15.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

⑤ 訪問販売の方法により商品を購入し、代金はカード等を発行せずに、金銭消費貸借形式の申込書を利用して2カ月を超える分割後払いとした。支払条件の協議や消費貸借契約の申込書の作成を販売業者が窓口となって商品の販売契約と一体的に進める場合は、㋐割賦販売法上の抗弁の対抗規定の適用を受ける取引であり、与信業者は、㋑貸金業法上の登録とは別に割賦販売法上の登録をする必要があり、㋒販売方法につき同法により調査義務を負う
⑥ 包括信用購入あっせん(包括クレジット)契約を利用して支払日が2カ月を超える後払いで商品を購入したところ、販売業者に債務不履行があったので抗弁の対抗を主張したい。この場合、㋐購入者が営業のためにもしくは営業として契約を締結したものであるときは認められず、㋑インターネットにより、自分からアクセスして商品を購入したときも認められず、㋒取引対象が不動産の場合も認められない

【解説と解答】

「訪問販売の方法により商品を購入し、代金はカード等を発行せずに、金銭消費貸借形式の申込書を利用して2カ月を超える分割後払いとした」という契約方式が「個別方式のローン提携販売」ということになりますが、平成20年度改正でカードを交付しない「個別方式のローン提携販売」は「ローン提携販売」から削除され、「個別信用購入あせん」で規制強化することになりました。したがって、この契約方式は、「個別信用購入あっせん」となります。
ただし、通常の「個別信用購入あっせん」はクレジット会社が代金を販売業者に支払い、購入者はクレジット会社に分割払いします。
それに対して、「金銭消費貸借形式」は、購入者が貸金業者から代金を借りて購入者が販売業者に全額支払い、購入者は貸金業者に分割返済します。
この場合、購入者が借りたお金が本当に目的物を買う代金にあてられるのかという問題も含め割販法に該当するのか議論は分かれていますが、「個別信用購入あっせん」に該当すると考えられています。この「金銭消費貸借形式」は問題も多くありもっと複雑なもので議論が続いています。

該当するとなると割販法に規制を受けるので、抗弁も主張できますし、割販業者としての登録も必要ですし、調査義務も負います。
したがって、⑤はすべて正解です。

割賦販売法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO159.html

(定義)
第二条
2  この法律において「ローン提携販売」とは、次に掲げるものをいう。
一  カード等を利用者に交付し又は付与し、

(個別支払可能見込額の調査)
第三十五条の三の三

(個別信用購入あつせん業者の登録)
第三十五条の三の二十三  個別信用購入あつせんは、経済産業省に備える個別信用購入あつせん業者登録簿に登録を受けた法人(以下「登録個別信用購入あつせん業者」という。)でなければ、業として営んではならない。ただし、第三十五条の三の六十第二項第四号の団体については、この限りでない。

(個別信用購入あつせん業者に対する抗弁)
第三十五条の三の十九

(業務の運営に関する措置)
第三十五条の三の二十  個別信用購入あつせん業者は、購入者又は役務の提供を受ける者の利益の保護を図るため、経済産業省令・内閣府令で定めるところにより、その個別信用購入あつせんの業務に関して取得した購入者又は役務の提供を受ける者に関する情報の適正な取扱い、その個別信用購入あつせんの業務を第三者に委託する場合における当該業務の適確な遂行、その購入者又は役務の提供を受ける者の知識、経験、財産の状況及び個別信用購入あつせん関係受領契約を締結する目的に照らして適切な業務の実施並びにその購入者又は役務の提供を受ける者からの苦情の適切かつ迅速な処理のために必要な措置を講じなければならない。


適用除外の設問です。
条文にもあるとおり、営業の場合、不動産取引の場合、適用除外となります。
設問にある「自分でネットにアクセスして購入」は通常の購入形態ですので割販法の適用を受けます。
したがって、⑥は㋑が不正解です。
特商法にも適用除外はありましたが、同じようなイメージで考えると知らなくても答が出そうですね。
この問題をきっかけに適用除外について知っておいてください。

割賦販売法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO159.html

第三十五条の三の六十  この章の規定は、次の包括信用購入あつせん及び包括信用購入あつせんに係る販売又は提供の方法による販売又は提供については、適用しない。
一  商品若しくは指定権利を販売する契約又は役務を提供する契約(連鎖販売個人契約及び業務提供誘引販売個人契約に係るものを除く。)であつて、当該契約の申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る包括信用購入あつせん及び包括信用購入あつせんに係る販売又は提供の方法による販売又は提供
六  不動産を販売する契約に係る包括信用購入あつせん及び包括信用購入あつせんに係る販売又は提供の方法による販売又は提供
2  この章の規定は、次の個別信用購入あつせん及び個別信用購入あつせんに係る販売又は提供の方法による販売又は提供については、適用しない。

解答一覧

⑤→○、⑥→×㋑