19.次の文章のうち、下線部がすべて正しい場合は○を、下線部のうち誤っている箇所がある場合は、誤っている箇所(1ヵ所)の記号を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。
※誤っている箇所がある場合は、1ヵ所である。
① 国民生活センターの紛争解決委員会は、㋐重要消費者紛争に関して、和解の仲介手続や仲裁手続を実施することができる。㋑手続自体は非公開で行われるが、手続が終了した場合、国民生活の安定・向上を図るために必要があるときは、紛争解決委員会は㋒手続実施事案における結果の概要を公表することができる。
② 少額訴訟は、訴額が㋐140 万円以下の金銭の支払いを求める訴訟であり、㋑原則として相手方の住所地を管轄する簡易裁判所において実施される。1回の口頭弁論期日で審理を終えて判決をすることを原則としており、少額訴訟の判決に対して不服がある場合には、判決を受け取った日の翌日から2週間以内に㋒同じ簡易裁判所に不服(異議)を申し立てることができる。
③ 民事裁判において、被告は、㋐裁判所に答弁書を提出すれば、第1回期日に欠席しても答弁書の記載を主張したものとみなされる。㋑答弁書を提出せずに第1回期日に欠席すると原告主張の事実を自白したものとみなされ、原告の勝訴判決が下される。なお、消費者が移送を申し立てると㋒消費者裁判の特則により移送が認められる。
④ 景品表示法が禁止する不当表示には、優良誤認表示や有利誤認表示がある。不当表示に該当するか否かの要件には、㋐事業者の故意・過失の有無は含まれない。また、㋑有利誤認表示に該当する疑いがある場合、消費者庁は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合、一定期間内に提出されなければ不当表示とみなされる。
⑤ 景品表示法が規制する景品類には、懸賞によらずに商品等の購入者や来店者に対してもれなく景品類を提供する㋐「総付景品」のほか、商品等の購入者に対し、くじ等の偶然性、特定行為の優劣等によって景品類を提供する㋑「一般懸賞」と、商品等の購入者に対し、一定の地域又は業界の事業者が共同して景品類を提供する㋒「共同懸賞」がある。
⑥ 消費者庁長官は、景品表示法に違反する㋐優良誤認表示又は有利誤認表示を行った事業者に対して、課徴金の納付を命じなければならない。㋑違反事業者が相当の注意を怠った者でないと認められるときは課徴金は賦課されず、㋒違反行為を自主申告した事業者に対しては、課徴金額の2分の1が減額される。
⑦ 現行の個人情報保護法においては、個人情報とは、㋐生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により㋑特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができるものを含む。)と定義されている。
⑧ 現行の個人情報保護法においては、個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用目的をできる限り㋐特定しなければならず、本人の同意を得ることなく㋑利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことが禁止されている。また、本人の同意がない限り㋒利用目的の変更は許されない。
解説
「訴訟」「景品表示法」「個人情報保護法」という例年であれば重要で問題数も多い3分野ですが、問題数減少のあおりを受けたのでしょうか、3分野がまとめて8問になっています。
問題数が減少すると、おのずと基本問題に近くなってきますので難易度が下がる傾向にあります。ケアレスミスをしないように注意してください。
難易度(A易、B普通、C難)目標:5問/10問中
- 問題19① 訴訟・国民生活センターの紛争解決委員会 C
- 問題19② 訴訟・少額訴訟 BC
- 問題19③ 訴訟・答弁書 C
- 問題19④ 景品表示法・不当表示 AB
- 問題19⑤ 景品表示法・不当景品類 AB
- 問題19⑥ 景品表示法・課徴金制度 C
- 問題19⑦ 個人情報保護法・個人情報の定義 AB
- 問題19⑧ 個人情報保護法・利用目的 C
ポイント
訴訟
まともに勉強しようとすると難しいので大変です。同じような論点が繰り返し出題されますので過去問対策が重要です。
また、国民生活センターの紛争処理が時々出題されますので、国民生活センターのHPと過去問対策をしておいてください。
景品表示法
基本的には定義など条文に基づく問題が出題されます。基本事項を確認しておくとともに、法律改正については、しっかり勉強しておいてください。
個人情報保護法
定義などの暗記系の問題が多いのでなかなか難問が多いです。細かい事例なども解釈が難しいときもあります。過去問をしっかり確認しておいてください。
そして、大きな改正のあった個人情報保護法です。施行は29年5月30日なので、本格的な試験範囲ではなく概要になりますが、概要と言っても、概要が多いので、がっつり出るかもしれません。問題文中の、現行法か改正後かをきちんと確認してください。
改正個人情報保護法は別途29年度試験対策の記事を参照してください。