19.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

⑤ 景品表示法は、不当表示と過大な景品提供を禁止している。景品表示法上の㋐「表示」には事業者向けの表示も含まれるが、㋑不当表示として規制できるのは一般消費者向けに行われたものである。一方、㋒過大な景品提供については、事業者向けのものも規制できる
⑥ 景品表示法上の不当表示である優良誤認(同法第4条第1項1号違反)としては、例えば、㋐中古自動車の走行距離を過少に表示する事例、㋑観光土産品などに見られるいわゆるアゲゾコに関する事例、㋒製品の省エネ効果を過大に表示する事例などがある。

【解説と解答】

景品表示法は大きく分けて、「不当な表示の禁止」と「過大な景品類の提供の禁止」の2つの規制から構成されています。
この問題は難問かもしれません。
特商法などでは消費者の定義がしっかりされていたりしましたが、景表法ははっきりされておらず悩み、解説本(景品表示法 第2版 商事法務)を図書館で借りました。
(参考)アマゾン・・・景品表示法

消費者庁HP
ホーム > 表示対策課 > 景品表示法 > 景品規制の概要
景品類の定義
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/keihin/keihingaiyo.html
不当景品類及び不当表示防止法第2条の規定により景品類及び表示を指定する件(告示)
景品類等の指定の告示の運用基準

景品類等の指定の告示の運用基準・・・http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_20.pdf

3 「自己の供給する商品又は役務の取引」について
(1)「自己の供給する商品又は役務の取引」には,自己が製造し,又は販売する商品についての,最終需要者に至るまでのすべての流通段階における取引が含まれる。

解説本(157-158ページ)によると、商品を小売業者が一般消費者に販売する際の取引は、当該小売業者はもちろんのこと、当該商品のメーカーにとっても、「自己の供給する商品又は役務の取引」に該当する。

「不当な表示の禁止」は第4条で、条文中に「一般消費者に対し」と書かれています。
「過大な景品類の提供の禁止」は第3条で「一般消費者による」と書かれています。

ということで、⑤はすべて正解です。
これでいいのかわかりませんが、もっと分かりやすい解説や根拠がありましたら教えてください。

また、下記のような解説もありました。
消費者庁HP
ホーム > 表示対策課 > よくある質問コーナー(景品表示法関係)
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/qa/keihinqa.html#Q6

Q6
当社は産業用の機械のメーカーです。取引先はすべて事業者であり,消費者向けの販売は行っておりません。
当社製品を購入してくれた取引先に対し,抽選か,もれなくかのいずれかの方法で物品を提供したいと考えていますが,この場合,提供する物品は景品表示法上の「景品類」に該当するのでしょうか。
A.
取引に付随してくじなどの方法により物品を提供する場合は,提供の相手方が事業者であっても一般消費者であっても,景品表示法上の懸賞として,景品規制の対象となります(→Q3参照)。
一方,懸賞によらず提供する場合は,一般消費者向けに提供するものは総付景品に該当し,景品規制の対象となります(→Q5参照)が,事業者向けのものは原則として景品規制は適用されません
ただし,医療用医薬品業,医療機器業及び衛生検査所業については,例外的に,医療機関等の事業者向けに提供する物品・サービスについて,景品規制の対象となります(詳細はQ54を参照してください。)。
不当景品類及び不当表示防止法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S37/S37HO134.html

(景品類の制限及び禁止)
第三条  内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。

(不当な表示の禁止)
第四条  事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一  商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
二  商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
三  前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの
2  内閣総理大臣は、事業者がした表示が前項第一号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、第六条の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。


優良誤認の問題です。優良誤認は「内容」に関する表示を規制するものです。
消費者庁HP
ホーム > 表示対策課 > 景品表示法 > 表示規制の概要 > 優良誤認とは
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/yuryo.html

優良誤認とは

景品表示法第4条第1項第1号は,事業者が,自己の供給する商品・サービスの取引において,その品質,規格その他の内容について,一般消費者に対し,
(1) 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
(2) 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの
であって,不当に顧客を誘引し,一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(優良誤認表示の禁止)。
具体的には,商品・サービスの品質を,実際よりも優れていると偽って宣伝したり,競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに,あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為が優良誤認表示に該当します。
なお,故意に偽って表示する場合だけでなく,誤って表示してしまった場合であっても,優良誤認表示に該当する場合は,景品表示法により規制されることになりますので注意が必要です。

優良誤認表示の具体例

中古自動車の場合・・・販売する中古自動車の走行距離を3万kmと表示したが,実は10万km以上走行した中古自動車のメーターを巻き戻したものだった。
食肉の場合・・・国産有名ブランド牛の肉であるかのように表示して販売していたが,実はブランド牛ではない国産牛肉だった。
医療保険の場合・・・「入院1日目から入院給付金をお支払い」と表示したが,入院後に診断が確定した場合,その日からの給付金しか支払われないシステムだった。
アクセサリーの場合・・・天然ダイヤを使用したネックレスのように表示したが,使われているのはすべて人造ダイヤだった。

この問題を答えるツボがあります。表示に関する問題であるのに表示ではないことが事例に出ています。アとウは「表示する事例」と書かれているのに、イは「アゲゾコに関する事例」となっており、表示ではなく現象に関して書かれています。これは過大包装のことであり、表示には関係ないと考えれば、即答できます。
ということで、⑥は㋑が不正解です。

解答一覧

⑤→○、⑥→×㋑