論文問題を持ち帰るために最後まで試験を受けたので、余った時間に転記して、ほぼ100%近く再現できました。

2次試験や試験問題の公表前ですが、あまりにも、論文の採点に対する疑問が噴出しているので、「テーマ1」ですが、私の合格論文を公開します。

なお、状況により、合格発表まで非公開にする場合もありますのでご了承ください。

留意事項

この論文の出来については、私にとってはイマイチでした。しかし、書いている内容は決して難しい言葉を使っているのではなく、誰にでもかけそうな内容です。ということは、採点者にとっても読みやすい論文といえると思います。読みやすい論文は印象がいいと考えています。私の論文添削では読みやすい論文への添削を重視しています。

なお、「担っている」など、恥ずかしながら自信がない漢字が数箇所あり「ひらがな」にしました。
後半の部分で、接続詞も上手く書けていなかったりします。

私は高得点を狙っているのではなく、ぎりぎり合格でいいので、そつない論文にしています。
私が合格した22年度試験でも、8点満点で5点というボーダーラインでした。

私より上手にかけている合格者はたくさんいると思います。
勉強部屋の過去の会員でも、8点満点中7点も結構いました。

再現答案(テーマ1)

  • 段落頭のスペースは表現できません。
  • 見やすいように改行で1行あけてます。
  • 本番は1行20文字ですが、ここでは続けています。
  • 最終的に7行余りましたので、『1000文字(20文字×50行)+20文字×3行』です。

地方公共団体は、身近な住民に様々なサービスを提供している。消費生活センターをはじめとした消費生活相談窓口では住民が消費者トラブルにあった時に、無料で相談することができる。相談窓口が身近にあることは、 被害の早期対応や気軽に相談できるという意義があり、地域住民の安全・安心な生活を確保するための役割をになっている。

住民からの相談は電話で受けることが多いため、不安な気持ちの相談者に寄り添ったコミュニケーションを心がける必要がある。特に、初期の対応には、ていねいに相談者への聴き取りをすることが大切である。

聴き取りに際しては、契約書の有無、契約に至った経緯、被害の有無、何を希望しているかなどを聴きとる。また、製品事故やケガを伴う事故の場合は、症状の状況、事故の発生状況などを聴きとる。場合によっては、契約書をFAXしてもらったり、製品を確認したり、来所を促したりする。

このような状況をもとに、トラブルの解決をはかるため「あっせん」を行う。あっせんに際しては、過去の相談情報の活用により同様事例や同じ事業者でないか、どのようにあっせんしたのかを確認したうえで事業者と交渉することになる。あっせんの結果については、PIO-NET等に情報を蓄積して、将来の相談に活用するというサイクルをまわす。

このように蓄積された情報により、被害の拡大防止や未然防止といった注意喚起を地域住民に行うことで、啓発活動につなげることができる。相談窓口が地方公共団体にあるからこそできる身近な取り組みである。

一方、地域では同じ事業者による被害が集中的に発生することがある。いち早く情報を知ることができることが強みであり、消費生活条例などによる行政指導や行政処分で、いち早く対応することも可能であり、都道府県では、法律による行政処分も可能である。そして、行政処分の情報についても地域に情報提供して、情報を蓄積する。

このように、相談窓口が身近にあることは 住民にとっても心強い。事業者と消費者には情報の質・量・交渉力等に格差がある。この格差を解消するための相談窓口の役割は重要である。消費者庁が創設されて、消費生活センターの設置や相談体制の充実などが強化されている。消費生活相談員としても、年々変化する社会情勢や悪質商法の手口の複雑化などについて学びを続け、あっせん能力の向上を目指し、地域住民の被害回復、被害の未然防止など、安全安心な生活の確保に役立ちたい。

ポイント

そつなく書いてはいますが、いろいろ、「おっ」と思わせるようなポイントを書いています。

「相談窓口は地域住民の被害回復・被害未然防止に重要である」ということは誰もが書くところですが、私は、そこから少し発展させて、「地域住民の安全・安心な生活の確保」という行政が好きなフレーズをいれて、それをまとめ的な柱にしました。

「聴き取り」については、「心がけ」的なことを書かれていると思いますが、私はそれにプラスして具体的な聴き取り事項を列挙しました。その列挙の中には、製品事故の要素も入れています。契約に関する相談が多い中、製品事故を経験する機会が少ないことがありますが、これをいれることで「おっ」と思わせたいという意図があります。

さらに、相談は電話で始まるが、FAXで書類送付してもらったり、製品を確認したり、来所を促したりと、相談機会のバリエーションを書くことで、「おっ」と思わせたいと考えました。

「あっせん」については、聴き取りの列挙のような具体的なあっせん手法を書けばよかったと後から思いました。7行も余したのですから。

「相談情報の活用」のポイントは、PIO-NETによる情報の蓄積でしょう。今の相談に活用できるし、将来の相談にも活用できます。また、啓発にも活用できます。ということで、「注意喚起」は軽く啓発に絡めただけになりました。

だれもが悩んだ「行政処分」です。これが気持ち悪くて「テーマ2」を選んだ現職は多かったと思います(その選択が失敗だと推測しています)。再現論文のとおり、ここは無理やりこじつけました。

最後のまとめですが、「事業者と消費者の格差の解消」、「消費者庁の設置」と「地方の窓口の充実強化」というキーワードを入れました。さらに、論文添削でも必ずプラスポイントとしてあげている「相談員として前向きな姿勢」を入れました。

ただし、論文構成には悩みました。20-30分考え込んでたかもしれません。
問題として書くべきことが、「意義と役割」「相談の留意点」という2つの論点があり、通常の序論・本論・結論の構成が難しいと感じました。意義は最初に無理やり書いて、全体の中に盛り込むようにして、まとめにも入れることで対応しました。

読んでみると、決して、すごい論文のようには感じないと思います。しかし、そつなく書けているなあという印象は感じられるのではないでしょうか。

※この論文についてのご意見ご感想があれば問い合わせフォームでご連絡ください。転載可能であれば、受験生のために、ここで公表したいと思います。

ご意見・ご感想と管理人のコメント

募集中です

こんな感じで、余った時間30分で転記して帰りました。行数割をしくじってしまい、きたなくなりました。乱雑な文字から原稿を書き起こしました。行頭をそろえているので、ほぼ完璧な転記です。

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正式な得点は65点

100点満点中の65点でした。まあ、準備なしで書いたので合格してさえすればOKです。

会員の中からは80点以上の高得点者が続出です。100点満点もいました。

一方、ぎりぎり60点の冷や汗合格もいました。

採点基準も不明な論文は合格すればOKでいいと思います。