①ハンドルネーム
ただいま独学苦戦中。
②テーマ
平成16年6月2日に施行された消費者基本法は、消費者政策の基本理念を「消費者の権利の尊重及びその自立の支援」にあるとしています。この基本理念が定められた意義とその具体化のために必要な消費者政策のあり方と課題とについて、下記の指定語句をすべて使用して論じなさい。なお、文章中の指定語句の箇所には、わかるように必ず下線を引きなさい。
指定語句:消費者保護基本法、 消費者の権利、 事業者の責務、消費者の役割、 消費者庁(H23年度問題より引用)
③完成度
基本的には何も見ずに記載しましたが、出だし部分はいい言葉が思い浮かばずハンドブック消費者や消費者庁のパンフレットを引用しました。
④どのような点をチェックしてほしいのか
論文というより、指定語句とその意味を並べた結果、ただ記事をならべただけのような感じになってしまいました。
⑤その他何か希望があれば
辛めの評価をお願いします。
⑥論文

1968年消費者保護基本法が制定された。このころは高度経済成長期であり、大量生産、大量消費の時代であったため、欠陥商品や商品への表示不正といった問題が多数発生しており、そのような状況から消費者を保護する政策を中心に策定された。1980年代に入ると社会の急激なグローバル化に伴い、我々消費者が海外の製品を容易に手にする事ができるようになった。1990年代後半にはインターネットやIT革命といった高度情報化社会の時代になり消費者の商品やサービスを受ける利便性は大幅に向上した。その反面で商品やサービスの品質、機能、安全性、取引条件等は多様化し消費者も商品やサービスに対する知識が求められるようになった。
このような社会情勢の変化から、従来の消費者を保護する政策だけでは十分な対応が難しくなったため消費者の権利の確保と自立支援を目的とした消費者基本法が2004年に施行された。
この消費者基本法では消費者の権利として以下の事を挙げている。1消費者の安全・安心の確保。2適切な商品選択の機会の提供。3消費者の苦情や問題解決。4事故情報等の情報提供。5消費者教育の機会の提供。6消費者の意見の収集。1と2については消費者安全法や消費者契約法、特定商取引法等、さまざまな法律や規制によって安全、安心の確保と適切な商品選択の機会を提供している。
3から6については全ての都道府県に消費者生活センターを設置し、苦情や問題解決のためのあっせんや、相談を行っており、国民生活センターでは情報収集と分析、結果を事故情報データバンクとして広く情報提供をおこなっている。
また、事業者の責務として、1商品やサービスの選択の際に必要な情報を消費者にわかりやすく提供する。2消費者の安全の確保と取引の公平性を確保する。3消費者の年齢や性別、商品知識力や財産情報等を加味した提案を行う。を責務とし消費者の利益を保護することを責務としている。
一方で、消費者を保護するだけでなく、消費者の役割として、積極的にさまざまな情報を取得し知識を深め、研修や講習会等に参加し学習により自己を高めることを役割としている。
しかし、消費者基本法が施行された結果、すべての問題が解決するわけではない。施行後も、中国冷凍ギョウザ事件や事故米不正流出事件等、様々な問題が発生している。今までは政府が生産者中心の政策であったり、縦割り行政であったため消費者被害が発生してからどこに相談したらいいかわからなかったり、たらいまわしされたりした。また苦情や相談が一箇所に集約されず、情報共有化されないままであったため、問題解決に必要以上に時間がかかったりしている。このような状況を打破するために消費者庁が設立された。消費者庁はこのような問題を解決するととともに、多様化する社会の情勢に迅速に対応し、必要な情報を消費者に提供しつつ更なる消費者の自立を支援する必要がある。

添削内容
・辛口採点すると不合格。「消費者政策のあり方と課題」という論じるべきことがメインとして論じられていない。
・文章を書き換えて添削したいのですが、自分の考え方ではなく言葉の羅列に近いので添削は難しいです。必要なら書き直して再チャレンジしてください。
・おっしゃるとおり、単に言葉を並べただけです。この問題は自分の考え方をある程度盛り込むことが重要だと思います。教科書にとらわれない自分なりの考え方が大切です。それが、問われている「具体化するためのあり方と課題」につながってきます。

①第1段落と第2段落が長い。序論的な部分なのでもっと簡潔にしてください。引用したとの事ですが、本番で書けそうな引用の仕方をしなければ評価が難しいです。つまり、消費者保護基本法が制定された年はまず覚えていないでしょうし、あえて書く必要はないです。1980年、1990年という時系列的な流れも、そこまでは不要ですし、序論ではもっと簡潔にしてください。これで400字ぐらい使っているので200-300字ぐらいになるように削ったらいいと思います。おそらく、本番ではここまで言葉が浮かばないのでそれぐらいの字数になると思いますので、本番を想定して書き直してみてください。
②一番のポイントは、消費者が「保護される立場」から「権利を尊重され、国が自立を支援する」立場に変わったこと。つまり「権利を与えるから自立してよ」ということにあります。これに類似した表現は必須です。これが消費者保護基本法から消費者基本法へ段落を変えるつなぎのポイントになり、基本理念が定められた最も大切な意義となります。とはいえ、消費者と事業者には格差があるので、その格差を縮めるためにさまざま消費者契約法や特商法が整備されてきた。そして、事業者にも情報提供・説明責任・苦情対応が事業者の責務として規定されたという部分も次の段落とあわせて引用すればいいと思います。
③そして、この基本理念の意義を具体的に説明するために、法律に書かれている消費者の権利や事業者の責務を説明することになりますが、単に言葉を並べて説明するだけでは安易過ぎますし、無駄に字数を使うだけです。~などという言葉をつかって簡潔に表現した方がいいと思います。つまり、具体的な法律の言葉にはこだわらず、「消費者の権利、 事業者の責務、消費者の役割」の3つの概念的なものをお互いに絡め合わせて書く方が分かりやすいと思います。この説明が本論の前段もしくは序論の補足的な形で入れ込んだらいいと思います。3-5段落目がこれに相当しますが、ちょっと丸写し的で自分の言葉や表現になっていないです。あえて、番号を振って説明するほどメインで問われているのではないと思います。ボリュームも多いのではないかと思います。
④メインの「具体化のために必要な消費者政策のあり方と課題」ですが、大事な消費者政策についてはっきりとは書かれておりません。たとえば、消費者教育に絞って、あり方と現状と課題を書いてみるのも一つだと思いますし、消費者の安全を守る施策としての製品安全の取り組みについて書いてみるのもいいと思います。この部分が、個人個人によって違った視点になってきます。どんなテーマを選ぶのも自由だと思います。そして、そこに指定語句の消費者庁をからめたらどうでしょうか。すなわち今回の論文では最後の段落に食品の事故により消費者の安全が脅かされていることをテーマにしているので、そこを食品の安全確保に対する政策として「現状とあり方と課題」を論じればいいと思います。原因として縦割り行政だった、消費者庁が設置された等。課題として、それでもなお、食品の安全が脅かされる事件が発生している。例えば放射能問題などを課題としてあげてはどうでしょうか。消費者は商品を選択する権利がある、放射能の正しい知識を知る義務がある、行政は放射能の正しい知識を教育する必要がある、事業者は検査結果を公表し安全が担保されていることを情報提供する、など「消費者の権利、 事業者の責務、消費者の役割」にリンクすればいろいろ思いつきます。
⑤「今までは政府が生産者中心の政策であったり、縦割り行政であったため消費者被害が発生してからどこに相談したらいいかわからなかったり、たらいまわしされたりした。」→唐突に消費者の相談窓口のことが出てきましたが、論点がつながっていません。また、最後には消費者庁の役割の重要性が強調されているが、課題として消費者庁の役割を論じるのであれば、直前に書いている相談窓口とつなげてはどうでしょうか。たとえば、消費者庁ができて、多くの消費生活センターも設置されたが消費者被害にあった場合に相談窓口が十分に知られていないこともあり被害の回復ができないこともある、など。とにかく、消費者行政に感じることを素直に書けばいいと思います。



第1回目の論文添削ですが、このような形でアドバイスさせていただきました。どちらかというと、この後に修正してきた2回目の論文の方が添削しやすいと感じました。

この記事にはコメントを記入することができます。コメントを記入するには記事のタイトルをクリックして単独で記事を表示してください。
なお、コメントの内容によっては修正・削除させていただきます。