9.次の文章のうち、下線部がすべて正しい場合は○を、下線部のうち誤っている箇所がある場合は、誤っている箇所(1ヵ所)の記号を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
※誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。
① 製造物責任法における「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。例えば、医薬品医療機器等法の適用を受ける医薬品は、㋐製造物に該当する。建物に設置された窓ガラスは、㋑引き渡される時点で動産であることから、製造物に該当する。食品衛生法の適用を受ける加工食品は、㋒製造物に該当しない。
② 製造物責任法は、製品の欠陥により被害が発生した場合の製造業者等の損害賠償責任を定めることにより㋐被害者の保護を図ること等を目的とする。製造物責任法における「欠陥」とは、㋑製造物が通常有すべき安全性を欠くことをいう。欠陥の判断においては、㋒当該製造物の特性や通常予見される使用形態等の諸事情を考慮する。
③ 製造物に製造物責任法上の欠陥が認められる場合において、製造業者等は、㋐当該製造物を引き渡した時点における科学又は技術に関する知見によっては当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったことを証明したとき、製造物責任を負わない。かかる抗弁を㋑「開発危険の抗弁」といい、この抗弁は、㋒製造業者等が持っている科学知識又は技術知識の水準を判断基準とする。
④ 一般消費者の生活の用に供される製品のうち、損害賠償制度のあるマークが付されているものがある。玩具を対象とする㋐SF マーク、住宅部品を対象とする㋑BL マーク、消費生活用製品を対象とする㋒SG マークなどがある。
⑤ 消費生活用製品安全法は、「消費生活用製品」による一般消費者の生命又は身体に対する危害の防止を図るため、㋐「特定製品」の製造及び販売を規制するとともに、「特定保守製品」の適切な保守を推進し、併せて㋑「製品事故」に関する情報の収集及び提供等の措置を講じ、もって㋒一般消費者の利益を保護することを目的としている。
⑥ 消費生活用製品安全法における「消費生活用製品」とは、㋐主として一般消費者の生活の用に供される製品(消費生活用製品安全法別表に掲げるものを除く)である。製品の仕様や販路等から判断して、一般消費者が家庭でも使用できるような製品を製造事業者が業務用として製造している場合、当該製品は㋑「消費生活用製品」に該当しない。
⑦ 消費生活用製品安全法上の「特定製品」は、㋐PSC マークの表示が付されているものでなければ販売することはできない。「特定製品」のうち、その製造又は輸入の事業を行う者のうちに、一般消費者の生命又は身体に対する危害の発生を防止するため必要な品質の確保が十分でない者がいると認められる製品は、㋑「特別特定製品」として政令で定められている。例えば、㋒乳幼児用ベッド、ライター等がある。
⑧ 消費生活用製品安全法上の「消費生活用製品」の㋐製造、輸入又は小売販売の事業を行う者は、その製造等に係る「消費生活用製品」について「重大製品事故」が生じたことを知ったときは、㋑内閣総理大臣に報告しなければならない。また、報告義務者は、「重大製品事故」に限らず、その製造、輸入又は小売販売に係る「消費生活用製品」について生じた製品事故に関する情報を収集し、当該情報を一般消費者に対し適切に提供するよう㋒努めなければならない。
⑨ 国土交通大臣は、同一の型式の一定の範囲の自動車について、道路運送車両法の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがあり、その原因が設計にあると認めるときは、自動車製作者等に対し、㋐リコールを勧告することができ、㋑自動車製作者等がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。そして、公表の後において、なお、正当な理由がなくリコールの措置をとらない場合、㋒自動車製作者等に対し、リコールを命じることができる。
⑩ ガス事業法に定める「ガス用品」は、国の基準に適合した旨の㋐PSTG マークを付さなければ販売することができない。「ガス用品」のうち、構造、使用条件、使用状況等からみて特に災害の発生のおそれが多いと認められるため、第三者機関の検査が義務づけられているものを㋑「特定ガス用品」という。
⑪ 消費生活用製品安全法に基づく長期使用製品安全点検制度の対象製品は9品目で、㋐石油給湯機、エアコン、浴室用電気乾燥機が含まれている。対象品目の製造事業者・輸入事業者は「特定製造事業者等」として、㋑製品への表示義務等を負う。対象9品目の所有者(消費者、家屋賃貸人等)は、「特定製造事業者等」に対して、㋒所有者情報を提供(登録・変更)するものとされている。
解説
- 出題パターンとしては28年度試験と同様11問になっています(なぜか中途半端な11問)。
- 内訳も同じパターンで、製造物責任法と消費生活用製品安全法を中心に自動車のリコール制度やその他製品安全の関連問題が出題されています。
- 問題数が旧試験より減っているので、あまり複雑な問題は出ておらず、定義等の頻出問題を少しひねった形で出題されています。
難易度(A易、B普通、C難)目標:8問以上/11問中(★頻出☆重要実務)
分野別にまとめていますので順番が多少前後しています。
製造物責任法(PL法)
- 問題9① 製造物責任法(定義・製造物)AB★
- 問題9② 製造物責任法(目的、定義・欠陥)AB★
- 問題9③ 製造物責任法(開発詭弁の抗弁)AB★
消費生活用製品安全法
- 問題9⑤ 消費生活用製品安全法(定義・目的)B
- 問題9⑥ 消費生活用製品安全法(定義・消費生活用製品)AB
- 問題9⑦ 消費生活用製品安全法(定義・特定製品)B
- 問題9⑧ 消費生活用製品安全法(重大製品事故)AB
- 問題9⑪ 消費生活用製品安全法(長期使用製品安全点検制度)BC
その他
- 問題9④ 安全マーク B
- 問題9⑨ 自動車のリコール制度 B
- 問題9⑩ ガス事業品 BC
ポイント
- 各法律の制度の概要
- 定義
- マークなどの関連する事項
- 過去問をやればほぼほぼ同じ論点で出題されています。