- 消費生活専門相談員資格試験の勉強部屋2018 - https://soudanshiken.com/room2018 -

(29年度質問回答)【論文対策】法律問題の出題パターンと指定語句の考え方(29年度試験分について追記)

質問

法律問題の書き方がどうもうまく理解できません。質問自体もうまく説明できないのですが、〇〇法について論ぜよとあればその法律に関わることを詳しく書けばよく、具体的な事例の被害救済であれば、例えば、スマホの問題なら、電気事業法、特商法、消費者契約法、民法というように解決のために使える法律、指定語句に関わる法律をまずは中心にして具体的に列挙すればよいのでしょうか。また、事例を挙げて―という場合の時にはやはりひとつでは少なすぎるのでしょうか。

回答

法律問題の論文の書き方(出題パターン・指定語句の考え方)

行政問題と法律問題の違い

(29年度質問回答)【重要ポイント】論文試験は明確に「行政問題」と「法律問題」と決められているか?

https://soudanshiken.com/room2018/1786

法律問題の3つの出題パターン+29年度1つの新パターン

法律問題では、おおまかに3つの出題パターンに分けられます。

  1. 純粋な法律問題(法律制定・改正)
  2. 具体的な相談事例が書かれていて解決に導く法律問題
  3. 具体的な相談事例が書かれていないが自分で例示して解決に導く法律問題(指定語句に書くべき事例があげられていることが多い)
  4. (29年度新パターン)具体的な相談事例が書かれていないが自分で例示して解決に導く行政問題(指定語句に書くべき事例があげられていない)

1.純粋な法律問題

平成27年度「消費者団体訴訟制度」
消費者契約法では消費者団体訴訟制度が定められているが、消費者被害の特質からこの制度が設けられた理由、この制度で適格消費者団体は事業者に対しどのような請求を行うことができるのか、差止えの対象が近年拡大されていることに触れつつ下記の指定語句をすべて使用して論じなさい。なお、文章中の指定語句の箇所には、わかるように必ず下線を引きなさい。
指定語句:少額多数被害、泣き寝入り、特定商取引法、景品表示法、勧誘行為

平成25年度
特定商取引法の改正により訪問購入に対する法規制が導入されました。規制の趣旨や内容において訪問販売に対する規制と共通する点と異なる点について、下記の指定語句をすべて使用して論じなさい。なお、文章中の指定語句の箇所には、わかるように必ず下線を引きなさい。
指定語句:飛び込み勧誘の禁止、 指定商品、 クーリング・オフ、引渡しの拒絶、 転売先の告知

2.具体的な相談事例が書かれていて解決に導く法律問題

平成26年度
「近年、高齢者を対象とした、いわゆる健康食品の送りつけ商法に関する相談が急増している。この商法の実態とその法的解決への道筋について、下記の指定語句をすべて使用して論じなさい。」
(指定語句:特定商取引法、 意思表示の合致、ネガティブ・オプション、代金引換配達、 電話勧誘販売)

平成24年度
「クレジット決済を利用してインターネットの有料サイトやショッピングの取引を行ったところ消費者トラブルが発生したという事案においてトラブルを解決するための問題点と課題について、下記の指定語句をすべて使用して論じなさい。」
(指定語句:国際提携カード、 マンスリークリア方式、 決済代行業者、加盟店調査、 抗弁の対抗)

3.具体的な相談事例が書かれていないが自分で例示して解決に導く法律問題

平成28年度
「高齢者の消費者被害が増大しているが、その被害の事例と特徴を具体的に挙げ、それに対して消費生活センターはどう対応すべきか、その課題と対策について論じなさい。」
(指定語句:判断能力、訪問販売、次々販売、過量販売解除、高齢者見守りネットワーク)

(29年度新パターン)具体的な相談事例が書かれていないが自分で例示して解決に導く行政問題

平成29年度
若年者の消費者トラブル・被害の現状・特徴とその防止・救済策について論じなさい。
(指定語句:知識・経験の不足、契約、成年年齢の引下げ、取消権、消費者教育)

法律問題の指定語句の3つのパターン

29年度試験問題で、はじめて「指定語句」の使い方の説明が提示されました

以前から指定語句の使い方で私自身も迷っていたことで、場合によっては単に語句として使ってもいいかなという思いもありました。過去の添削でもそのような添削の仕方をしたかもしれません。今回、明確に提示されたことからも、少なくとも指定語句の意味は前後に簡単な解説でもいいので書くようにしてください。なお、重要な論点となる場合はしっかり書いてください。

ただし、指定語句を「~とは~である」という説明風な書き方ではなく、流れのある論文の中で自然に使用する必要があります。それが読みやすいきれいな論文かどうかであり、添削でも重視しているところです。

具体的な事例問題というのは、PIO-NETにきちんと入力できているかが試されているのでは?