18.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

⑥ 消費者安全法における「消費者事故等」は、㋐事業者がその事業として供給する商品等や役務の消費者による使用等に伴って生じた事故であって、消費者の生命または身体について、政令で定める要件、すなわち、㋑死亡、治療に要する期間が1日以上であるもの、一酸化炭素中毒等の被害が発生したもの(その事故に係る商品等または役務が消費安全性を欠くことにより生じたものでないことが明らかであるものを除く。)と、㋒消費安全性を欠く商品等または役務の消費者による使用等が行われた事態であって、上記の事故が発生するおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものをいう。
⑦ 消費者安全法における「重大事故等」は、㋐消費者事故等における事故のうち、その被害が重大であるものとして政令で定める要件、すなわち、㋑死亡、治療に要する期間が30日以上の負傷または疾病、内閣府令で定める後遺障害の発生、一酸化炭素中毒等の発生に該当するもの、または、㋒消費者事故等における事態のうち、上記事故を発生させるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものをいう。
⑧ ㋐行政機関の長、都道府県知事、市町村長、国民生活センターの長は、重大事故等が発生した旨の情報を得たときは、㋑直ちに内閣総理大臣に通知しなければならず、㋒消費者事故等(重大事故等を除く。)が発生した旨の情報を得た場合であって、当該消費者事故等による被害が拡大し、または当該消費者事故等と同種もしくは類似の消費者事故等が発生するおそれがあると認めるときも、内閣総理大臣に対し通知するものとされている。
⑨ 内閣総理大臣は、㋐商品等または役務が消費安全性を欠くことにより重大事故等が発生した場合(重大消費者被害の発生または拡大の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合を除く。)において、㋑重大消費者被害の発生または拡大の防止を図るため必要があると認めるときは、当該商品等または役務を供給し、提供し、または利用に供する事業者に対し、㋒当該商品等または役務につき、必要な点検、修理、改造、安全な使用方法の表示、役務の提供の方法の改善その他の必要な措置をとるべきことを直ちに命じることができる

【解説と解答】
⑥~⑨は消費者安全法の「事故」に関する問題です。すべて条文から出題されています。

⑥は「消費者事故等」の定義に関する問題です。
条文のとおりですので、⑥はすべて正解です。

⑦は「重大事故等」の定義に関する問題です。
条文のとおりですので、⑦はすべて正解です。

⑧重大事故の通知に関する問題です。
重大事故が発生したときと重大事故の発生の情報を得たときに内閣総理大臣に直ちに通知するものです。
重大事故は30日以上の治療期間を要することとありますが、その確定を待たずに、とにかく、重大事故になりそうなものは通知します。
その後、30日に達しない事故であることが分かった場合は、取り消したらいいことになります。
様子を見て30日を確認してから通知した場合、消費者庁から怒られることになりますので、とにかく直ちに通知だけはしておくことが重要です(現場の話です)。
したがって、⑧ははすべて正解です。

⑨は重大事故の拡大発生措置に関する問題です。
○が続いたので怪しく感じながら、結局は引っ掛け問題です。
条文にもあるとおり、いきなり命令が下るわけではなく、まず、勧告する。勧告したにもかかわらず必要な措置をとらなければ命令する、という通常の行政指導と同じような方法ですね。
したがって、⑨は㋒が不正解です。

消費者安全法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H21/H21HO050.html

(定義)
第二条  この法律において「消費者」とは、個人(商業、工業、金融業その他の事業を行う場合におけるものを除く。)をいう。
2  この法律において「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者(個人にあっては、当該事業を行う場合におけるものに限る。)をいう。
3  この法律において「消費者安全の確保」とは、消費者の消費生活における被害を防止し、その安全を確保することをいう。
4  この法律において「消費安全性」とは、商品等(事業者がその事業として供給する商品若しくは製品又は事業者がその事業のために提供し、利用に供し、若しくは事業者がその事業として若しくはその事業のために提供する役務に使用する物品、施設若しくは工作物をいう。以下同じ。)又は役務(事業者がその事業として又はその事業のために提供するものに限る。以下同じ。)の特性、それらの通常予見される使用(飲食を含む。)又は利用(以下「使用等」という。)の形態その他の商品等又は役務に係る事情を考慮して、それらの消費者による使用等が行われる時においてそれらの通常有すべき安全性をいう。
5  この法律において「消費者事故等」とは、次に掲げる事故又は事態をいう。
一  事業者がその事業として供給する商品若しくは製品、事業者がその事業のために提供し若しくは利用に供する物品、施設若しくは工作物又は事業者がその事業として若しくはその事業のために提供する役務の消費者による使用等に伴い生じた事故であって、消費者の生命又は身体について政令で定める程度の被害が発生したもの(その事故に係る商品等又は役務が消費安全性を欠くことにより生じたものでないことが明らかであるものを除く。
二  消費安全性を欠く商品等又は役務の消費者による使用等が行われた事態であって、前号に掲げる事故が発生するおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するもの
三  前二号に掲げるもののほか、虚偽の又は誇大な広告その他の消費者の利益を不当に害し、又は消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある行為であって政令で定めるものが事業者により行われた事態
6  この法律において「重大事故等」とは、次に掲げる事故又は事態をいう。
一  前項第一号に掲げる事故のうち、その被害が重大であるものとして政令で定める要件に該当するもの
二  前項第二号に掲げる事態のうち、前号に掲げる事故を発生させるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するもの

(消費者事故等の発生に関する情報の通知)
第十二条  行政機関の長、都道府県知事、市町村長及び国民生活センターの長は、重大事故等が発生した旨の情報を得たときは、直ちに、内閣総理大臣に対し、内閣府令 で定めるところにより、その旨及び当該重大事故等の概要その他内閣府令で定める事項を通知しなければならない
2  行政機関の長、都道府県知事、市町村長及び国民生活センターの長は、消費者事故等(重大事故等を除く。)が発生した旨の情報を得た場合であって、当該消 費者事故等の態様、当該消費者事故等に係る商品等又は役務の特性その他当該消費者事故等に関する状況に照らし、当該消費者事故等による被害が拡大し、又は 当該消費者事故等と同種若しくは類似の消費者事故等が発生するおそれがあると認めるときは、内閣総理大臣に対し、内閣府令で定めるところにより、当該消費 者事故等が発生した旨及び当該消費者事故等の概要その他内閣府令で定める事項を通知するものとする。
3、4省略

(事業者に対する勧告及び命令)
第十七条  内閣総理大臣は、商品等又は役務が消費安全性を欠くことにより重大事故等が発生した場合(当該重大事故等による被害の拡大又は当該重大事故等とその原因 を同じくする重大事故等の発生(以下「重大消費者被害の発生又は拡大」という。)の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合を除 く。)において重大消費者被害の発生又は拡大の防止を図るため必要があると認めるときは、当該商品等(当該商品等が消費安全性を欠く原因となった部品、 製造方法その他の事項を共通にする商品等を含む。以下この項において同じ。)又は役務を供給し、提供し、又は利用に供する事業者に対し、当該商品等又は役 務につき、必要な点検、修理、改造、安全な使用方法の表示、役務の提供の方法の改善その他の必要な措置をとるべき旨を勧告することができる
2  内閣総理大臣は、前項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、重大消費者被害の発生又は 拡大の防止を図るため特に必要があると認めるときは、当該事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる
3  内閣総理大臣は、重大消費者被害の発生又は拡大の防止を図るために他の法律の規定に基づく措置が実施し得るに至ったことその他の事由により前項の命令の必要がなくなったと認めるときは、同項の規定による命令を変更し、又は取り消すものとする。
4  内閣総理大臣は、第二項の規定による命令をしようとするとき又は前項の規定による命令の変更若しくは取消しをしようとするときは、あらかじめ、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
5  内閣総理大臣は、第二項の規定による命令をしたとき又は第三項の規定による命令の変更若しくは取消しをしたときは、その旨を公表しなければならない。

消費者安全法施行令・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H21/H21SE220.html

(消費者の生命又は身体について被害が発生した事故が消費者事故等に該当することとなる被害の程度)
第一条  消費者安全法 (以下「法」という。)第二条第五項第一号 の政令で定める被害の程度は、次の各号のいずれかに該当する被害の程度とする。
一  死亡
二  負傷又は疾病であって、これらの治療に要する期間が一日以上であるもの(当該治療のため通常医療施設における治療の必要がないと認められる軽度のものを除く。)
三  一酸化炭素その他の内閣府令で定める物質による中毒

(消費安全性を欠く商品等又は役務の使用等が行われた事態が消費者事故等に該当することとなる要件)
第二条  法第二条第五項第二号 の政令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする。
一  当該商品等又は当該役務が、法律(これに基づく命令を含む。以下同じ。)の規定に基づき事業者が商品等又は役務をこれに適合するものとしなければならな いこととされている消費者の生命又は身体の安全の確保のための商品等又は役務に関する基準に適合していなかったこと。
二  前号に掲げるもののほか、当該商品等又は当該役務の使用等において、物品(飲食の用に供するものを除く。)、施設又は工作物に、破損、故障、汚染若しくは変質その他の劣化又は過熱、異常音その他の異常が生じていたこと。
三  第一号に掲げるもののほか、当該商品等又は当該役務の使用等において、物品(飲食の用に供するものに限る。以下この号において同じ。)が腐敗し、変敗 し、不潔となり若しくは病原体により汚染されており、又は物品に有毒な若しくは有害な物質が含まれ若しくは付着し、異物が混入され若しくは添加され、若し くは異臭、その容器若しくは包装の破損その他の異常が生じていたこと。
四  前三号に掲げるもののほか、当該商品等又は当該役務の使用等において、消費者に窒息その他その生命又は身体に対する著しい危険が生じたこと。

(消費者の生命又は身体について被害が発生した事故が重大事故等に該当することとなる要件)
第四条  法第二条第六項第一号 の政令で定める要件は、消費者の生命又は身体について次の各号のいずれかに該当する程度の被害が発生したこととする。
一  死亡
二  負傷又は疾病であって、これらの治療に要する期間が三十日以上であるもの又はこれらが治ったとき(その症状が固定したときを含む。)において内閣府令で定める程度の身体の障害が存するもの
三  一酸化炭素その他の内閣府令で定める物質による中毒

解答一覧

⑥→○、⑦→○、⑧→○、⑨→×㋒

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