14.次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
※ 以下は特定商取引法に関する問題である。

① 個人事業主の理髪店が、訪問販売で多機能電話機を購入した場合は、主に自宅用に使用するために購入したとしても、クーリング・オフは一切できない。

② 訪問販売で購入した化粧品については、申込書面及び契約書面に「化粧品を使用した場合には、クーリング・オフできない」旨が記載されていれば、販売員から使用を勧められて使用したものであっても、クーリング・オフはできない。

③ 電話勧誘販売を行う事業者は、同一の取引に対して、電話勧誘販売と通信販売の両方の規制を受ける場合がある。

④ 事業者が、「至急下記へお電話ください。電話 〇〇〇〇-△△△-×××」とのみ記載した封書を郵送し、消費者に電話をかけさせ、その電話で勧誘して商品を購入させた場合は、電話勧誘販売に当たる。

⑤ 2016(平成28)年に改正された特定商取引法では、電話勧誘販売の方法により、消費者が日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買契約等を締結した場合、契約の解除を行うことができることになった。

⑥ 日本国外の販売業者が日本国内の消費者向けにインターネット通信販売事業を行い、日本国内に在住する消費者が、その販売業者から商品を購入する場合は、特定商取引法の規定は適用されない。

⑦ インターネット通信販売の売買契約の申込みとなる操作を行うための画面に、顧客にとって見やすい箇所に明瞭に判読できるように返品特約の表示がない場合は、当該販売に係る広告に返品特約の記載があったとしても、当該特約は適用されず、商品の引渡しから8日間は契約を解除できる。

⑧ 事業者が消費者の承諾を得ないで電子メール広告をした場合、違反行為として行政処分の対象となるが、刑事罰の対象とはならない。

⑨ 連鎖販売取引の対象となる「物品の販売又は有償の役務提供」は、政令指定により適用除外がある。

⑩ 連鎖販売取引において負担する「特定負担」が契約書面に明記されていなかったとしても、現実に負担した事実があれば、「特定負担」に該当する。

⑪ パソコン教室の受講契約で受講に必要であるとの説明を受けて書籍も併せて購入したが、契約書面には「推奨品」と書いてあるだけであった。このように書いている場合、書籍は特定商取引法上の「関連商品」ではないので、書籍の購入契約についてのクーリング・オフはできない。

⑫ 結婚相手紹介サービスについて、期間を2017(平成29)年5月1日から同年6月30 日までとして契約した場合は、特定継続的役務の規制の対象とはならない。

⑬ 業務提供誘引販売取引の場合は、契約者が事業者から提供又はあっせんされる業務を事業所等によらないで行う個人に限り、法定書面を受け取った日から起算して20 日間はクーリング・オフをすることができる。

⑭ 業務提供誘引販売取引における「業務」は、事業者から、あるいは事業者からのあっせんにより購入した商品又は役務を利用して行う業務でなければならない。

⑮ 骨董品の訪問購入は、古物営業法による規制を受けるため、特定商取引法の適用除外とされている。

⑯ 訪問購入の規制対象は、原則としてすべての物品であるが、政令で適用除外とされている物品には家具が含まれている。

⑰ 契約締結をしない旨の意思表示をした者に対する勧誘の禁止が規定されているのは、訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入のみである。

⑱ 訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入の方法による契約締結の勧誘の際に不実告知がなされた場合には、特定商取引法に基づいて契約を取り消すことができる。

解説・ポイント

  • 相談員にとって一番重要かつメインの法律です。
  • 難易度は、平成28年度試験から下がっています。27年度までは正誤×選択で長文ばかりで問題文を読むだけで心が折れそうになりました。しかし、28年度から単純正誤で短い問題形式です。試験の難易度を上げるとすれば、単純正誤から、正誤×選択の長文問題にすればいいだけです。新試験1回目はそうでしたので、復活の可能性も頭のすみに入れておいてください。
  • 前回は単純正誤が11問と5肢2択が2問の合計13問でしたが、29年度は単純正誤のみで18問に増えています。
  • このように、新試験制度になってからの3回すべてにおいて出題パターンが変わっていますので。30年度試験においても変わる可能性も考慮しておいてください。
  • もしかすると、何問かは5肢2択になるかもという気がします。ただし、その場合は、30年度試験から、2択が2つとも正解して1点ではなく、それぞれ1点づつとなるので、点数は取りやすくなるかもしれません。
  • 29年度試験はみごとに全分野が均等に出題されています。問題文も短いので解き易いですが、それだけに暗記系に近くなったりして悩むところが多く、難しい問題もあります。半分を目指してといいたいところですが、問題数が18問と全体の1割を占めるので、少しでも上積みしたいところですので、6割の11問以上の正解を目指しましょう。暗記系問題でも一般常識で正解できる問題もずいぶんあります。難易度BCとしている問題でも一般常識で考えればAになるような問題もあります。
  • メインの法律なのに、短文では何か拍子抜けで、面白くないという印象です。以前の長文正誤×選択のように、もう少し骨のある問題が多く出てもいいように思います(受験者は違うと思いますが)。

難易度(A易、B普通、C難)目標:10問以上/18問中(★頻出☆重要実務)

  • 問題14① 訪問販売・26条適用除外(契約者) A★
  • 問題14② 訪問販売・26条適用除外(商品) AB ★
  • 問題14③ 電話勧誘販売・定義(通信販売の適用) BC
  • 問題14④ 電話勧誘販売・定義(勧誘行為) A ★
  • 問題14⑤ 電話勧誘販売・過料販売(29年改正) AB
  • 問題14⑥ 通信販売・適用対象 BC
  • 問題14⑦ 通信販売・返品特約 C ☆
  • 問題14⑧ 通信販売・電子メール広告 C
  • 問題14⑨ 連鎖販売取引・定義(政令指定) BC
  • 問題14⑩ 連鎖販売取引・定義(特定負担) BC
  • 問題14⑪ 特定継続的役務提供・パソコン教室(関連商品) BC
  • 問題14⑫ 特定継続的役務提供・結婚相手紹介サービス(契約期間) AB
  • 問題14⑬ 業務提供誘引販売取引・クーリングオフ BC
  • 問題14⑭ 業務提供誘引販売取引・定義(業務) BC
  • 問題14⑮ 訪問購入・定義(適用除外) AB
  • 問題14⑯ 訪問購入・定義(適用除外) B ★
  • 問題14⑰ 再勧誘の禁止 BC
  • 問題14⑱ 不実告知による取り消し BC

(参考)平成28年度試験 問題16 難易度(A易、B普通、C難)目標:7問以上/11問中

  • 問題16① 訪問販売・書面不備によるクーリングオフ AB
  • 問題16② 訪問販売・店舗外勧誘 AB
  • 問題16③ 訪問販売・消費分のクーリングオフ BC
  • 問題16④ 訪問販売・路上勧誘・飲食店 B
  • 問題16⑤ 訪問販売・路上勧誘・エステ BC
  • 問題16⑥ 連鎖販売・加入者の中途解約 C
  • 問題16⑦ 特定継続的役務・店舗契約 B
  • 問題16⑧ 特定継続的役務・学習塾の教材 C
  • 問題16⑨ 業務提供誘引販売・通信講座 BC
  • 問題16⑩ 訪問購入・不招請勧誘 AB
  • 問題16⑪ 投資用マンションのクーリングオフ BC