9.次の文章のうち、下線部が、すべて正しい場合には○を、誤っているものがある場合には×を、解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。また、誤っているものがある場合には、誤っている箇所(1カ所)の記号も記入(マーク)しなさい。
⑨ 民法典には、一定期間の経過によって権利を得る取得時効と権利を失う消滅時効とが定められている。いずれの時効も、時効によって利益を得る㋐当事者が援用しなければ、その効果が生じない。仮に、債権者から時効期間が経過した金銭債務の返還請求が裁判所に提起されたとしても、㋑債務者が時効の利益を受ける旨の意思表示をしない限り、裁判所は消滅時効を理由に判決をすることはできない。また、㋒時効の利益を、時効成立前に放棄することはできない。
⑩ 地方自治体の消費生活条例で禁止されている行為によって事業者が消費者との間で売買契約を締結した場合には、その契約は、㋐取締規定に違反する契約であり、㋑信義誠実の原則に反して当然に無効となる。無効な契約に基づいて㋒消費者が支払った代金は、不当利得としてその返還を請求することができる。
⑪ 錯誤による意思表示は、㋐法律行為の要素に錯誤があった場合には無効である。もっとも、判例によれば、契約を締結する理由である㋑動機に錯誤があった場合は、表意者が当該意思表示の内容としてこれを相手方に表示した場合でない限り法律行為の要素とならないものと解されている。なお、いずれの場合でも、㋒表意者に重大な過失があった場合には、表意者から無効の主張をすることができない。
⑫ 詐欺または強迫によって締結した契約は、それによって㋐契約締結の意思表示をさせられた者が取り消すことができる。㋑取り消した契約は、契約を締結した時まで遡って無効であったとみなされる。ただし、㋒詐欺または強迫が契約当事者以外の第三者によってなされた場合には、その事実を契約の相手方が知っていた場合にのみ取消しが可能である。
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