1.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

⑧ 国民生活センターは、現在の消費者基本法では、㋐国民の消費生活に関する情報の収集および提供、事業者と消費者との間に生じた苦情の処理のあっせんおよび当該苦情に係る相談、㋑事業者と消費者との間に生じた紛争の合意による解決、㋒消費者からの苦情等に関する商品についての試験・検査など、消費者に対する啓発および教育等における中核機関としての役割を果たすものとされる。
⑨ 消費者安全法および同施行規則によると、都道府県の消費生活センターの設置についても市町村の消費生活センターの設置についても、㋐消費生活相談について専門的な知識および経験を有する者を苦情相談およびあっせんに従事させていること、㋑事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えていること、相談およびあっせんの事務を㋒週4日以上行っていること、という基準が設けられている。
⑩ 現在、都道府県に消費者保護のための行政措置を行う一定の権限が与えられている法律としては、㋐特定商取引法や割賦販売法、㋑貸金業法等がある。また、都道府県は㋒条例に基づいて一定の措置をとることができる

【解説と解答】
⑧消費者基本法で国民生活センターの役割が定められています。

消費者基本法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S43/S43HO078.html

(国民生活センターの役割)
第二十五条  独立行政法人国民生活センターは、国及び地方公共団体の関係機関、消費者団体等と連携し、国民の消費生活に関する情報の収集及び提供、事業者と消費者との間に生じた苦情の処理のあつせん及び当該苦情に係る相談、事業者と消費者との間に生じた紛争の合意による解決消費者からの苦情等に関する商品についての試験、検査等及び役務についての調査研究等、消費者に対する啓発及び教育等における中核的な機関として積極的な役割を果たすものとする。

条文そのままです。したがって、⑧はすべて正解です。

⑨消費生活センターという言葉が消費者安全法で初めて定義付けられました。細かい内容は消費者安全法施行規則で定められています。消費生活センターの設置義務や努力規定とあわせて頻出問題ですね。

消費者安全法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H21/H21HO050.html

第二節 消費生活センターの設置等

(消費生活センターの設置)
第十条  都道府県は、第八条第一項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置しなければならない。
一  第八条第一項第二号イの相談について専門的な知識及び経験を有する者を同号イ及びロに掲げる事務に従事させるものであること。
二  第八条第一項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
三  その他第八条第一項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
2  市町村は、必要に応じ、第八条第二項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置するよう努めなければならない。
一  第八条第二項第一号の相談について専門的な知識及び経験を有する者を同号及び同項第二号に掲げる事務に従事させるものであること。
二  第八条第二項各号に掲げる事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているものであること。
三  その他第八条第二項各号に掲げる事務を適切に行うために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
3  都道府県知事又は市町村長は、第一項又は前項の施設又は機関(以下「消費生活センター」という。)を設置したときは、遅滞なく、その名称及び住所その他内閣府令で定める事項を公示しなければならない。

(消費生活センターの事務に従事する人材の確保等)
第十一条  都道府県及び消費生活センターを設置する市町村は、消費生活センターに配置された相談員(前条第一項第一号又は第二項第一号に規定する者をいう。以下この条において同じ。)の適切な処遇、研修の実施、専任の職員の配置及び養成その他の措置を講じ、相談員その他の消費生活センターの事務に従事する人材の確保及び資質の向上を図るよう努めるものとする。

消費者安全法施行規則http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H21/H21F10001000048.html

(相談員)
第七条  消費者安全法 (以下「法」という。)第十条第一項第一号 又は第二項第一号 に規定する者は、次に掲げるいずれかの資格を有する者又はこれらと同等以上の専門的な知識及び経験を有する者とする。
一  独立行政法人国民生活センター(以下「国民生活センター」という。)が付与する消費生活専門相談員の資格
二  財団法人日本産業協会が付与する消費生活アドバイザーの資格
三  財団法人日本消費者協会が付与する消費生活コンサルタントの資格

消費者安全法施行令・・・条文

(都道府県が設置する消費生活センターの基準)
第六条  法第十条第一項第三号 の政令で定める基準は、法第八条第一項第二号 イ及びロに掲げる事務を一週間につき四日以上行うことができるものであることとする。
(市町村が設置する消費生活センターの基準)
第七条  法第十条第二項第三号 の政令で定める基準は、法第八条第二項第一号 及び第二号 に掲げる事務を一週間につき四日以上行うことができるものであることとする。

消費者安全法での「相談員の専門的な知識を有する者」として具体的に3資格が消費者安全法施行規則で定められています。
電子情報処理設備はお役所言葉で要するにパソコンとネット環境ということです。PIO-NETによる相談情報の入力が必要です。
消費生活センターの相談は週に4日以上とされています。ただし、週に4日に満たなかったら消費生活センターという位置付けにならないだけで、今までどおり相談窓口は継続されます(不利なところは補助金等の関係があると思います)。ちなみに、週4日以上というのは施行令に定められていますので問題が少し間違っているようですね。
したがって、⑨はすべて正解です。

⑩都道府県に対する権限委任です。権限委任については法律の後ろの方で規定されていることが多いですね。
都道府県に委任している法律かどうかはすべて確認したわけではありませんが、単純に消費者庁の所管する法律はだいたい都道府県に権限委任されていると考えましょう。各法律で処分という2つのワードで検索すれば都道府県が行っている処分事例が公表されています。
特商法や割販法は身近な法律ですので都道府県でも権限があることが分かると思います。また、貸金業の登録は都道府県で行われていることを思い出せば都道府県に権限が委任されていることも分かると思います。深読みすると、はまりそうですね。
一方、都道府県だけでなく市町村においても「消費生活条例」等で何らかの行政措置を定めているところが多いですね。
したがって、⑩はすべて正解です。

解答一覧

⑧→○、⑨→○、⑩→○

問題1は思った以上に難問かもしれません。最初の問題から、はまらないように注意しなければなりません。しかも、○が6個もあって、おかしいなと思ってしまいます。油断すると時間はすぐに経過します。まあ、半分以上とれたらいいのではないでしょうか。上手くいけば7割ぐらいはとれるかもしれません。それよりも、この問題で気持ちが折れないように精神集中です。