20.次の文章のうち、下線部が、すべて正しい場合には○を、誤っているものがある場合には×を、解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。また、誤っているものがある場合には、誤っている箇所(1カ所)の記号も記入(マーク)しなさい。

① 金融商品取引法において、未公開株や社債を販売勧誘するには㋐金融商品取引業者としての登録が必要とされており、無登録で販売勧誘を行うと、㋑刑事罰の適用対象となる。また、㋒自社の株式・社債の販売勧誘を行う場合にもあらかじめ登録が必要とされている。

② 集団投資スキーム持分を販売勧誘する行為は、金融商品取引法上、㋐第二種金融商品取引業に該当するため、登録が必要である。しかし、㋑適格機関投資家等特例業務とされる私募については届出で足りる

③ 金融商品取引法は、㋐金融商品取引業者を監督するための業法であり、無登録業者が未公開株の販売を行っても、㋑金融商品取引法に基づいて売買契約を無効とすることはできない。㋒2011年の改正では無登録業者による広告・勧誘行為の罰則が新設され、規制が強化された

④ 金融商品販売法における金融商品の対象範囲は、㋐金融商品取引法よりも広い。㋑商品デリバティブ取引は、金融商品販売法の適用対象ではない。㋒商品先物取引法では金融商品販売法の規定の一部が準用されている

⑤ 金融商品取引法では、適格機関投資家等特例業務の場合、㋐金融商品取引業者に課される販売勧誘規制が大幅に緩和されている。この場合、㋑書面交付義務は課されない。㋒虚偽告知禁止、損失補てん等の禁止、適合性の原則については適用がある

⑥ 金融商品取引業者の勧誘が断定的判断の提供に当たる場合、㋐金融商品取引法に基づいて行政処分の対象となりうる。断定的判断の提供は、㋑金融商品販売法でも同様に禁止規定があり、消費者は同法に基づき当該契約を取り消すことができる。そのほか、㋒不法行為に基づく損害賠償請求の対象ともなりうる

⑦ 金融商品販売法では、㋐金融商品販売業者に重要事項の説明義務を課している。同法の重要事項は、㋑市場リスク、信用リスク、その他政令で定める事由に係るリスク、権利行使期限や解約期間の制限が対象とされており、いずれも㋒一般的大多数の顧客が理解できる程度に説明をしなければならないと規定されている。

⑧ 保険業法で定められているクーリング・オフ制度は、㋐新規に契約をした場合のほかに、更新をした場合にも適用される。しかし、㋑保険期間が1年以下の場合や、㋒郵便やインターネットなどにより申込みをした場合は、クーリング・オフができないと規定されている。

⑨ 保険法において、保険会社は㋐顧客が故意又は過失により告知義務に違反した場合、保険契約を解除することができるが、契約締結時に㋑保険会社が告知義務違反の事実を知り、又は過失によって知らなかった場合や、㋒保険媒介者が顧客に告知事項の不告知や不実の告知を教唆したときは、保険会社は解除できず保険金も支払わなければならない。

⑩ 保険金の支払事由や免責事由は、㋐保険会社が契約ごとに保険約款で定めている。そのほか、保険法では、保険金請求権につき、㋑損害保険契約では2年間、㋒生命保険契約では3年間、権利を行使しないときは時効により消滅するとされている。

解説 問題20

金融商品取引法、金融商品販売法、保険法の正誤問題です。難易度が高いです。穴埋め問題であれば、そうでもないですが、正誤問題は難しく、半分を目標というところです。特に試験終了時間がせまってますので、時間がなくて読めなかったにならないように心がけてください。

ほとんど穴埋め問題ですが、27年度は正誤問題となり難易度が高くなりました。ここに時間を使ってももったいないので、穴埋めならば埋めれるように過去問等を勉強しておいてください。また、法改正もよく出題されます。

これらの問題は言葉の定義やルールが覚えにくく、さまざまな商品や対象者がいるので覚えれません。

過去問解説を読めば、大体のポイントは分かると思います。

相談現場では金融商品の相談も多いので、金融商品そのものの大問題と法律の問題とが出題されるので、思ったよりも、点数に影響します。大失敗しない程度でいいと思いますので、常識的な感覚を磨いて、なんとか正解を導き出せる程度の感覚を持つようにしてください。

また、頻繁に出題される分野(考え方)があるので、そこをしっかりおさえておくと、プロ向け商品の問題のように、明らかに×とわかるワードが出てくるので、非常に楽になります。解説の中で説明します。

さらに、被害にあった場合に、金融商品販売法と民法をからめて解決していくという判例や実務があるので、そこも出題されやすいですね。

  • 平成27年度 問題20 正誤10
  • 平成26年度 問題22 穴埋10
  • 平成25年度 問題21 穴埋10
  • 平成24年度 問題21 穴埋10
    (沖縄問題 問題21 正誤10)
  • 平成23年度 問題21 穴埋10

この分野の法体系の概要

金融商品販売法・・・消費者を対象とする金融商品の販売に関する法律

金融商品取引法・・・金融商品を販売する事業者を規制する法律(業法)

商品先物取引法・・・平成21年から23年にかけて大きく改正。商品取引所法から名称変更。対象はもちろん「先物商品」で、プロアマ規制など特徴的な改正が行われた。改正されて時間がたっているので、出題されるかどうかは?ですが、実はトラブルが多く、不招請勧誘の禁止が27年6月改正で導入されており、出題の可能性が高いです。→26年度過去問解説 問題21を参照

民法・・・不法行為、適合性の原則 → 裁判では金融商品販売法とダブルで適用されることが多いですね。