1. 次の各文章が、正しければ○、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。

① 消費者基本法は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定めている。

② 消費者基本法によると、事業者は、その供給する商品及び役務について、消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するため必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理する責務を有するとされているが、国又は地方公共団体が実施する消費者政策に協力する責務までは有していない。

③ 政府は、消費者政策の計画的な推進を図るため、消費者庁だけでなく、関係各府省庁等の施策を含めて、消費者基本計画を定めなくてはならない。また、その検証・評価・監視に当たり消費者委員会の意見を聴かなければならない。

④ 消費者庁は、さまざまな法律を所管しているが、その中には、「製造物責任法」、「個人情報保護法」、「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」(消費者裁判手続特例法)がある。

解説

問題1① 消費者基本法(第1条 目的)

① 消費者基本法は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定めている。

条文そのままです。消費者施策の基本的な原則ですので、相談員として必ず知っておく必要があります。
3つの文言のうち2つは最重要です。ということで、①は正解です。

  • 消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差
    ポイント①ここが消費者センターの存在理由であり、消費者を守る多くの法律がある理由です。ちなみに、事業者間の取引は、たとえ知識量の違いがあったとしても対等な立場ですので民法で対応するしかありません。実は事業者も悪質事業者からの被害を受けているのですが、消費者のように救済制度がないので、泣きを見ている事業者も多いです。
    ポイント②面接試験でもよく問われるフレーズです。なぜ、消費者センターは消費者からの相談を受けているのか、消費者の見方をするのか?また、論文試験でも良く使うフレーズです。
  • 消費者の権利の尊重及びその自立の支援
    消費者保護基本法では消費者は保護すべき立場だったのが、権利を尊重するかわりに自立しなさいよ、という大きな方針転換をしました。穴埋めでも必須ですね。

消費者基本法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S43/S43HO078.html

(目的)
第一条  この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、国、地方公共団体及び事業者の責務等を明らかにするとともに、その施策の基本となる事項を定めることにより、消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策の推進を図り、もつて国民の消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。

問題1② 消費者基本法(第5条 事業者の責務等)

② 消費者基本法によると、事業者は、その供給する商品及び役務について、消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するため必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理する責務を有するとされているが、国又は地方公共団体が実施する消費者政策に協力する責務までは有していない。

ラッキー問題です。国語力で十分正解できます。相談員試験には、このような簡単な問題も出ますので取りこぼさないようにしてください。

「~だが、~までは有していない」という全否定形式は不正解フレーズです。
今回は内容を読んでも、事業者は国に協力しなければならないというのは当然ですよね。
したがって、②は不正解です。

ちなみに、「義務」と「努力義務」を問題ににしていることがあります。ちょっと悩んでしまうので要注意です。第5条第2項は「義務」ではなく「努力義務」になります。努力に義務がついてますが、努力することを義務付けるということですので必ずやりなさいというわけではありません。

例えば、消費生活センターの設置は、都道府県が「義務」なのに対して、市町村は「努力義務」となっています。

消費者基本法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S43/S43HO078.html

(事業者の責務等)
第五条  事業者は、第二条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にかんがみ、その供給する商品及び役務について、次に掲げる責務を有する。
一  消費者の安全及び消費者との取引における公正を確保すること。
二  消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること。
三  消費者との取引に際して、消費者の知識、経験及び財産の状況等に配慮すること。
四  消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理すること。
五  国又は地方公共団体が実施する消費者政策に協力すること
2  事業者は、その供給する商品及び役務に関し環境の保全に配慮するとともに、当該商品及び役務について品質等を向上させ、その事業活動に関し自らが遵守すべき基準を作成すること等により消費者の信頼を確保するよう努めなければならない

問題1③ 消費者基本計画

③ 政府は、消費者政策の計画的な推進を図るため、消費者庁だけでなく、関係各府省庁等の施策を含めて、消費者基本計画を定めなくてはならない。また、その検証・評価・監視に当たり消費者委員会の意見を聴かなければならない。

単純に正解だとしても問題はないですが、消費者基本計画は頻出問題ですので、少し細かいところをチェックしておきたいと思います。

この問題でチェックすべきところは2箇所になります。

  • 「消費者庁だけでなく、関係各府省庁等の施策を含めて」の含めるのかどうか?
    ⇒消費者庁が中心ではありますが、国の政策なので、他の省庁も当然含まれることになりますが、消費者基本法にはそこまで言及されていません。
    ⇒消費者基本計画の最後の方のページ(下記参照)に、『消費者基本法に基づき、毎年度、消費者庁が関係府省庁等の協力を得て、本計画に基づく施策の実施状況について報告を取りまとめ、政府として国会に提出する。』と明記されています。
  • 「検証・評価・監視に当たり消費者委員会の意見を」聴かなければならないのか?
    ⇒これは法律の条文に書いているとおり義務ですね。

したがって、③は正解です。

政府の消費者政策会議が消費者基本計画を策定します。消費者庁が中心になりますが、消費者問題は消費者庁だけではなく、他の省庁も関係します。その計画案や評価は消費者庁の意見を聞きます。消費者政策会議は消費者庁ではなく政府の会議ですので、会議メンバーは会長が内閣総理大臣で、委員も関係大臣という顔ぶれです。

消費者基本法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S43/S43HO078.html

(消費者基本計画)
第九条  政府は、消費者政策の計画的な推進を図るため、消費者政策の推進に関する基本的な計画(以下「消費者基本計画」という。)を定めなければならない。
2  消費者基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  長期的に講ずべき消費者政策の大綱
二  前号に掲げるもののほか、消費者政策の計画的な推進を図るために必要な事項
3  内閣総理大臣は、消費者基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。
4  内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、消費者基本計画を公表しなければならない。
5  前二項の規定は、消費者基本計画の変更について準用する。

(消費者政策会議)
第二十七条  内閣府に、消費者政策会議(以下「会議」という。)を置く。
2  会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一  消費者基本計画の案を作成すること。
二  前号に掲げるもののほか、消費者政策の推進に関する基本的事項の企画に関して審議するとともに、消費者政策の実施を推進し、並びにその実施の状況を検証し、評価し、及び監視すること。
3  会議は、次に掲げる場合には、消費者委員会の意見を聴かなければならない
一  消費者基本計画の案を作成しようとするとき。
二  前項第二号の検証、評価及び監視について、それらの結果の取りまとめを行おうとするとき

第二十八条  会議は、会長及び委員をもつて組織する。
2  会長は、内閣総理大臣をもつて充てる。
3  委員は、次に掲げる者をもつて充てる。
一  内閣府設置法 (平成十一年法律第八十九号)第十一条の二 の規定により置かれた特命担当大臣
二  内閣官房長官、関係行政機関の長及び内閣府設置法第九条第一項 に規定する特命担当大臣(前号の特命担当大臣を除く。)のうちから、内閣総理大臣が指定する者
4  会議に、幹事を置く。
5  幹事は、関係行政機関の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。
6  幹事は、会議の所掌事務について、会長及び委員を助ける。
7  前各項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

消費者基本計画 平成27年3月24日 閣議決定

消費者庁HP

消費者庁ホーム > 政策 > 政策一覧(消費者庁のしごと) > 消費者政策 > 消費者基本計画等
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/basic_plan/

35-36ページです。1回だけでも読んでおいてくださいね。
第5章 計画の効果的な実施

1 工程表の作成
本計画を着実に推進するため、本計画に基づいて関係府省庁等が講ずべき具体的施策について、本計画の対象期間中の取組予定を示した工程表を、消費者委員会の意見を聴取した上で、消費者政策会議において策定する。
工程表では、各府省庁等の間で連携が必要な施策についてのそれらの関係を明確にするとともに、効果把握のための指標として、本計画に示したKPIを可能な限り施策ごとに更に具体化するものとする。
各府省庁等は、工程表に示された施策を着実かつ積極的に進めるものとする。

2 計画の検証・評価・監視
本計画を実効性のあるものとするためには、本計画に基づく施策の実施状況については、十分な検証・評価・監視を行うことが重要である。
そのため、消費者基本法に基づき、毎年度、消費者庁が関係府省庁等の協力を得て、本計画に基づく施策の実施状況について報告を取りまとめ、政府として国会に提出する。
消費者委員会は、消費者行政全般に対する監視機能を最大限に発揮しつつ、本計画に基づく施策の実施状況について、随時確認し、KPIも含めて検証・評価・監視を行う。
消費者政策会議は、施策の実施状況の検証・評価・監視を行い、消費者委員会の意見を聴取した上で、1年に1回は工程表を改定し、必要な施策の追加・拡充や整理、実施状況に応じた施策の実施時期の見直し(前倒しを含む。)等を行う。
さらに、施策の実施状況の検証・評価・監視において、消費者を取り巻く環境や課題、取り組むべき施策の内容等に大きな変化があると考えられる場合には、消費者委員会の意見を聴取した上で、必要に応じて本計画の改定を行う。
なお、施策の実施状況の検証・評価・監視を行うに際しては、消費者団体、事業者団体、地方公共団体等へのアンケートやヒアリング、意見交換会等により意見を聴取するほか、消費者等からの意見募集を行い、消費者等の意見の的確な反映を図る

※KPI・・・定量的に評価するための指標

問題1④ 消費者庁の所管法律

④ 消費者庁は、さまざまな法律を所管しているが、その中には、「製造物責任法」、「個人情報保護法」、「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」(消費者裁判手続特例法)がある。

頻出問題であり、結構難しいと思います。例年、3つの法律に下線が引かれて、正誤で×選択問題になるのですが、2つは明らかに簡単であり、残りの1つが悩ましい問題が多いです。今回は新しい法律である「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」(消費者裁判手続特例法)がそれに該当するのではと考えるのは自然です。じゃあ所管は消費者庁なの?聞かれると、ちょっと悩むかもしれませんが法律名や法律の内容を想像すれば答えが想像で、消費者庁が所管だから、問題④はすべて正解だと考えます。

しかし、今回は別の落とし穴があったのです。

それは「個人情報保護法」です。実は、個人情報保護法の改正で平成28年1月1日から、所管が消費者庁から個人情報保護委員会に移ったのです。新しい法律に目が移って、知ってても見落としてしまうのです。私も見落としてしまいました。したがって、④は不正解です。なお、重要ポイントは、同じような問題を出題してくるので、ここで覚えておいてください。

所管する法律一覧

消費者庁設置当初の考え方としては
所管の対象= 消費者利益の擁護及び増進に関わる主要な法律(消費者に身近な法律)を所管
となっています。
http://www.consumer.go.jp/seisaku/kaigi/higaikaihuku/file7/shiryou1-7.pdf(4ページ)

消費者庁HP
ホーム > 組織・制度について > 所管の法令等 > 法律一覧
http://www.caa.go.jp/soshiki/legal/index1.html

法律一覧

  1. 物価統制令(昭和21年勅令第118号)
  2. 食品衛生法(昭和22年法律第233号)
  3. 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和25年法律第175号)
  4. 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)
  5. 旅行業法(昭和27年法律第239号)
  6. 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和29年法律第195号)
  7. 割賦販売法(昭和36年法律第159号)
  8. 家庭用品品質表示法(昭和37年法律第104号)
  9. 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)
  10. 消費者基本法(昭和43年法律第78号)
  11. 生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律(昭和48年法律第48号)
  12. 消費生活用製品安全法(昭和48年法律第31号)
  13. 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(昭和48年法律第112号)
  14. 国民生活安定緊急措置法(昭和48年法律第121号)
  15. 特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)
  16. 無限連鎖講の防止に関する法律(昭和53年法律第101号)
  17. 貸金業法(昭和58年法律第32号)
  18. 特定商品等の預託等取引契約に関する法律(昭和61年法律第62号)
  19. 製造物責任法(平成6年法律第85号)
  20. 住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)
  21. 消費者契約法(平成12年法律第61号)
  22. 金融商品の販売等に関する法律(平成12年法律第101号)
  23. 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律(平成13年法律第95号)
  24. 健康増進法(平成14年法律第103号)
  25. 独立行政法人国民生活センター法(平成14年法律第123号)
  26. 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)
  27. 食品安全基本法(平成15年法律第48号)
  28. 公益通報者保護法(平成16年法律第122号)
  29. 消費者安全法(平成21年法律第50号)
  30. 米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(平成21年法律第26号)
  31. 消費者教育の推進に関する法律(平成24年法律第61号)
  32. 消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法(平成25年法律第41号)
  33. 食品表示法(平成25年法律第70号)
  34. 消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(平成25年法律第96号)
  35. 消費者庁及び消費者委員会設置法(平成21年法律第48号)

個人情報保護委員会HP

個人情報保護委員会 > 個人情報保護法について > 個人情報保護法とは
http://www.ppc.go.jp/personal/general/

改正に伴い、平成28年1月1日より、個人情報保護法の所管が、消費者庁から個人情報保護委員会に移りました。また、改正個人情報保護法の全面施行時には、現在、各主務大臣が保有している個人情報保護法に関する勧告・命令等の権限が個人情報保護委員会に一元化されます。

なお、このページは個人情報保護法の問題でも出題される条文やポイントが抜き出されていますので、必ず勉強しておいてください(上記の権限の後半部分も)。

個人情報保護法とは

「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」といいます。)は、情報化の急速な進展により、個人の権利利益の侵害の危険性が高まったこと、国際的な法制定の動向等を受けて、平成15年5月に公布され、平成17年4月に全面施行されました。

その後、情報通信技術の発展や事業活動のグローバル化等の急速な環境変化により、個人情報保護法が制定された当初は想定されなかったようなパーソナルデータの利活用が可能となったことを踏まえ、「定義の明確化」「個人情報の適正な活用・流通の確保」「グローバル化への対応」等を目的として、平成27年9月に改正個人情報保護法が公布されました(全面施行は公布から2年以内)(※1・※2)。

(※1)改正に伴い、平成28年1月1日より、個人情報保護法の所管が、消費者庁から個人情報保護委員会に移りました。また、改正個人情報保護法の全面施行時には、現在、各主務大臣が保有している個人情報保護法に関する勧告・命令等の権限が個人情報保護委員会に一元化されます。

(※2)個人情報保護法の成立及び改正の主な経緯については、こちらをご参照ください。 (PDF:102KB)

(改正内容の概要・新旧対照表等については、こちらをご参照ください。)

個人情報保護法の主な内容

※個人情報保護法の全文をご覧になりたい方は、こちらをご参照ください。

目的(法1条)

個人情報保護法は、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利利益を保護することを目的としています。

個人情報・個人データ・保有個人データ(法2条1・4・5項)
「個人情報」とは、「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」をいいます。

また、個人情報をデータベース化した場合、そのデータベースを構成する個人情報を、特に「個人データ」といい、そのうち、事業者が開示等の権限を有し6か月以上にわたって保有する個人情報を、特に「保有個人データ」といいます。

個人情報取扱事業者(法2条3項)

「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等(紙媒体、電子媒体を問わず、特定の個人情報を検索できるように体系的に構成したもの)を事業活動に利用している者のことをいい、個人情報保護法に定める各種義務が課されています。

(※)改正前の個人情報保護法では、事業活動に利用している個人情報が5,000人分以下の事業者は、個人情報取扱事業者に該当せず、義務の対象から除外されています。しかし、インターネットの急速な普及等により、取り扱う個人情報に係る個人の数が少なくても個人の権利利益を侵害するリスクが高まっていることから、改正後は、5,000人分以下の個人情報を取り扱う事業者についても個人情報保護法の義務の対象となるため、注意が必要です。

利用目的の特定(法15条)・目的外利用の禁止(法16条)

個人情報を取り扱うに当たっては、利用目的をできるだけ特定しなければなりません。また、原則として、あらかじめ本人の同意を得ずに、その利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことは禁止されています。

適正な取得(法17条)・取得時の利用目的の通知等(法18条)

偽りその他不正な手段によって個人情報を取得することは禁止されています。また、個人情報の取得に当たっては、取得前にあらかじめ利用目的を公表し、又は取得後に速やかに本人に利用目的を通知又は公表しなければなりません。

安全管理措置(法20条)・従業者や委託先の監督(法21・22条)

個人データの漏えいや滅失を防ぐため、必要かつ適切な保護措置を講じなければなりません。また安全にデータを管理するため、従業者や委託先に対し必要かつ適切な監督を行わなければなりません。

第三者提供の制限(法23条)

原則として、あらかじめ本人の同意を得ずに本人以外の者に個人データを提供することは禁止されています。ただし、委託、事業承継及び共同利用に該当する場合は、第三者提供に該当しないこととされています。

開示、訂正、利用停止等の求め(法25~30条)

本人からの求めに応じて、保有個人データを開示し、内容に誤りのあるときは訂正等を行い、法律上の義務に違反する取扱い(目的外利用(法16条)、不適正な取得(法17条)、本人同意のない第三者提供(法23条1項))については利用停止等を行わなければなりません。

(参考)個人情報保護に関する法律・ガイドラインの体系イメージ (PDF:50KB)

ちなみに、「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」(消費者裁判手続特例法)平成28年10月1日施行ですので、29年度試験には出題される可能性が非常に高いと思います。

【解答】
①○、②×、③○、④×