①ハンドルネーム  ルルちゃん
②消費者契約法に導入された消費者取消権は、民法で保護されないものを救済する制度として、大きな意味を持っている。消費者取消権が認められるのはどのような事例か、指定語句を使用して具体例を示し、民法との関係において特別規定としての意味を説明しなさい。
不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知、不退去・退去妨害、重要事項
③事例集と消費者契約法の解説書を参考に作成しました。
④文章の展開や説明が適切であるか、よくわからない。きれいな文章には程遠いです。
⑤論文が苦手。受験できる文章にまで持っていきたい。
⑥論文

消費者が事業者と契約を締結した場合に、次のような事例において、事業者の勧誘行為に問題がある場合、消費者契約法では消費者の取消権が認められる。
事例1として、数年後、この土地のすぐ近くに駅が新設される。未だ新聞にも出ていない情報である。今ならこの土地もこの価格で購入できる。と言って事業者は土地の購入を決める上での重要事項について不実告知をし、さらにこの土地は値上がりすると言って、断定的判断の提供をした場合である。そして、この土地の隣にビルの建設が予定されていることを事業者は知っているのに、故意にこのことを説明していない場合である。これは、不利益事実の不告知にあたる。このように重要事項の不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知は民法の詐欺に該当するが、これを証明することは難しく、証明できないといっても過言ではない。
次の事例2では、家に突然、販売員が訪問して上がりこみ、健康食品を買うように勧められた。断わったが、それでも販売員は、勧めたので、「帰ってください。」と何度も言った。しかし、2時間以上も居座られて怖くなり、早く帰ってほしいばかりに、25万円の健康食品をクレジットで契約してしまった.このような場合に消費者は帰ってくださいと意思表示したが、販売員が帰らないため、困惑したものであり、威迫、困惑は民法の強迫の延長線上のものであり、強迫として主張できる、しかし、民法の強迫は明らかに脅している場合以外は証明がなかなか難しい。この場合、消費者契約法では、不退去にあたる。
また、事例3として、消費者契約法の退去妨害に該当するものでは、路上を歩いていた女性が、男性に声をかけられ着物の展示会があるので見て欲しいと言われ、断わったが、しつこく勧められ、見るだけでいいからというので、見るだけにしようと展示場に同行した。展示場では、見るだけでいいといっていたのに、しつこく着物を買うように勧めてくる。お金がないので買えないというとクレジットなら買えると言って、帰してくれない。女性は着物を買わないと帰してくれないと思い、困惑し、怖くなって契約した場合も、民法の強迫を適用しても証明することはやはり難しいので、強迫による取り消しは出来ない。
事例をあげて説明してきた、民法の詐欺、強迫を証明することは難しく、証明できない場合でも、消費者契約法の不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不退去、退去妨害は、事実があることを証明すれば契約の取消権が認められるという特別規定としての意味を持っているので、消費者利益の擁護を図った特別法として評価出来る。
(1010字)

添削内容(今回は苦労しました。2時間半かかりました)
・言いたいことは分かるが論文らしくない。ボーダーラインやや下というところ。論理展開にやや難があるので厳しいかも。
・「民法との関係において特別規定としての意味を説明」という最大の論点の説明が弱い。
・序論で読み手を引き込ませるような書き出しになっていない。
・事例の説明が長いが、逆に上手く書けば読み物的で読み手を引き込ませる可能性がある。
・事例内容に間違いの可能性があり減点になるかもしれない。それだけはやってはいけません。

・指定語句がただ出てきたというような感じで、生きた指定語句になっていないような気がする
・読み手が読みにくい文章になっている。その原因として、主語がなく、動詞の使い方があいまい。
・3つの事例があげられているが、統一感がない。1つの事例が長いので、短くまとめるか、2つに減らせばどうか。
・事例に数字を打つ場合は、前提として3つの事例の前振りがほしい
・会話的な事例であるが、しつこいような印象を受ける。
・事例を「です。ます。」調にするのか「である。」調にするのか統一されていない。
・断定の言葉が多いが、不確実性の表現にした方がいい
・一つの文章の中の接続詞の使い方がいまいち
・全体的に硬い書き方の印象を受ける
・同じ言葉の繰り返しがある

・序論が文章1つであり、しかも、「場合」という言葉が重なっている。また、最初から「次のような事例があり」と書くのは急ぎすぎで、書くなら、序論の最後の方に書いた方がよい。
・事例1の内容に間違いととられる可能性のある表現がある
駅が新設されるのがウソなのか、駅が新設されるのは事実だが新聞に出ていないことがウソなのか、わからない。
おそらく前者であろうが、その場合は「駅が新設されるという計画がないのに」という不実の前提が欠落している。
同様に不利益事実の不告知で、何が不利益になっているかが不明。もし、隣に集客効果のあるビルが建った場合は一気に土地の値段が上がる可能性もあり不利益とはいえないこともある。たとえば、隣にビルが建つと日陰になるのに「日当たりがよく、眺望もいいですよ」と告げられていた場合は不利益となるが、具体的な不利益内容がない。
この2つは指定用語に関連するので指定用語の説明に不備があれば重大なミスとなる可能性がある。
そういうことを考えると、せっかく書いた事例自体に問題があって減点になれば悲しいので、以前にも書いたが、事例はあまり細かくせずざっくりと書いた方が私はいいと思います。
・事例の中の述語として。「場合である」とあるが主語がない。おそらく、序論から考えると、「消費者契約法で消費者の取消権が認められるのは」~「場合である」とつながると思うが、主語の部分が大事。「場合である」のつながりも悪い。
・事例1と2の最後に「民法の詐欺に該当する、」「強迫として主張できる、」と断定調で書いておきながら、次に難しいと書いているのは矛盾。「詐欺に該当するのは難しい、強迫として主張するのは難しい」、ということなので、「民法の詐欺に該当する可能性があるが、」「強迫として主張できる可能性があるが、」とすべき。事例3でも「も証明することはやはり難しいので、強迫による取り消しは出来ない。」も同様。
この表現方法はぜひ覚えてほしい。現場の相談でも助言によく使う表現。
・事例1の最後の「これを証明することは難しく、証明できないといっても過言ではない。」は同じ否定の言葉を2回続けているのでどちらか1回だけにする。単純に「これを証明することは難しい。」でいいと思う。
・事例2の終わりの方の、「販売員が帰らないため、困惑したものであり、威迫、困惑は民法の強迫の延長線上のものであり、」と「であり」という言葉が1つの文章の中に重なっている。
・事例3は主語と述語と「です。ます。」調がおかしいのでよく整理してください。
・最後に相談員としての意見を追加してみました。

消費者が事業者と契約を締結するにあたって、事実でないことを説明されたり、家から帰ってもらえず契約した場合に、後から取消を主張するために、民法では詐欺や強迫を証明しなければならない。しかし、消費者契約法では、事業者の勧誘行為に問題がある場合に消費者の取消権が認められる。
例えば、駅が新設されるという計画がないのに、「数年後、この土地のすぐ近くに駅が新設される。未だ新聞にも出ていない情報である。今ならこの土地もこの価格で購入できる。」と言って事業者が土地の購入を決める上での重要事項について消費者に不実告知をした場合や、「この土地は値上がりする」と言って、断定的判断の提供をした場合には消費者契約法で取消が可能である。さらに、この土地の隣にビルの建設が予定されていることを事業者は知っているのに、「日当たりや眺望も抜群です。」と、故意にこのことを説明していない場合にも消費者契約法の「不利益事実の不告知」で取消が可能である。民法の詐欺を証明することに比べれば消費者の負担は軽くなる。

(事例2)(事例3)は省略→必要なら書き直しをコメントいただけたら添削します

このように、民法の詐欺や強迫に該当する可能性があっても、それを証明することは難しく、消費者の負担となるが、消費者契約法を適用すれば、「不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知、不退去・退去妨害」に限り、その事実を証明することで契約の取消権が認められる。消費者が証明する要件が軽くなったという点で民法の特別規定としての意味を持っており、消費者利益の擁護を図った特別法として評価出来る。
消費生活相談員として、消費者の被害の回復のために消費者契約法を活用して、事業者の詐欺や脅迫的行為に事実関係を掘り起こし、事業者に対抗できるように努めたい。

・事例の書き方はPIO-NETに入力する相談内容のようなものです。PIO-NETではおかしい書き方が多いので、誰が見ても分かるような書き方を日常から練習してください。
(補足)論文問題の回答は、実字数ベースではなく、改行分も含めた1行単位で、計算してください。
解答用紙は記憶があいまいですが、左右開きの原稿用紙になっていたので20字×30行+20字×30行(20行で1000字+10行で1200字)だったと思います。
今回の論文は20字ベースにすると1200字の60行から4行オーバーします。


【9月16日(日)追加】(事例2)(事例3)は省略→必要なら書き直しをコメントいただけたら添削しますに対する追加添削の希望がありましたので添削しました

次に、不退去、退去妨害の例として、自宅に健康食品の訪問販売があり、断わっても帰らないので、「帰ってください。」と言ったのに事業者は帰らず、健康食品を購入してしまった。このような場合、消費者契約法では不退去として取消しができる。
また、この事例を事業者の営業所で勧誘された場合とすると、消費者は断わっているのに、勧誘を続けられ、「忙しいので帰ります。」と言っても、事業者は帰してくれないので、契約してしまったときも、消費者契約法では退去妨害による取消しが可能である。
このように、不退去、退去妨害は消費者が困惑してしまう場合が多く、威迫、困惑は民法の強迫として主張できる可能性はあるが、これを証明することは難しい。
(336字)

添削内容
・非常にシンプルで分かりやすい事例の説明になりました。
・前回私が添削した文章の中盤の省略部分を補完する回答として添削します。
・冒頭の「不退去、退去妨害の例として、」は事例にも各ワードが書いているので省略してもいいと思います。前段の誤認と書き方をあわせたほうが読みやすいです。
・「事業者は帰らず、健康食品を購入してしまった→事業者は帰らず、早く帰ってほしいがために健康食品を購入してしまった」「事業者は帰してくれないので、契約してしまったとすれば→事業者は帰してくれないので、早く帰りたいため契約してしまった」と、現実によくある事例を想定して、ぜひ一言ほしいところです。
・前回の省略後の次のまとめの段落に、「このように」としてまとめているので、「このように、不退去、退去妨害は」で重複するので書き方に工夫が必要です。私は接続詞をなくしてみました。
・具体的には、追加分が「不退去、退去妨害、まとめ」と3段落構成ですが、改行せず、1段落にすれば前後と上手くつながるのではないかと思います。
・まとめの文章が少し分かりにくいです。

次に、自宅に健康食品の訪問販売があり、断わっても帰らないので、「帰ってください。」と言ったのに事業者は帰らず、早く帰ってほしいがために健康食品を購入してしまったような場合は、消費者契約法では不退去として取消しができる。また、この事例を事業者の営業所で勧誘された場合とすると、消費者は断わっているのに、勧誘を続けられ、「忙しいので帰ります。」と言っても、事業者は帰してくれないので、早く帰りたいがために契約してしまったときも、消費者契約法では退去妨害による取消しが可能である。不退去と退去妨害の両者とも、民法を適用するには困難な心理的な状態に追い込まれたという理由でも、消費者契約法の困惑として取り消すことが可能である。
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なお、コメントの内容によっては修正・削除させていただきます。

論文添削4” に対して2件のコメントがあります。

  1. 管理人 より:

    質問の意味は、書き終わった後の見直しをしているときに、追加や削除や訂正など書き直ししたかった場合はどうすればよいか?と解釈して回答します。

    論文の回答用紙は原稿用紙のようにマス目が書いていたと思います。
    したがって、マス目の基本ルールをはずすとダメだと思います。
    採点ルールは知りませんが、マス目意外に文章を書いて矢印で挿入するというのはまずいでしょう。

    私も訂正したいときがありますが、段落の末までの字数が少ないときは消すときもありますし、消せないときは2行ぐらいを書き直して字数をそろえるという技を使うときもあります。
    論文が得意な人は前後を上手に書き直して字数調整する能力がありますが、普通の人は難しいと思います。

    無理な場合は諦めてください。どうでもいいミスは大局には影響しないと思います。しっかりと内容のある論文を書いてください。

    また、論文は思ったより時間的な余裕があります8途中退出者続出)。
    ある程度、下書きで考えをまとめてから清書していくといいのではないでしょうか。

  2. ルルちゃん より:

    論文問題で文章を付け足するところがある場合は、全て書き直さなければいけないでしょうか。カギをつけて付け加えることはできないでしょうか。読み直すと、そういうことがあると思いますが。ご教示をお願いいたします。

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