試験本番直前となりました。
今の時期にあせって必死で勉強していることと思います。
勉強部屋の過去問解説もスケジュールどおりにすすめれば楽なのですが、まとめて勉強するとなると結構しんどいと思います。
さて、論文対策は進んでいるでしょうか?
今年は例年の5倍近い論文応募があったので、添削する側としても大変でした。
論文添削に応募する受験生は、択一問題などが比較的順調に進んでいる方が多いと思います。
しかし、それは一部の受験生だけだではないかと思います。多くは、論文対策として、論文を一度書いてみるということはしていないと思います。結局、一発本番ですね。
相談員試験という資格は、受験者層から見て、あまりレベルの高い論文の完成度が求められるのではないと私は思っています。そのため、そこそこ論文らしく成立していたら何とかなるのではないかと思います。
今回、多くの論文添削をしましたが、過去の論文と比べると、正直に言って、レベルが低かったです。
同じような指摘を何度もしています。
ということは、みなさまの改善ポイントが凝縮されている論文添削ですので、論文添削を読むだけでも、勉強になるということです。
そこで、添削のポイントをまとめましたので、少なくとも、これらのポイントは意識して論文を書くようにしてください。
特に、序論の出来が悪かったので詳しく書きます。もっと細かい部分はそれぞれの添削を読んでいただくと分かります。
本論が最重要で、序論が論文の点数に与える割合は少ないと思いますが、きれいな序論だと、第一印象が良くなります。第一印象が良いと、中身もしっかり書けてるんだなあという先入観を与えます。逆に、序論がダメダメだと、「何これ!」と頭を抱えて中身の印象も悪くなります。
序論
序論は問題のテーマについて書くのが基本です。あまりにもかけ離れた一般論がメインになるのではありません。
基本的には背景となるものですが、=問題文中に書かれている短い背景を、繰り返しになりますが、少し詳しく書くことになります。
序論のなかにも、3段階にわかれていると考えたら分かりやすいかもしれません。
【例】景品表示法の改正
- 【きっかけ】一流ホテルのメニューの原産地などの不正表示が社会問題となった
- 【一般論】表示は商品を選択する唯一の手がかりであり信頼に関わり間違いは許されない
- 【結論】そこで、景品表示法が改正されて規制が強化された
この3つのうち、必須なのが【きっかけ】と【結論】です。
【きっかけ】は【結論】の直接的な理由です。
これらが、本論で論じることになります。
【きっかけ】と【結論】だけでも十分ですが、そこに【一般論】があれば序論が論理的になり分かりやすくなります。
バランスとしては、同じぐらいのボリュームで、【一般論】が中心になり過ぎない。
【一般論】はあくまでも補助的なものです。前面に出るものではありません。
100~200文字ぐらい=5~10行=400字詰め原稿用紙の半分か半分の半分程度。
【一般論】【きっかけ】【結論】という形に表順が変わっても大丈夫ですが、インパクトは弱くなります。
- 【一般論】表示は商品を選択する唯一の手がかりであり間違いは許されない
- 【きっかけ】しかし、一流ホテルのメニューの原産地などの不正表示が社会問題となった
- 【結論】そこで、景品表示法が改正されて規制が強化された
添削ポイント
【一般論】【きっかけ】【結論】という書き方が多く、特に【一般論】ぼボリュームが大きいため、序論としての背景が不明確になる論文が多かったです。
このパターンでかかれる場合の特徴は、補助的な一般論をボリューム満点に書いているのです。
序論に書くことは、問題のテーマに書いてありますので、それを中心に組み立てればいいので、皆様はわざわざ、一般論を探し出してきて難しく書いています。素直に単純に書けばいいのです。
さらに、一般論を書くに当たって、専門用語を使ったり、細かい数字を出したりして、さらに難しくしています。難しく書いた文に間違いがあるとマイナスになるのでもったいないですね。さらっといきましょう。
序論には感情をいれず事実のみ
序論は背景説明となりますので、過去の事実を基に書いています。そこに、今現在そして将来の自分の考えを入れると、時系列がおかしくなります。添削事例にもありました。自分の考えは本論や結論に書きましょう。
序論がかけてたら本論の争点は間違わない
序論がきちんと論理的にかけてたら、本論で書くべきことを間違うことはありません。添削した中でも、全く違う論点になってしまっている論文がありました。序論が書けたら自然と本論に書くべき論点が出てきます。もちろん、書くべき論点は分かっているけど、何を書いたらいいのかというのは、勉強できているかどうかにかかってきます。
本論
本論で論点を組み立てますが、本論での論点を3つにしてしまうと書ききれない場合があるので気をつけてください。2点ぐらいが適当かと思います。
そのときに、本論の書き出しを、①②③と羅列してしまうと、2つに減らしたときに矛盾が生じるので、下書きでない場合は、①など、という書き方もOKです。
添削で多かったのが、細かい数字を出していることです。資料を見ながらでないとかけないような数字は、本番では絶対書けません。暗記したはずの数字に少しでも疑念が生じたら、頭が真っ白になり破綻してしまいます。数字を書くなら、120%自信のある数字を書きましょう。書きたい場合は他の言葉に置き換えたりの工夫は可能です。
それと同じようなことですが、断定口調で書いている論文が多かったのですが、確かなの?となるので、自分の考えとして置き換えると良いです。具体的な修正は添削論文を参照。
具体的な事例はだらだら書かずに簡潔に書きましょう。添削事例を参照してください。
現行の行政施策を批判しない。添削でも指摘していますので参照してください。
結論
本論に結論まで盛り込んでいる場合もありますので、絶対に必要というわけではないのですが、3~5行程度、まとめ的に書いていると、読み手が安心して論文を読み終えれます。本論で終わってしまうと、煮えきれないままの気分になったりしますので、最後に、自分の考えや相談員としての考えを少し入れると、きれいにまとまるでしょう。
指定語句
指定語句自体の意味を書かなければならない場合もあれば、文章の流れの中に書くだけでいい場合もあります。これは慣れですね。
ただ、指定語句には下線を引く必要があります。引き忘れがマイナスになるかどうかは不明ですが、同じ指定語句が何度も出てくる場合は注意してください。すべてに下線が必要です。それを考えると、指定語句は1~2回程度で十分ではないかと思います。それを意識して文章を書くことも必要です。つまり、繰り返し同じ指定語句が出ることは文章の書き方が悪いということです。
行政問題と法律問題の選択
論文添削の中にもいくつか書いてますので参照してください。(論文添削その2)