置を講ずることにより、関係法律による措置と相まって、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に寄与することを目的とする。
1)「消費生活センター」
消費者安全法に規定される消費者からの苦情に関する相談、あっせん及び情報提供等の事務を行うため、都道府県・市町村により設置されています。同法では、都道府県には必置義務、市町村にも設置の努力義務が規定されています(同法第10条)。(注1)「消費生活センター」の基準として、ア)一週間に4日以上相談の窓口を開所していること、イ)消費生活相談について専門的な知識及び経験を有する者を配置していること、ウ)電子情報処理組織その他の設備(PIO-NETを念頭)を備えていること、とされています。
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