①ハンドルネーム
ただいま独学苦戦中。
②テーマ
平成16年6月2日に施行された消費者基本法は、消費者政策の基本理念を「消費者の権利の尊重及びその自立の支援」にあるとしています。この基本理念が定められた意義とその具体化のために必要な消費者政策のあり方と課題とについて、下記の指定語句をすべて使用して論じなさい。なお、文章中の指定語句の箇所には、わかるように必ず下線を引きなさい。
指定語句:消費者保護基本法、 消費者の権利、 事業者の責務、消費者の役割、 消費者庁(H23年度問題より引用)
③完成度
基本的には何も見ずに記載しましたが、出だし部分はいい言葉が思い浮かばずハンドブック消費者や消費者庁のパンフレットを引用しました。
④どのような点をチェックしてほしいのか
論文というより、指定語句とその意味を並べた結果、ただ記事をならべただけのような感じになってしまいました。
⑤その他何か希望があれば
辛めの評価をお願いします。
⑥論文
添削内容
・辛口採点すると不合格。「消費者政策のあり方と課題」という論じるべきことがメインとして論じられていない。
・文章を書き換えて添削したいのですが、自分の考え方ではなく言葉の羅列に近いので添削は難しいです。必要なら書き直して再チャレンジしてください。
・おっしゃるとおり、単に言葉を並べただけです。この問題は自分の考え方をある程度盛り込むことが重要だと思います。教科書にとらわれない自分なりの考え方が大切です。それが、問われている「具体化するためのあり方と課題」につながってきます。
①第1段落と第2段落が長い。序論的な部分なのでもっと簡潔にしてください。引用したとの事ですが、本番で書けそうな引用の仕方をしなければ評価が難しいです。つまり、消費者保護基本法が制定された年はまず覚えていないでしょうし、あえて書く必要はないです。1980年、1990年という時系列的な流れも、そこまでは不要ですし、序論ではもっと簡潔にしてください。これで400字ぐらい使っているので200-300字ぐらいになるように削ったらいいと思います。おそらく、本番ではここまで言葉が浮かばないのでそれぐらいの字数になると思いますので、本番を想定して書き直してみてください。
②一番のポイントは、消費者が「保護される立場」から「権利を尊重され、国が自立を支援する」立場に変わったこと。つまり「権利を与えるから自立してよ」ということにあります。これに類似した表現は必須です。これが消費者保護基本法から消費者基本法へ段落を変えるつなぎのポイントになり、基本理念が定められた最も大切な意義となります。とはいえ、消費者と事業者には格差があるので、その格差を縮めるためにさまざま消費者契約法や特商法が整備されてきた。そして、事業者にも情報提供・説明責任・苦情対応が事業者の責務として規定されたという部分も次の段落とあわせて引用すればいいと思います。
③そして、この基本理念の意義を具体的に説明するために、法律に書かれている消費者の権利や事業者の責務を説明することになりますが、単に言葉を並べて説明するだけでは安易過ぎますし、無駄に字数を使うだけです。~などという言葉をつかって簡潔に表現した方がいいと思います。つまり、具体的な法律の言葉にはこだわらず、「消費者の権利、 事業者の責務、消費者の役割」の3つの概念的なものをお互いに絡め合わせて書く方が分かりやすいと思います。この説明が本論の前段もしくは序論の補足的な形で入れ込んだらいいと思います。3-5段落目がこれに相当しますが、ちょっと丸写し的で自分の言葉や表現になっていないです。あえて、番号を振って説明するほどメインで問われているのではないと思います。ボリュームも多いのではないかと思います。
④メインの「具体化のために必要な消費者政策のあり方と課題」ですが、大事な消費者政策についてはっきりとは書かれておりません。たとえば、消費者教育に絞って、あり方と現状と課題を書いてみるのも一つだと思いますし、消費者の安全を守る施策としての製品安全の取り組みについて書いてみるのもいいと思います。この部分が、個人個人によって違った視点になってきます。どんなテーマを選ぶのも自由だと思います。そして、そこに指定語句の消費者庁をからめたらどうでしょうか。すなわち今回の論文では最後の段落に食品の事故により消費者の安全が脅かされていることをテーマにしているので、そこを食品の安全確保に対する政策として「現状とあり方と課題」を論じればいいと思います。原因として縦割り行政だった、消費者庁が設置された等。課題として、それでもなお、食品の安全が脅かされる事件が発生している。例えば放射能問題などを課題としてあげてはどうでしょうか。消費者は商品を選択する権利がある、放射能の正しい知識を知る義務がある、行政は放射能の正しい知識を教育する必要がある、事業者は検査結果を公表し安全が担保されていることを情報提供する、など「消費者の権利、 事業者の責務、消費者の役割」にリンクすればいろいろ思いつきます。
⑤「今までは政府が生産者中心の政策であったり、縦割り行政であったため消費者被害が発生してからどこに相談したらいいかわからなかったり、たらいまわしされたりした。」→唐突に消費者の相談窓口のことが出てきましたが、論点がつながっていません。また、最後には消費者庁の役割の重要性が強調されているが、課題として消費者庁の役割を論じるのであれば、直前に書いている相談窓口とつなげてはどうでしょうか。たとえば、消費者庁ができて、多くの消費生活センターも設置されたが消費者被害にあった場合に相談窓口が十分に知られていないこともあり被害の回復ができないこともある、など。とにかく、消費者行政に感じることを素直に書けばいいと思います。
第1回目の論文添削ですが、このような形でアドバイスさせていただきました。どちらかというと、この後に修正してきた2回目の論文の方が添削しやすいと感じました。