回答(取り急ぎ書きましたので、修正する可能性もあります)
・相談員試験を勉強している人が、アドバイザー試験を受けようと思えば、相談員試験の法律関係の勉強は十分カバーできます。きちんと勉強していれば8-9割は取れます。したがって、相談員試験の範囲外の分野を勉強することになりますが、過去ログで分かるように、かなり広い範囲ですので、勉強するのも大変です。
・逆にアドバイザーを勉強している人が相談員試験を受けようと思えば、その特殊性を勉強しなければなりません。まず、法律問題は難しいです。深いところを問うてくるのと、意地悪問題的なものもありますし、相談現場を想定した問題もあります。また、クリーニングなどのほかの分野でも相談現場を想定した問題が出題されます。アドバイザー試験は基本的に知識を問う問題ですが、相談員試験は実務を想定した問題が多くあります。
・相談員試験の特殊性を勉強しようとすれば、過去問です。ただし、過去問を勉強するのも難しいです。そこで、この勉強部屋が誕生したのです。当初は自分が受験した年度の自分用の勉強のためでした。
・アドバイザー試験はたとえば通信講座を受講すると、ものすごい量のテキストです。ダブル受験するには、どちらを目的に置くかが重要です。消費者センターの相談員になりたいのなら、断然、相談員試験です。アドバイザーの広い範囲を勉強するのなら、その時間を過去問の勉強にでも使ってください。
・相談員試験のポイントは「過去問対策」です。いくら知識があっても、この試験形式というハードルは事前準備をしていなければ突破は難しいかもしれません。過去問対策としては、この勉強部屋を自信を持っておすすめします。今年から有料になったのが申し訳ないのですが。
・アドバイザー試験は普通の一般的な資格試験なので、明らかに点数をとらせてくれる問題がありますが、相談員試験にはそれがありません。
・相談員試験の受験者は40-50代が多く、アドバイザーよりも受験層は高いと思います。それゆえ、記憶力も衰えており、たくさんの勉強は難しいと思います。もちろん、若くて記憶力もあり、両方の試験勉強をして両方合格すればすばらしいですが、それぞれの目的を第一に考えてください。
・相談員試験は消費者センター以外では活用できない資格です。民間で活用するのならアドバイザーです。また、相談員資格や試験の見直しもあり、28年度ぐらいから大幅に変わるかもしれません。
以下は2010年12月13日に書いた過去ログです。
「消費生活専門相談員」と「消費生活アドバイザー」の出題範囲について比較したいと思います
(各試験要項より抜粋)
・大きく異なっているのは、アドバイザーのほうが出題範囲が広いということです。それは、企業としての考え方を問う問題が加わっているからです。
・消費者問題は、相談員のほうが、国の施策にかかわる問題に重点が置かれています
・法律問題については、同じぐらいですが、相談員の場合は過去問でどの法律を押さえるか傾向が分かります
・経済については、アドバイザーのほうが細かいことを問われます
・商品やサービスについては、相談員のほうが、より現実的な相談現場で使われるような問題を問われます。アドバイザーは一般的な知識を問われます。また、アドバイザーのほうが広い範囲を問われます。
・論文試験の範囲と問題数が異なっているほか、相談員では一次試験で、アドバイザーでは二次試験で行われます
・したがって、アドバイザーの勉強をしていれば、おおむね相談員の出題範囲もカバーされます。
「消費生活専門相談員」
出題範囲
1. (1)消費者問題に係わる一般常識
2. (2)消費者行政に係わる関連法規
3. (3)消費者問題に係わる基礎的な法律知識
4. (4)消費生活に係わる経済知識
5. (5)消費生活上の商品・サービスに係わる知識
6. (6)消費生活相談に携わるにあたっての基礎的知識
出題形式
第1次試験
(A)択一式及び○×式筆記試験(解答はマークシート)
(B)論文試験
第2次試験
面接試験(出題範囲についての学識及び消費生活専門相談員として業務を遂行するための適性の有無を判定)
「消費生活アドバイザー」
試験範囲
(1)消費者問題
消費者問題発生の背景と最近の消費者問題、企業の社会的責任と消費者対応等
(2)消費者のための行政・法律知識
行政知識、法律知識
(3)消費者のための経済知識
経済一般知識、企業経営一般知識、生活経済、経済統計と調査方法の知識、地球環境問題・エネルギー需給
(4)生活基礎知識
医療と健康、社会保険と福祉、余暇生活、衣服と生活、食生活と健康、住生活と快適空間、商品・サービスの品質と安全性、広告と表示、暮らしと情報
試験の方法
(1)第1次試験(択一試験)
前記、試験範囲より出題します。出題は正誤法(1.2.3.4.5.)、補充式(……は ウ である。)等により行います。
(2)第2次試験(第1次試験合格者に対し実施します。)
① 論文試験
前記、試験範囲のうち、消費者問題、消費者のための行政・法律知識、消費者のための経済知識より出題しますが、出題を次の2グループに分け、それぞれのグループより1問ずつ選択し記述していただきます。
○ 第1グループ(4問)…①消費者問題、②行政知識、③④法律知識2問〔うち、③特定商取引に関する法関連、④その他消費者法関連〕
○ 第2グループ(4問)…①経済一般知識、②企業経営一般知識、③生活経済、④地球環境問題・エネルギー需給
② 面接試験
面接委員と受験者の個人面接を行います。
※どちらにしろ、幅広い消費者問題への知識が求められますので、勉強するとなれば時間をかけてじっくり取り組む必要があります。その知識レベルは、一般常識でOKですが、より高度な一般常識になりますので、日常生活で自分自身が知っていることだけではカバーしきれません。消費者問題は日常から時系列的に社会状況の背景などのニュースを知っておくことが重要です。