1.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

① アメリカのケネディ大統領が㋐消費者の4つの権利を宣言した1962年(昭和37年)に、わが国でも、㋑不当景品類及び不当表示防止法や㋒訪問販売等に関する法律(現在は特定商取引に関する法律)という法律が制定され、本格的な消費者行政が始まった。
② 消費者基本法では、国の基本的施策として、㋐消費者契約の適正化、㋑計量の適正化、規格の適正化、㋒広告その他の表示の適正化などが挙げられている。
③ 消費者基本法では、㋐環境の保全、㋑消費者の個人情報の保護、㋒知的財産権の保護についても明示されている。
④ 消費者基本計画は、㋐消費者政策会議が案を作成し、㋑閣議で決定され、その実施状況の検証、評価、監視は、㋒消費者委員会において行われる。

【解説と解答】
消費者行政一般の問題です。重箱のすみをつつくような問題で私は半分も正解できませんでした。どちらかというと暗記物ですが、難しいのではないでしょうか。

①消費者問題と消費者行政の歴史です。テキストでは必ず最初に出てきます。
1962年(昭和37年)ケネディ大統領の「消費者の4つの権利」(Safty、Information、Choice、Representation)
1975年(昭和50年)フォード大統領の5番目の権利(Consumer Education)
1983年(昭和58年)CI(国債消費者機構)の「消費者の8つの権利」(「消費者の5つの責任」)
2004年(平成16年)消費者基本法での基本理念

日本では昭和36年が「消費者行政元年」
1960年「ニセ牛缶事件」をきっかけに1962年に「不当景品類及び不当表示防止法」が制定
訪問販売法はずっと後になって石油ショック後の景気後退局面での詐欺まがいの訪問販売が多発し、1976年(昭和51年)に制定
このあたりの歴史は暗記してもすぐ忘れるので、できごとや事件や法律などを物語のようにして頭に入れるほうがいいのかもしれません。
したがって、①は㋒が不正解です。

②消費者基本法の国の基本的施策です。条文どおりで、覚えてられませんが、第2章の第11条から23条までの13項目あります。

消費者基本法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S43/S43HO078.html

第二章 基本的施策
第十一条(安全の確保)
第十二条(消費者契約の適正化等)
第十三条(計量の適正化
第十四条(規格の適正化
第十五条(広告その他の表示の適正化等)
第十七条(啓発活動及び教育の推進)
第十八条(意見の反映及び透明性の確保)
第十九条(苦情処理及び紛争解決の促進)
第二十条(高度情報通信社会の進展への的確な対応)
第二十一条(国際的な連携の確保)
第二十二条(環境の保全への配慮)
第二十三条(試験、検査等の施設の整備等)

したがって、②はすべて正解です。

③同じく消費者基本法ですが、こんなところが出るかというところに出ています。

消費者基本法

第七条  消費者は、自ら進んで、その消費生活に関して、必要な知識を修得し、及び必要な情報を収集する等自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならない。
2  消費者は、消費生活に関し、環境の保全及び知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない。

個人情報保護法は消費者庁の所管法律ですが、消費者基本法には個人情報に関する条文はありません。したがって、③は㋑が不正解です。

④消費者基本計画の作成については消費者基本法で定められています。

消費者基本法

(消費者基本計画)
第九条  政府は、消費者政策の計画的な推進を図るため、消費者政策の推進に関する基本的な計画(以下「消費者基本計画」という。)を定めなければならない。
2  消費者基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  長期的に講ずべき消費者政策の大綱
二  前号に掲げるもののほか、消費者政策の計画的な推進を図るために必要な事項
3  内閣総理大臣は、消費者基本計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。
4  内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、消費者基本計画を公表しなければならない。
5  前二項の規定は、消費者基本計画の変更について準用する。

第四章 消費者政策会議等
(消費者政策会議)
第二十七条  内閣府に、消費者政策会議(以下「会議」という。)を置く。
2  会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一  消費者基本計画の案を作成すること。
二  前号に掲げるもののほか、消費者政策の推進に関する基本的事項の企画に関して審議するとともに、消費者政策の実施を推進し、並びにその実施の状況を検証し、評価し、及び監視すること。
3  会議は、次に掲げる場合には、消費者委員会の意見を聴かなければならない
一  消費者基本計画の案を作成しようとするとき。
二  前項第二号の検証、評価及び監視について、それらの結果の取りまとめを行おうとするとき。

重要事項である消費者基本計画は内閣府に置く消費者政策会議で作成されます。
消費者委員会は直接評価等をするのではなくて、意見を聞かれる立場にあります。
したがって、④は㋒が不正解となります。明らかに不正解と分かれば残りは正解ということで、さっさとスルーしましょう。
消費者庁のHPでも重要な位置付けにあります。
ホーム > 消費者政策課
消費者の利益の擁護及び増進に関する基本的な政策
http://www.caa.go.jp/adjustments/index.html

解答一覧

①→×㋒、②→○、③→×㋑、④→×㋒

簡単そうで難しいですね。