2次試験(面接試験)の内容

試験内容は旧試験と基本的には同じですが、面接時間が20分から15分に短縮されており、受験者によっては聞かれない項目もあったりします。受験生の経歴や受け答えの内容によって、変わってくると思われます。

2次試験(面接試験)の目的

面接試験は落とすための試験というよりも、通すための試験だと思います。
不合格の場合は、よっぽど適性がなかったのか、当日全く固まってしまったのか、というところでしょう。

相談員の仕事は対人関係の仕事です。
普通の資格試験ではなく、消費生活センターの相談員としてつとまるかどうかを見られています。

知識については1次試験で確認していますので、基本的にはこれ以上のことを要求されることはないと思います。
事例についても、すらすらと回答できることを期待されているのではありませんし、ほとんどができないと思います。
ただし、メインの法律の基本的なところは押さえておいた方がいいです。わからにと話は前に進みにくくなります。しかし、答えることができなくても気にすることはありません。

一番重要なことは、コミュニケーションを円滑にすることができるかどうか、広い視野で物事を考えることができるかということだと思います。

したがって、よっぽどのことがない限り、常識的であれば、落ちることはないと思います。ただし、他人の意見を受け入れないという姿勢はダメです。おそらく、そのような誰が見ても適正がなさそうな人はダメなんでしょう。

現場では「相談者の気持ちを受け止める」ことが大切ですので、他人の意見もまず素直に受け入れるという柔軟な姿勢がポイントとなります。自分の意見と合わなかったら後からじっくり考えて整理すればいいのです。即答で拒否する姿勢はダメです。

応対の姿勢としてはこのあたりを注意しておくといいでしょう。

精神をしっかり保ってください。28年度試験は私も受験しましたが面接後に号泣している受験生に遭遇しました。話をしたら落ち着きましたけどね。

基本的に4つの内容(面接時間は15分)

※受験要項等では公開されていません(勉強部屋調査)
※最近4番目を単独項目として追加しました

  1. 志望動機や心構え
  2. 事例問題(メイン)
  3. 最近の消費者問題・気になる消費者問題
  4. 【重要】消費生活センターの役割

1.志望動機や心構え

  • 基本的に願書に書かれた職業などを見て、話が始まります。
  • 過去の受験者の面接体験報告が参考になります。
  • あらかじめ準備しておきましょう
  • 特に消費者対応関連の仕事をしている場合は詳しく聞かれることがあり、返答によっては突っ込まれることもあります。また、企業の消費者対応と消費生活センターの相談対応とは相反するところもあるので、印象が悪くならないように上手に受け答えをしましょう。
  • 企業勤めの場合は「消費生活アドバイザー」もあるので、なぜ「消費生活専門相談員」なのか?という質問の回答も準備(企業側の視点だけでなく、消費者センターの視点についても勉強したかったので、など)
  • 合格したら、消費生活センターの相談員として活動しますか?の質問に、就職したい人はその旨を、企業人の場合は就職しないので突っ込みに対応できるように。
  • ここで時間をかける場合もあったり、あっさり終わったり、ほとんど聞かれなかったりします(事例の時間を少なくするために時間稼ぎができることも)

※旧試験と同じです

2.事例問題(メイン)

  • 事前にメモ用紙を渡され、自由にメモをしてもよいという方法になっていますが、渡されない場合もあるようなので試験会場により異なっています(メモは後で回収、採点には影響なし)
  • 面接官が相談者だとして助言する形式になっています(面接官によって異なる可能性があります)※従来どおり
  • 28年度からの新試験では、結構細かい内容やツッコミがあり、今までよりも少し難しいように感じます。
  • 現職と何が違うのかというと、実際の相談現場で対応していることが、そのまま聞かれるので、現職は普段の業務プロセスを答えるだけでいいのです(したがって、2次試験を受ける必要はないので免除になります。ただし、職場に内緒で受けている現職は面接がありますが問題なく対応できます)。
  • しかし、一般の受験生は相談現場を知らないので、うまく答えることができないのは当然です。

3.最近の消費者問題・気になる消費者問題

  • 新試験になってから聞かれることは少なくなったようです。
    →ここで時間短縮にしているものと思います(ただし、管理人も含め聞かれた受験者もあるので、残り時間の関係だと思います)
  • 受験生から提示する場合もありますし、面接官から提示されることもあります。
過去の面接体験報告(会員限定)に、詳しい事例の報告がありますので確認してください。特に28年度試験については必ず確認しておいてください。

4.【重要】消費生活センターの役割

  • 前々から1~3の質問とは別に聞かれることのあった一般論的な質問です。
  • 個別の回答例や考え方については別途記事にしています。消費生活センターや相談員の存在・役割・位置づけの根幹にかかわることですので、必ず答えることができるようにしてください。
  • 相談現場で抱える問題を突いている質問であり、重要な基本的な考えですので、押さえておくべき事項として、4番目に単独時効として追加しました。
  • あなたならどうしますか(別途解説を参照してください)
    ①「業者から何の権限で相談員がでしゃばるのかと言われたら」
    ②「行政が消費者の味方ばかりして公平を欠くと言われたら」
    ③「相談員はどんな資格を持っているのかと言われたら」
    ④「相談者から相談員に対して不満や叱責を受けたら」

2次試験の面接日時

1次試験の合格通知に2次試験の日時が書かれています。居住地を考慮して時間帯を決めているとのことですが、通知が来るまでわかりません。特に2日間にわたって2次試験が開催される場合は、どちらになるのかが通知がくるまでわかりませんので、日程を空けておくようにしてください。

1次試験の合格通知書に記載されている2次試験の注意事項(28年度試験の管理人の通知書から転記)

  • 指定された時間の15分前に試験会場に集合し、受付後、所定の場所で待機してください。指定時間に遅れますと、原則として試験を受けることはできませんのでご注意ください。また、試験会場及び指定日時の変更はできません。
  • 試験会場の地図を同封いたしましたので、交通機関や所要時間等を事前にご確認ください。
  • 試験の所要時間は15分程度を予定しておりますが、進行状況により時間が変動する可能性があります。
  • 第2次試験の結果につきましては、12月下旬に通知する予定です。

 

  • 2次試験免除の現職組がどれぐらいいるかわからないので、2次試験の規模(部屋の数)も不明です。
  • 私の場合は、大きい待機部屋が1つと、小さめの面接室が2部屋用意されていました。
    22年度受験時には広すぎる部屋の真ん中にテーブル等が設置されていて異様な雰囲気がしました。
  • 待機部屋の空気はなんともいえません。
  • 平成22年の受験時は待機部屋はなくて、廊下のソファに座ってました。また、所要時間は20分程度と書かれていました。

受験要項の試験内容抜粋(新試験制度の28年度試験と同じ)

試験内容

29年度試験の要項から(28年度も同じ)

5.試験科目・出題範囲、出題形式
(1)試験科目・ 出題範囲
① 商品等及び役務の特性 、使用等の形態そ他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
② 消費者行政に関する法令に関する科目
③ 消費生活相談の実務に関する科目
④ 消費生活一般に関する科目
⑤ 消費者のための経済知識に関する科目
※第1次試験問題における出題の根拠となる法令等は、当該年度の該年度の該年度の5月1日時点で施行されているものです。ただし、既に公布され、施行を控えた法律の内容ついて、その概要に関して問う題が出されることありえます。
(2) 出題形式
第2次試験
面接試験(上記5.(1)の試験 科目・出題範囲から出題します。消費生活相談を行う上での知識ほか、コミュニケーションスキルやヒアリング力などの技術を総合的に評価します

(参考)旧試験 27年度試験の要項から

Ⅳ.試験の出題範囲及び出題形式
1. 出題範囲
(1)消費者問題に係わる一般常識
(2)消費者行政に係わる知識
(3)消費生活に係わる経済知識
(4)消費者問題に係わる基礎的な法律知識
(5)消費生活上の商品・サービスに係わる知識
(6)消費生活相談に関連する基礎的知識
※第1次試験問題における出題の根拠となる法令等は、当該年度の4月1日現在施行されているものです。
(2)第2次試験
面接試験(出題範囲についての学識及び消費生活専門相談員として業務を遂行するための適性の有無を判定

旧試験と新試験での違い

出題範囲の知識は共通として、「相談員としての適正の有無」から「コミュニケーションスキルやヒアリング力などの技術を総合的に評価」に変わりました。

新試験制度をめぐっては、知識だけでなく、技術力が必要であるということが強調されていましたので、この技術力についてシビアに評価されるのではないか、もしかするとふるいにかけるのではないかと予想されましたが、実際は、これまでと同様の面接内容であり、特別に何かが増えたということはありません。単に表現を変えただけと思われます。

【参考】登録試験機関の消費生活相談員資格試験の試験業務に関するガイドライン[PDF:208KB]

http://www.caa.go.jp/region/pdf/guideline3.pdf

2.消費生活相談員の職務と求められる知識及び技術
イ.消費生活相談を行うために必要な技術
・消費生活相談の実務に関する技術(ヒアリング力、コミュニケーションスキル、交渉力)
・文章作成力
・関係部局等に対する問題提起をする能力
・法令を事案解決のために活用する能力

4.試験の実施
(4)試験の評価・採点方法、合否判定
ア.評価・採点方法
試験の評価・採点方法については、出題形式を踏まえて、可能な限り客観的な評価を行うこととする。また、採点については、登録試験機関が決定した手順に従って行うこととする。なお、法第10 条の3第3項第3号の「消費生活相談の実務に関する科目」については、消費生活相談員には消費生活相談を行う上で知識はもとより、コミュニケーションスキル、ヒアリング力、交渉力、法令の活用力、文章作成力などの実践的な技術も求められることを踏まえ、出題形式と評価基準を決定し、消費生活相談員に求められる技術を総合的に判定することとする。
論文や面接試験を実施する場合は、評価に主観が入ることから、評価項目や評価項目ごとの評価基準を具体的に定めることとする。なお、論文や面接試験を実施する場合は、適切な採点者・面接評価者を養成し、確保すること
とする。
イ.合格水準
消費生活相談員の消費生活相談業務は、法に規定されている業務を始め、消費者による主体的な問題解決の促進・支援や他の専門家等への橋渡しなども行うことになる。そのような業務を行う上で、消費生活相談員に求められる基礎的な知識及び技術となるのは、相談を受け付けてから当該相談に関わる必要な情報を相談者に提供し、又は苦情に関する処理のあっせんを行うまでの一連の行為ということができ、登録試験機関は、当該行為を実行する知識及び技術を有するかどうかを判定するための合格水準を設定することとする。

出題範囲に関する例示
3.消費生活相談の実務に関する科目
消費生活相談員には消費生活相談を行う上で知識はもとより、コミュニケーションスキル、ヒアリング力、交渉力、法律の活用力、文章作成力などの実践的な技術も求められることを踏まえ、出題する。

合格基準(旧試験では受験要項に明記なし)

≪第 2次試験≫
2人の面接委員(判定者)の評価(ABCの3段階)が、共にC以外の者を合格とする。

これまでも面接官は2人だったので同じ評価方法だったと推測されます。ともに「C」ですので、よほどのことがない限り大丈夫ですね。

ちなみに、1人は弁護士等の法律の専門家でもう1人は国民生活センター関係者等の現場を知っている人のパターンが多いような感じです。

旧試験での採点ポイント(検討会提出資料より)

新試験でも考え方は同じだと思います

面接試験での判断事項(採点のポイント)
①事業者と消費者の格差を踏まえた消費者目線をもち、公正な判断をする行政の相談員としての役割を理解しているかどうか
②法や制度のすき間で起こる消費者被害に対して、積極的に取り組む情熱・使命感があるか
③相談者から話を聞き取る姿勢があるか
④相手の話をよく理解し、問題点を整理し、足りない点を聞き出すための知識や姿勢があるか(聞き取り能力・問題把握力・論点整理力)
⑤自分の考えをわかりやすく相手に伝えることができるか、説得力をもって説明できる能力があるか( コミュニケーション力・交渉力)

合格者数・合格率

旧試験では非公表でした(1割ぐらいの不合格者が出るという情報もありましたが、そんなことはないと思います。なお、25年度試験の会員で面接試験不合格の報告が1名ありました。本人のコメントあり。)

2次試験は落とすための試験ではないので、普通に対応すれば問題なく合格します(ただし圧迫試験と感じる受験生が多いので対策はしておくこと)。

なお、新試験で2次試験の合格者数が公表されたので、それが裏付けられました。

2次試験受験者233人中、合格者231人(合格率99.1%) ※不合格者は2人ということです

平成28年度 消費生活相談員資格試験(消費生活専門相談員資格認定試験)
第2次試験の結果及び最終結果について

第2次試験の結果

第2次試験の実受験者数 233 名
第2次試験の合格者数(合格率※1) 231 名(99.1%)
※1 第2次試験の実受験者数に対する第2次試験の合格者数の割合

2次試験対策として何をすべきか

  • 多くの一般受験生では、きちんと答えることが出ませんので、会話のキャッチボールができるように、精神面を準備しておく。ツッコミが厳しいので、圧迫面接と感じる受験生が多くいます。
  • 答えることができない部分は面接官がフォローしてくれます。素直に従いましょう。また、反論もだめです。
  • みなさん、呆然とした表情で部屋から出てきます。中には、泣いている受験生もいます。脅すわけではないですが、それほど精神的に追い詰められます。でも、みなさん合格しています。
  • メインは事例です。受験生によって事例が異なります。特商法から、割販法、製品事故まで広い範囲に及びますので、基本事項を復習しておくことが必要です。
  • 勉強部屋会員は過去の事例が面接体験報告にあります。どのように質問され、精神的にあせるのかがよくわかると思いますので、参考にしてください。
  • 事例については、「くらしの豆知識」や「WEB版国民生活」や「各消費生活センターのHP」等を参考にしてください。
  • 典型的な基本事例はポイントを解説しています。

2次試験対策限定会員の受付

  • 勉強部屋を知らなかった受験生が、1次試験終了後に入会するパターンがあります。1次試験終了後ですが1次試験対策のコンテンツを閲覧することができます。
  • また、2次試験だけの対策をしたいという要望がありましたので、特別に「2次試験対策限定会員」を設けました。会費は6000円と少し高く感じますが、正会員とのバランスを保つための設定にしています。会員登録後に1次試験が不合格が判明した場合でも返金はできませんのでよく考えて申し込みしてください(その場合は翌年の会費を割引します)。なお、すべての記事が閲覧できる「2次試験対策一般会員」も設定しています。割引価格の15000円となっています。
  • 「2次試験対策限定会員」は、カテゴリー「2次試験対策」「29年度試験対策」の会員限定記事と「受験報告掲示板」を閲覧することができます。