相談員試験を過去に受験した人はよくお分かりだと思いますが、初めての受験生には難易度が気になると思います。
過去問を見ると間違いなく頭を抱えるでしょう。
普通の資格試験と違い「難易度は高い」と思います。
難易度が高いと感じる理由を挙げてみました。

※ただし、26年度試験だけ難易度が下がりました。その分、合格ラインも上がりました。
それは、○×問題と正誤問題の比率が極端に逆転したからです。
ただし、27年度試験では、もとの出題傾向と内容と難易度に戻りました。

平成26年度試験

ちょっとした異変がありました。
○×問題は穴埋め問題よりも難しいです。
これまでは、○×問題は穴埋め問題よりも多く出題され、1.5倍ぐらいの数でした。たとえば25年度だと、130問と70問。

それが、26年度(直近の試験)では、60問と140問と大幅な逆転現象となり、難易度が下がりました。
なぜ、こうなったかは分かりませんが、私の勝手な考えでは、試験制度が変わる前に何とか現職無資格相談員に合格してもらいたいというのがあったのかもしれません。

結果として高得点が続出しました。
試験の合格ラインは公表されていませんが、勉これまでの強部屋受験者からの報告で、おおむね126点前後がボーダーとして推測されていました。資格試験なので、大きくこのラインを変えることはないので合格者数も増えるのかと思ってたら、とんでもないことがおこりました。

合格ラインが推定140点以上に。
『択一式の得点が6割以上で、上位3割以内が基準となっている』という新情報が出ましたが、真偽のほどは不明です。

結局、難易度が下がったとはいえ、7割とろうと思えば、少しのミスが命取りになります。
穴埋め問題はついになっていることが多く、片方を間違うともう片方は必ず間違うということもおきます。
最終的に、合格するべき人は合格し、ぎりぎりの人は、運次第となりました。
基本的な知識がないと逆にしんどいかなと思ったりしました。
難易度がそこそこ高かったほうが、きちんと勉強している人が報われると思います。
今回の試験はちょっと疑問符です。

⇒結局、27年度試験では、元に戻りました。

相談員試験の難易度が高い理由(26年度分は少し別として)

  • まず、誰もが思うことで、問題を読む気にならない。
  • 問題そのものが理解できない。
  • 特にメインとなる、「民法」「消費者契約法」「特定商取引法」「割賦販売法」は全く読み気にもならないし、何が書いてあるのかも分からない。しかし、問題数が多いので、ちゃんと対応しなければならない。
  • 一般の資格試験のように誰でも答えれるような簡単な問題もあるというものではなく、いきなり全力の問題が出題される。
  • なぜ、その答えになるのか分からない。
  • 2時間30分という時間で200個の問題を解くのはかなりハード。とき残しもある上、見直しする時間もない。※21・22年度試験は同じ時間で250問でした。
  • 時間がないので、実力を発揮することは難しい。
  • 現場にいなければ理解できない問題もあるので、一般の受験生には不利な部分がある。
  • 出題範囲が広く、勉強を続けるモチベーションを維持することが難しい。
  • 周りに同じような受験生がいないので、孤独感に襲われる。
  • 40代以上の受験生が多く、暗記物は記憶力が劣ってきているので苦しい。
  • 受験対策の参考書や講座も少ない。
  • 相談員試験に関する情報が少ない
    などなど、数え上げたらきりがありません。

それでも、平成21年度と私が受験した平成22年度は同じ時間内で問題数が250個だったので、今は時間的には楽になっています。

また、択一試験の合格ラインは公表されていませんが、勉強部屋の受験生からの報告をまとめると、120点後半(126点前後)が合格ラインと思われますので、130点の65%以上の正答を目指すことになります。このボーダーライン上の受験生が意外に多いので、1点1点の重みがあります。
私も毎年問題公表後に準備なしで受験するのですが、だいたいあと少しで7割というところです。
ただし、26年度だけ合格ラインが140点と例年とは異なりました。個人的には今回だけのイレギュラーだと思います。

現在、国では相談員資格試験の制度の見直しが決まっており、平成28年度から新しい制度になる予定です。もしかすると、28年度からは難易度や試験内容が 大幅に変更される可能性はありますが、27年度はこれまでと同じ試験内容だと思います(それについては、試験の受験要項が公表されてから、ある程度確認す ることができます)。

⇒予想通り、新制度になっても、今と変わりがないようですね。

国家資格になるけど、相談員資格は活かせるの?

苦労して合格した資格は、国民生活センターの資格であり、ほぼ民間資格といってよく、消費生活センター以外で活用できることはあまりありません(アドバイザーのほうが一般的な価値はあると思います)。新しい資格は国家資格にして、民間でも通用するようにとの掛け声で検討が始まったものの最終的には、これまでと同じ消費者センターでしか使えない資格といえます。国民生活センターの「消費生活専門相談員」という資格制度が継続し、「消費生活相談員」の国家資格が同時に付与される資格となりました。「消費生活相談員」は国家資格としての位置づけになりましたが、実質的には消費者センターでしか使えないという資格になってしまいました。

消費者センターの相談員は、ワーキングプアの職業です。それでも、消費生活センターに勤めるためには必須ともいえる資格ですので、特に、現職で資格を持っていない相談員には相当なプレッシャーがかかってきます。資格がなくても相応な仕事ができるので不要だというのではなく、ひとつの信頼の証として相談員資格を持つべきだと思います(スポーツ指導の世界でも同じです)。

また、新資格の取得を改めて求められる場合もあるかもしれません。特に、都道府県に設置される指導的役割を担う指定消費生活相談員では必要でしょうね。

試験対策には、専門分野の学習も当然必要ですが、試験合格のポイントは「過去問」を繰り返し解くことです。通常の学習に加えて、勉強部屋で過去問をベースに勉強していくことで、試験対策になります。