19.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

① 独占禁止法や景品表示法の規制対象者である「事業者」は、市場で商品・サービスを提供する者を意味し、一般の製造販売業者だけでなく、㋐医療サービスを提供する病院や㋑司法サービスを提供する弁護士事務所も事業者に該当する。
②「不当な取引制限」は代表的な独占禁止法違反行為であり、㋐いわゆる入札談合もこれに該当し得る。独占禁止法は米国で「反トラスト法」と呼ばれているとおり、㋑「不当な取引制限」は一般に「トラスト」と称されている
③ 独占禁止法上問題となる「私的独占」とは、㋐1つの事業者が市場のすべてを独占する場合に限られる。また、㋑「不当な取引制限」とは複数の事業者が市場における競争を制限することである。「不公正な取引方法」には㋒事業者団体が市場での公正な競争を阻害する場合も含まれる
④ ㋐景品表示法は独占禁止法の特例法として制定され、不当表示等を「公正な競争を阻害」する点に着目して規制していた。景品表示法の2009年改正後は、㋑「一般消費者による選択の阻害」自体に着目して規制することとなった。

【解説と解答】

特に深く考えずに、事業を行うものは事業者に該当するということでいいと思います。
したがって、①はすべて正解です。

不当景品類及び不当表示防止法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S37/S37HO134.html

(目的)
第一条  この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律で「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者をいい、当該事業を行う者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、次項及び第十一条の規定の適用については、これを当該事業者とみなす
2  この法律で「事業者団体」とは、事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする二以上の事業者の結合体又はその連合体をいい、次に掲げる形態のものを含む。ただし、二以上の事業者の結合体又はその連合体であつて、資本又は構成事業者(事業者団体の構成員である事業者をいう。第二十条において同じ。)の出資を有し、営利を目的として商業、工業、金融業その他の事業を営むことを主たる目的とし、かつ、現にその事業を営んでいるものを含まないものとする。


ご存知のとおり、素直に「トラスト」ではなく「カルテル」ですね。
ということで、②は㋑が不正解です。
(ウィキペディアより)トラスト(英語: trust)とは企業合同とも訳され、同一業種の複数の企業が株式の買収や持合い、受託をおこなったり、また、持ち株会社を設立し同種企業を傘下に持つなどにより事実上企業として一体化させる、企業経営の形態のひとつ。
→ある一定規模のトラストは市場独占することになり独占禁止法上の独占になる。アメリカでは独占を禁止するためのいくつかの法律が反トラスト法と呼ばれた。
トラストは独占の意味を持つようになった。

公正取引委員会HP
ホーム > 独占禁止法ホーム > 独占禁止法の規制内容
http://www.jftc.go.jp/dk/kisei.html#Futou

2. 不当な取引制限について

 不当な取引制限は,独占禁止法第3条で禁止されている行為です。不当な取引制限に該当する行為には,「カルテル」と「入札談合」があります。「カルテル」は,事業者又は業界団体の構成事業者が相互に連絡を取り合い,本来,各事業者が自主的に決めるべき商品の価格や販売・生産数量などを共同で取り決める行為です。「入札談合」は,国や地方公共団体などの公共工事や物品の公共調達に関する入札に際し,事前に,受注事業者や受注金額などを決めてしまう行為です。


私的独占は1事業者だけでなく複数の事業者も含みます。また、独占禁止法で事業者団体の行為規制もされています。
なお、景表法第2条の事業者の定義でも、事業者団体は事業者とみなすとなっています。
したがって、③は㋐が不正解です。

1. 私的独占について

 私的独占は,独占禁止法第3条前段で禁止されている行為です。私的独占には,「排除型私的独占」と「支配型私的独占」とがあります。前者は,事業者が単独又は他の事業者と共同して,不当な低価格販売などの手段を用いて,競争相手を市場から排除したり,新規参入者を妨害して市場を独占しようとする行為です。後者は,事業者が単独又は他の事業者と共同して,株式取得などにより,他の事業者の事業活動に制約を与えて,市場を支配しようとする行為です。

3. 事業者団体の規制について

独占禁止法が規制している行為の対象者は,市場において事業活動を行っている事業者だけでなく,2以上の事業者で構成される社団や財団,組合等の事業者団体も対象となります。事業者団体とは,「事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする2以上の事業者の結合体又はその連合体」をいうとされています。独占禁止法第8条では,事業者団体の活動として,事業者団体による競争の実質的な制限,事業者の数の制限,会員事業者・組合員等の機能又は活動の不当な制限,事業者に不公正な取引方法をさせる行為等を禁止しています。

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO054.html

第三章 事業者団体
第八条  事業者団体は、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。
一  一定の取引分野における競争を実質的に制限すること。
二  第六条に規定する国際的協定又は国際的契約をすること。
三  一定の事業分野における現在又は将来の事業者の数を制限すること。
四  構成事業者(事業者団体の構成員である事業者をいう。以下同じ。)の機能又は活動を不当に制限すること。
五  事業者に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにすること


2009年に景表法は大きく改正されました。その概要はパンフレット等でも説明されています。
ということで、④はすべて正解です。

消費者庁HP
ホーム > 表示対策課
http://www.caa.go.jp/representation/index.html

不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
改正景品表示法の概要[PDF:81 KB]

改正景品表示法の概要・・・http://www.caa.go.jp/representation/pdf/090927premiums_3.pdf

景品表示法の目的

不当景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護

改正前は、不当表示等を「公正な競争を阻害」に着目して規制独禁法の特例法

一般消費者による選択の阻害自体に着目して規制
・改正後も規制の対象範囲は実質上変わらない。

解答一覧

①→○、②→×㋑、③→×㋐、④→○