昨年と同様、2次試験についてコメントしたいと思います。
昨年↓のように書きましたが今年も全く同じですね。
さて、この下には、昨年と同じように、一次試験の点数報告から合格ラインを予測する欄にします。
それまでは、昨年の合格ラインをコピーしておきます。
「センターの位置づけが法で明確化されなければならない根拠は?」
→昨年度の記事を参照
2次試験のコメント (2011年12月1日)https://soudanshiken.com/room2012/20111201/370.html
「クーリング・オフすると電話で連絡し業者はそのとき了解したと言ったのにクーリング・オフ期間が過ぎたあと書面がなかったのでクーリング・オフできないっていわれたのだがどうして?」
→電話で合意していたら書面がなくてもクーリングオフは成立しています。ただし、言った言わないの論争になると証拠がない場合に不利になるので法律では「書面で」と書かれていますが、逐条解説では口頭合意でも成立します。
今回の質問をそのまま考えると、業者はクーリングオフを電話で合意していたが、書面がないので無効だということですが、クーリングオフ期間内に電話(口頭)で合意があったことを業者が認めているので、「口頭で合意していたら書面は必ずしも必要ということではない」と説明したら、どこにいっても勝てます。
ところが、「電話で合意した覚えはない、証拠を出せ」といわれたら苦しいと思います。センターが入ってもあっせんできないこともあります。
ただし、よほどの悪質業者でない限り、電話で合意していたのを撤回することはないと思います。それでも、センターでは消費者に「間違いなく成立していますが、念のためにクーリングオフの通知をpはがきを出しておいた方がいいです」と助言します。
なお、クーリングオフの通知を受け取り拒否にする業者や受け取っていないと主張する業者もいますので、少なくとも簡易書留で通知しておいた方がいいです(内容証明は手続が煩雑で費用がかかるので、よほどのことがない限り、簡易書留の300円追加でOK)。
(訪問販売における契約の申込みの撤回等)
第九条 販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において商品若しくは指定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客から商品若しくは指定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において商品若しくは指定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結した場合を除く。)若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客と商品若しくは指定権利若しくは役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条から第九条の三までにおいて「申込者等」という。)は、書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。ただし、申込者等が第五条の書面を受領した日(その日前に第四条の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過した場合(申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第六条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が主務省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した場合)においては、この限りでない。
2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
第2章 訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売
第2節 訪問販売
第9条の解説より抜粋
(2) 「書面により」
これは、クーリング・オフが購入者等からの一方的な申込みの撤回又は契約の解除についての意思表示であるので、「口頭」ではなく、「書面」によってその意思を表示することにより、当事者間の権利関係を明確にするとともに、後日紛争が生ずることのないようにする趣旨である。(仮に書面でなく、口頭でクーリング・オフを認めると証拠が残らないため、業者が「聞いていない」と抗弁すると紛争となるおそれがある。そのため、証拠を残すという意味で内容証明郵便で行うことが望ましい。)また、書面でなく口頭で申込者が解除を申し出て事業者が異議を唱えずこれを受領した場合には、クーリング・オフと同趣旨の合意解除が成立したものとみなされる場合が多いと考えられる。
もっと細かいところを言えば、「申込みの撤回等は書面で行わなければならない」というのではなく、「書面により申込みの撤回等を行うことができる」となっています。つまり、クーリングオフの要件の一つを特別法に定めているだけで、両者が合意すれば書面によらなくても成立するという一般民法の原則(逐条解説に書かれている「クーリング・オフと同趣旨の合意解除」)も適用できると解釈できるのではないでしょうか。