経済用語の解説問題で、①~⑤の5問となっています。5問の大問は2つのみ。
×の場合は4個前後から×を選択しなければならないという何度が高くなったという21年度からの始まった変更点です。

4.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

①東京の生計費が1ヶ月25万円、それと同等の生活をするためのニューヨークでの生計費が2,000ドルであたっとすれば、生計費で見た購買力平価は㋐1ドル=125円である。このとき、現実の為替レートが1ドル=100円であったとすれば、東京とニューヨークの生計費の内外価格差(東京からみた場合)は、㋑1.25倍となる。その後、東京ではデフレ、ニューヨークではインフレが進んだとすれば、為替レートが変わらない場合、内外価格差は㋒拡大する

【解説と解答】
購買力平価を検索してみると難しい解説が多いですが、比較的分かりやすい説明がありました。
ある国である価格で買える商品が他国ならいくらで買えるかを示す交換レート。
実際のもので例えたほうが分かりやすいと思います。
ニュースでも世界各国の物価の比較が良くされています。、
日本で100円のハンバーガーがアメリカで同じ100円の価値だとしたら、実際はいくらで買えるのか?
1ドル90円の為替レートだとすると、1ドル11セントですね。
1ドル100円の為替レートだとすると、1ドルですね。
1ドル110円の為替レートだとすると、90セントですね。
日本とアメリカが同等の生活水準であれば、為替レートは1ドル100円のはずです。
しかし、実際に1ドル90円の為替レートだとするとアメリカのハンバーガーは日本よりも割高になってしまいます。
つまり、日本のほうが強い(生活水準が高い)ということですね。まさしく円高恩恵です。

この問題は逆算のような出題の仕方をしています。
つまり、日本でいくらだったらアメリカでいくらになるか、ではなくて、日本とアメリカが同じ水準だったら、為替レートはいくらになるのか、という問題ですね。
「東京の生計費が1ヶ月25万円」で「ニューヨークでの生計費が2,000ドル」で同等の生活ができるので、レートは1になるはずです。
25万円:2000ドル=?:1ドル
?=1ドル×25万円÷2000ドル=125円
125円と1ドルがつりあうことになります。
ということで、1ドル=125円が交換レート(購買力平価)が1(同等)になる水準です。
したがって、1ドル=125円は正解です。

現実の為替レートが1ドル100円だったらどうなるのかが次の問題です。
東京から見たニューヨークの価格(内外価格差)は、
25万円:?ドル=100円:1ドル
?=1ドル×25万円÷100円=2500ドル
25万円と2500ドルがつりあうことになります。
つまり、2000ドルの費用ですむものが2500ドル必要になってしまい、今までよりも1.25倍の費用を追加で負担しなければならなくなります。
したがって、1.25倍は正解です。
といっても、125円から100円になるということは、円高になるので、現地はドル安となりドルは弱くなっているので、同等水準にするためには多くのドルが必要になると考えてもいいですね。

東京でデフレ、ニューヨークでインフレですので、
東京では物価が安くなる・・・25万円の生計費が10万円と安くなる
ニューヨークでは物価が高くなる・・・2000ドルの生計費が5000ドルと高くなる
為替レートが1ドル100円のままなので、東京から見たニューヨークの価格(内外価格差)は、
10万円:?ドル=100円:1ドル
?=1ドル×10万円÷100円=1000ドル/円
つまり、2000ドルの費用ですむものが1000ドルと少なくなってしまい、今までよりも半分(0.5倍)の費用の負担となります。
東京から見たニューヨークの価格(内外価格差)は、1.25倍から0.5倍になり、価格差は縮小します。
したがって、拡大するは不正解で、正しくは「縮小する」となります。
まあ、ニューヨークがインフレで値段が上がるので価格差も小さくなると分かれば正解は出るでしょう。

正確に論じればこうなると思いますが、3分で5問を解答する必要がありますので、この問題は30秒で正解を見つける必要があります。
この問題は長いので読むだけで時間が経過してしまいます。
読みながらの即答が必要で、直観力が試されます。㋐㋑は間違いなく正解なので、ちょっと悩みそうな㋒は悩まずに誤りだと決めるほうがいいです。
経済問題の計算は意外に深みにはまりますので気をつけてください。

解答一覧

①→×㋒