【質問】
実務経験がある方が有利なのでしょうか?
メッセージ本文: お世話になっております。相談員の資格を取得した後、就職を希望しておりますが、
自治体の相談員募集の場合、実務経験のある人の方が未経験者よりも採用されるのでしょうか?
特に都市部は、資格保有者が多いことから未経験者は相談員の職に就くのは、難しいでしょうか?
ご意見を宜しくお願いします。

この回答は、あくまでも私の個人的な見解ですので、実際とは異なる場合があることを御了承ください。

【回答】
採用枠が1人で、年齢等の条件が同じなら、実務経験者のほうが有利には間違いないと思います。
ただし、実務経験といっても、3年と10年とでは大きく違うかといえば、そうでもないと思います。
また、実務経験があってもコミュニケーション能力などの技能に問題がある場合は採用されない場合もあります。
どこかのセンターで1サイクル3-5年勤務してしっかり経験を積めば、間違いなく戦力になるので、あとはセンターが採用したい年齢層などとマッチするかというところもあると思います。
したがって、実務経験の差で不採用となった場合でも、名簿に登録されて、声がかかる場合もあるので、そういう場合は登録をお願いしておけばいいと思います。もちろん、国センに資格登録するときに情報提供もしておいてください。

都市部の就職が難しいかどうかですが、資格保有者が多いのは当然として、逆に、センターや相談員の数が圧倒的に多いのが現実だと思います。採用枠が限られている地方よりも、通勤圏が広く、就職がしやすいのではないかと思います。また、大きなセンターだと、相談員の数が多い、行政職員がいる、行政技術職員や商品テスト担当者がいる、研修機会も多く、研修にも参加できるなど、働く環境は恵まれています。

地方へ行くと、「応募者数が少ない(全くいない場合も)」「資格保有者も少ない」ということもあります。
先日書いた都道府県別の資格所有者数でも分かると思います。
すると、資格がなくても採用されて仕事をしながら資格取得を目指すというパターンもあります。仕事だけでもしんどいのに試験勉強まで手が回らないこともあります。

また、相談員という職業はメンタル的にきつい割には待遇が恵まれておらず、ワーキングプアな職業の一つです。やってみなければ分からない部分もありますが、普通の仕事は異なる覚悟が必要です。

雇い止めの有無によって採用方法が大きく変わってくるのではないでしょうか。
雇い止めのあるセンター・・・自治体嘱託職員
優秀な相談員でも雇い止めがあれば切らざるをえないという事情があります。
そのときに定員が多ければ、都市部でも相談員の絶対数を確保しなければならず、結果として通勤できる範囲の相談員の数も限られることになり、数年のスパンで見れば、相談員不足が起こります。すると、新人相談員でもどんどん採用されることがあると思います。5人ぐらいのセンターで雇い止めがあれば、採用サイクルをうまく考えなければ、新人ばかりになってしまう可能性もあります。
相談員は誰でも就職できる職業ではなく、人気があるともいえず、資格所有者も限られるため、人材不足は明白です。
本来は資格保有者を採用すべきですが、地方では難しい場合もあります。
雇い止めがあれば、相談員の数によって、一定の採用サイクルがあると思いますので、情報収集です。思わぬ中途退職もあります。国センのHPを見ても満遍なく採用情報はあります。

雇い止めのないセンター・・・自治体正規職員、自治体嘱託職員、委託先職員(消費者協会やNPOなど)
このあたりのセンターは退職者がでなければ採用はありません。定年退職も延長される傾向もあり、特にコミュニケーション能力にすぐれた経験豊富な相談員は貴重です。
定年退職の予定の有無などを直接問い合わせて情報を把握しておくことが大切です。
また、居住地域が限定されているセンターでは家庭の事情による突然の転居で退職せざるを得ない場合もあるので中途採用が出ることもあります。
また、病気や家庭や子どもの事情で年度末退職や中途退職もあるかもしれません。
自治体正規職員は待遇面でも恵まれていることがあり、なかなか枠が空かないのが現状です。同じ都道府県内でも採用形態が異なりますので、それは時の運というものでしょう。
自治体の採用の場合は広く公募されるのが普通ですが、委託先の職員の場合は公募されないこともあります。消費者協会などでは自治体からの委託をうけるのが相談業務だけとは限らず、啓発業務を単独で受ける場合もありますし、消費者協会独自の仕事もあります。その場合、相談業務についていない職員が資格を取って相談員になるということもあります。コネもありますし、相談員の募集ではなく協会職員の募集となれば、なかなか採用情報が表に出てきません。
委託の場合は給与も自治体から出るのではなく、委託先から出ることになるので待遇面でも異なることがあります。

結論としては以前にも記事にしたことがありますが
・自分が就職したい地域のセンターの情報を知っておくこと。分からない場合は直接問い合わせること。
・中途採用などに備えて、登録制度があれば登録しておくこと。
・上位の都道府県にも問い合わせてみること。
・経験がなければ、少しぐらい条件が悪くても、3年ぐらい経験を積んで「実務経験者」になっておくこと。
※一度、センターで相談員をやってみると、雇い止めで待機状態になったとしても、その間に何を勉強しておかなければならないかというのが理解できるので次に備えた準備ができます。
※相談員の経験がない場合は、相談員マインドや準備のための勉強をしておきましょう。また、4月から正式オープンする私の現職相談員向けサイトで勉強するなど前向きな姿勢をアピールできるようにしておきましょう。
※非正規職員や派遣職員の雇用制度自体が国で議論されていますので、別のルートから相談員の雇い止めにも動きがあるかもしれません。

【参考】
消費生活センターへの就職  (2011年1月17日)http://soudanshiken.com/room2013/20110117/1896.html

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