10.次の文章の[ ]の部分に入れるのに最も適切な語句を、下記の語群の中から選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。

問題10 [ ア ]~[ コ ]

新築の注文住宅に瑕疵があった場合、注文主は施工者に対して[ ア ]に基づき損害賠償請求することができる。この場合、万一施工者が倒産などにより支払い能力がない場合でも、平成19年に消費者保護の目的で法制化された[ イ ]によって、賠償金支払いができるようにした。施工者は、この賠償金支払いのため、契約ごとに一定額を [ ウ ]として積み立てるか、またはこれに代えて [ エ ]に加入しなければならないことになっている。新築の建て売り住宅の売買で、売主が[ オ ]の場合も同様である。但し、同法による保護が受けられるのは、新築住宅に限られ、また対象となる瑕疵部分が[ カ ]または雨水の浸入の防止に関する部分に限られている。
この制度は、[ ア ]に基づく損害賠償のための保証であって、建物の[ キ ]ではないことに注意を要する。つまり、建築工事中に施工業者が倒産した場合には、何ら保証はないということである。この場合の倒産被害に対する法律上の救済制度は今のところ存在せず、注文者側の防衛策としては、任意で第三者と[ キ ]の契約を締結するか、あるいはできるだけ建物の[ ク ]に応じて分割して代金を支払う([ ク ]以上の過払いをしない)という契約にして、自己防衛するほかない。
売主が[ オ ]となっている不動産売買案件の場合は、[ ケ ]第27条に基づく[ コ ]の還付請求を利用することによって、業者倒産でも救済を受けることができる。これは、請求権行使が先着順となり、また1業者1000万円(本店1店舗の場合)が限度という制限があるが、新築か否かを問わず、また[ カ ]と雨水の浸入の防止に関する部分に限られることもない。

【語群】

1.営業保証金 2.瑕疵担保責任 3.完成保証 4.共済金 5.供託金 6.グレード 7.建設業組合 8.建設業法違反
9.建設業者 10.構造耐力上主要な部分 11.建築基準法 12.住宅の品質確保の促進等に関する法律 13.保険
14.宅地建物取引業法 15.不動産登記法 16.宅地建物取引業者 17.耐火構造上主要な部分 18.出来高
19.品質保証 20.特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律

住宅に関わる問題です。住宅は相談現場でも事例が多く、自治体によっては、専門の住宅関連の相談窓口があるところもあります。
また、契約関連のトラブルは金額に関わるものも少なくないので、法律相談や宅建業協会を紹介することもあります。
今回の問題のように建築の完成に関わる法律関係の分野が出題されたり、登記簿謄本の読み方が出題されたりします。

24年度の問題の語群を見てみると、難しい用語が多く含まれています。私も少し引いてしまいました。
しかし、実はこの問題は語群の言葉に比べて非常に易しい問題となっており、点数を稼ぐことのできる問題です。
一字一句しっかり読んでいけば、一般常識的にも8割ぐらいは正答が自然に出てきます。
試験中盤で民法の直後ですので、気持ちがしんどいですが、しっかり集中することが大切です。

住宅に関連する法律等は限られてきます。
◎民法(瑕疵担保部分)
◎住宅の品質確保の促進等に関する法律
◎住宅性能表示制度
◎特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律
宅地建物取引業法(法律の中身までは重要でない)
建築基準法(法律の中身までは重要でない)

いつものように語群を分類してみます。
・1.営業保証金 4.共済金 5.供託金
・3.完成保証 19.品質保証
・13.保険
・6.グレード 18.出来高
・7.建設業組合 9.建設業者 16.宅地建物取引業者
・10.構造耐力上主要な部分 17.耐火構造上主要な部分
・11.建築基準法 12.住宅の品質確保の促進等に関する法律 14.宅地建物取引業法 15.不動産登記法 20.特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律
・2.瑕疵担保責任
・8.建設業法違反

こうして分類してみると、分けにくい語群がある一方で、選択できるものも少なくありません。しかも、どの空欄に選択すればいいのかも分かりやすくなっています。