3.次の文章の[ ]の部分に入れるのに最も適切な語句を、下記の語群の中から選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。
【解説と解答】
最初の「銀行が経営破たんした場合、預金保険制度により、利息の付く普通預金や定期預金は1000万円までの [ キ ] が保護される。」は、ペイオフ制度のことで、 [ キ ] は「16.元本とその利息」が正解となるのは即答です。
そして後半部分は知識が問われます。
リーマンショックで日経平均株価が暴落したときに問題となった「ノックイン債」をご存知ですか?
日経平均価格が契約時に定められた価格を下回らなければ定期預金などよりも高い利息を得ることができるというものです。しかし、下回った場合は(これをノックインという)、元本割れするなど損失が大きくなるという商品です。ただし、契約時の日経平均株価よりもかなり低い金額に設定されているので、まさかここまで下がるとは思わなかったというのが関係者一同が思ったことでしょう。日経平均が13000円以上のときのノックイン価格が9000円~10000円というのが多かったので余裕ですよね。リーマンショックは不測の事態でしたね。また、外国証券はこのノックイン債をノックインさせるために日経平均先物を大量に売って仕掛けたともいわれています。さすが外資の証券会社は手段を選ばず日本から資産をねこぞぎもっていくひどいやつらだなあと思います。当時の解説で、ノックイン債の仕組みは「オプションのプットの売りのプレミアムを先に受け取るからくりで、ノックイン価格を下回らない限りそれが利益になる」と知っていました。しかし、オプション、さらにはプット、そして売り、というオプションの基本ではありますが、一般の人にはわからない仕組みですよね。
ということで、こういう複雑な仕組みを組み合わせている商品なので「仕組預金」とか「仕組債」といわれています。したがって、 [ ク ] は「12.仕組預金」が正解となります。まあ他に候補として上がる「2.特定預金」や「9.銀行債」と比較しても「12.仕組預金」がもっともらしい答えでしょうね。
さらに、その後で仕組預金を解説していますが、ノックイン債の説明のとおり、 [ ケ ] は「10.オプション」が正解で、デリバディブ(金融派生商品)という金融技術を使っています。デリバディブとくれば金融派生商品、とくれば「オプション」と自動的に答が出てくるのではないかと思います。
そして、オプションは売りから入ることで先に確定した利益(プレミアム)をもらうことができますので、 [ コ ] は「17.売り」が正解となります。
ちなみに、「売り」の怖いところは、「買い」では損する価格だったら売らずに権利放棄し買った金額だけの損失限定ですが。「売り」の場合は必ず買い戻さなければならないので買いの値段が上がれば損失無限大という地獄が待っています。ちなみに日経平均が下がっているのにんぜ?と思いますが、プットは売る権利なので反対の動きとなります。売る権利を、売りから入ったことになります。買う権利はコールといいます。買いから入れば利益は無限に期待できるのに、売りから入れば利益が先に確定されるので実際の相場が有利に動いても利益が増えることはありません。なんだか損な仕組みですね。興味がある方は証券会社のホームページなどに日経平均先物のオプション取引の解説がのってますので参考にしてください。
最後のオプションの売りは知っていなければ分からないので当てものですね。
キは正解で、コは?としても後の2つは予想が付くので2-3問は正解したいですね。
ということで、問題3は10問中6点は取れるとして、いかに上積みするかというレベルですので難問だと思います。しかし、私のように仕組みを知っていたら、さらさらっと高得点のラッキー問題になります。