30年度 問題3 消費者行政の歴史(最近の消費者問題)(選択穴埋)その1(一般公開中)

3. 次の文章の[ ]に入る最も適切な語句を、下記の語群の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。

① 2016(平成28)年以降、製品の品質に関して消費者の信頼を揺るがす企業の不祥事が多くみられた。例えば2017(平成29)年、大手自動車メーカーにおいて、社内規程に基づいて認定された者以外の者が、型式指定自動車の[ ア ]を行っていた問題が発覚した。この件については、国土交通省自動車局長から改善指示が行われたが、同メーカーの一部工場ではそれ以降も不適正な[ ア ]が続けられていたことが明らかとなり、国土交通省は、[ イ ]に基づき、過料が適用されるよう地方裁判所に対し通知を行った。
不適正な[ ア ]の実施については、同時期に他の自動車メーカーでも行われていたことが明らかとなり、当該自動車メーカーは、対象車両の点検等を行うため [ ウ ]を実施した。
また、2016(平成28)年6月、大手鉄鋼メーカー及びそのグループ会社において、子会社による[ エ ]違反の問題が発覚した。そのことが発端となり、翌年には、複数の事業所で製品の品質データを改ざんしていた問題が明るみに出た。この一連の品質データに関わる不正問題で、[ オ ]が行われた。これを踏まえて、[ エ ]が改正・公布され、認証を受けずにJIS マークの表示を行った法人等に対する罰金刑の上限が1億円に引き上げられた。

② 2017(平成29)年は、多数の消費者に損害を与える社会的に影響の大きい消費者被害が相次いだ。
旅行業者があらかじめ旅行計画を作成して旅行者を集めるものを[ カ ]、旅行業者が旅行者からの依頼により宿泊施設や乗車券等のサービスを手配するものを[ キ ]と呼んでいる。主に海外旅行の[ カ ]を、格安を強調して販売した旅行業者が、多数の旅行者から旅行代金の一部又は全額を受領したまま経営破たんした事件が発生し、旅行業者の経営破たんとしては史上最大規模の事案となった。この事件をきっかけに、旅行業者が経営破たんした場合の弁済制度に関して、[ ク ]は、ワーキング・グループを立ち上げて検討を重ね、[ ケ ]制度の分担金の引上げや、民間による任意の[ コ ]制度への加入の促進等の措置を講じることとした。

【語群】

1. 工業標準化法 2. ボンド保証 3. 営業登録保証 4. 自動車検査独立行政法人法 5. 認定検査 6. 募集型企画旅行 7. 受注型企画旅行 8. 文化庁 9. リコール 10. JIS 認証の取消し 11. 観光庁 12. 手配旅行 13. 道路運送車両法 14. 旅程保証 15. 景品表示法 16. 燃費データ検査 17. 弁済業務保証金 18. 完成検査 19. JIS 認証の自主返納 20. 1ヵ月間の営業自粛

解説

  • 問題2の消費者行政の歴史として、消費者行政の始まりから、最近とは言えない数年前の問題まで試験範囲となっていましたが、問題3では、ごく最近の消費者問題が出題されています。特に、過去に社会問題となった消費者トラブルがその規制する法律とともに出題されています。
  • また、相談統計を使いながら最近の消費者トラブルについての問題も出題されています。
  • 問題3のタイトルを最近の消費者問題というくくりにしていますが、それぞれの単独の分野でも出題されますので、その分野の問題であらためて解説します。

PIO-NETの相談統計問題

  • 実は、PIO-NETの相談統計が旧試験では毎年出題されていたのですが、新試験では問題数も減ったことから、基本的になくなっています。ただ、平成28年度のように最近の相談傾向として出題されましたが、常識的な知識でも解答できる問題でした。
  • とはいっても、毎年夏に公表されるPIO-NETの相談統計は要チェックです。あわせて、国民生活センターが年末に公表する「消費者問題に関する10大項目」も要チェックです。
  • まあ、相談統計自体が、前々年度のものとなっているので、問題の旬としては違和感があったので、新試験では今後もあまり重要視されないと考えられます。
  • 30年度試験では問題4⑤の5肢2択で出題されています。

新試験での過去の出題状況

平成30年度試験

①企業不祥事・自動車・鉄鋼・2016年~2017年(平成28年~29年)
②旅行業者の破綻(旅行業法)・2017年(平成29年)

平成29年度試験

①企業不祥事・自動車・食品廃棄物(公益通報者保護法)
②改正個人情報保護法・2017年(平成29年)5月

平成28年度試験

①不当請求や悪質や新サービスの悪質商法・2015年(平成27年)
②最近の相談傾向(高齢者の被害)

難易度(A易、B普通、C難)目標:8問以上/10問中(★頻出☆重要実務)

問題3① 自動車・鉄鋼メーカーの不祥事 目標:4問以上/5問中

ア・イ・ウ【自動車メーカーの不祥事】エ・オ【鉄鋼メーカーの不祥事】

  • ア 検査・不祥事 BC ※知らないと迷うが、知ってても迷う、でも正解できるはず
  • イ 法律 BC ※語群から予測可能
  • ウ ペナルティ ※BC 素直に選択
  • エ 法律 BC ※語群から予測可能
  • オ ペナルティ BC ※迷う2択

問題3② 旅行業者の破綻(旅行業法) 目標:4問以上/5問中

  • カ 旅行の分類 AB★ ※超基本・超頻出
  • キ 旅行の分類 AB★ ※超基本・超頻出
  • ク 組織 B ※語群がわかれば簡単なA
  • ケ 制度 AB★ ※超基本・超頻出
  • コ 制度 BC ※知っててほしい

勉強方法とポイント

  • 消費者問題のニュース等に関心を寄せておく
  • 法律改正の背景を知っておく(トラブルの増加や新しいトラブル、社会問題によって改正されたり新たに制定される)
  • 最近の消費者問題からピックアップしたものなので、これ単独というよりも、それぞれの分野での問題と同じと考える。相談員試験全体の中でしっかり勉強しておく。
  • 法律改正を押さえておく(勉強部屋でも法律改正としてまとめています)
  • 正直、消費者問題に関心があるはずの受験生なら常識的な問題でもあるので高得点が狙えます。10個の穴埋め問題は大きく分けて5個くくりで2つの分野から出題されます。さらに、語群も①と②で明確に分けられたりするので実質2択になります。
  • 今回の問題2のようにつながっている同じ分野の問題ではないので、1ページの半分の問題量でも、苦にならずに取り組めますし、語群の分類わけも簡単です。そうはいっても、なかなか満点を取るのは難しいかもしれませんが、合格ラインの65%よりも上の10問中7点以上は取りたいところですし、満点近くも狙えます。。
  • 今回の自動車の不祥事は2つの分野で発生しているので混乱しないように(それが語群でも反映されています)

語群の分類

語群を分類すると問題2と違って、きれいに分類されます。通常の穴埋めは、このような形になっており、かつ、空欄に入る分類がほぼ明確で、ゆえに2択や3択になります。したがって、穴埋め問題は知識がなくても推測しやすく、本来的には高得点が狙えるのです。逆に、穴埋め問題で点数を稼げないと合格ラインに届くのは厳しくなります。