さて、もう少しまともな解答例はというか、この問題の基本的な模範解答になりそうなものについてはどこででも確認することができます。
当然、消費者行政を勉強してきている受験生なら一番最初に出てきた「消費者行政の歴史」そのものであることが分かると思いますし、そのものずばりの文章も見たことがあると思います。覚えがあることだけに、正確に模範解答を書いた上で自分の考えを肉付けしていくと論文が仕上がると思います。

模範解答の参考例
1.ハンドブック消費者2010(https://soudanshiken.com/room2012/20110105/25.html)の6ページ~[消費者基本法]
2.消費生活アドバイザー受験合格対策の「消費者基本法」
この2つで十分だと思います。
ただし、注意すべきことは、キーワードの「消費者庁」はこの消費者基本法よりもあとに創設されたものですので、うまく文章をつなげてください。

ハンドブック消費者2010・・・http://www.caa.go.jp/planning/pdf/2010handbook.pdf

[2]消費者基本法
1.消費者保護基本法から消費者基本法へ
従来の消費者政策は、事業者を業法等に基づき規制するという手法を中心に展開されてきました。そこでは、一般的には消費者は行政に「保護される者」として受動的に捉えられてきました。また、消費者保護基本法においては、国及び地方公共団体は「消費者の保護に関する施策」を実施することとされ、消費者の「保護」を通じて消費者の利益の擁護及び増進を確保することが基本とされていました。
しかし、消費者保護基本法が1968年に制定されて以降、急速な経済成長、広範な分野にわたる規制改革の推進、IT化や国際化の進展等により消費者をとりまく環境は著しい変化を遂げました。
このような変化の中で、消費者政策の基本的な考え方や施策の内容を抜本的に見直し、21世紀にふさわしい消費者政策として再構築することが不可欠であるとの認識の下、国民生活審議会消費者政策部会において、2002年6月より「21世紀型消費者政策の在り方」につき議論が開始されました。
そして、21世紀にふさわしい消費者政策のグランドデザインを提示することを目指し、国民生活審議会消費者政策部会での議論が行われ、2003年5月に国民生活審議会消費者政策部会報告「21世紀型消費者政策の在り方について」として取りまとめられました。

2.法律の概要
主な改正事項は以下のとおり。

(1)基本理念の新設
消費者が安全で安心できる消費生活を送れるようにするためには、消費生活における基本的な需要が満たされ、健全な環境の中で消費生活を営むことができる中で、
・安全の確保
・選択の機会の確保
・必要な情報の提供
・教育の機会の確保
・意見の反映
・被害の救済
がまずもって重要であり、これらを消費者の権利として位置づけています。
そして、「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立の支援」を消費者政策の基本とすること等が規定されました。
(2)事業者の責務等の拡充
① 事業者については、従来の規定に加えて、
・消費者の安全及び消費者との取引における公正の確保
・消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること
・消費者との取引に際して、消費者の知識、経験及び財産の状況等に配慮すること(適合性原則)等
を責務とするとともに、環境の保全への配慮、自主行動基準の策定等による消費者の信頼の確保に努めることが規定されました。

② 消費者については、自ら進んで、消費生活に関し必要な知識を修得し、必要な情報を収集する等自主的かつ合理的に行動するよう努める旨が規定されました。これに加え、消費生活における環境の保全への配慮、知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない旨が規定されました。

③ また、今回の改正により事業者団体及び消費者団体に関する規定が新設されました。事業者団体は、事業者と消費者との間に生じた苦情処理の体制整備、事業者自らがその事業活動に関し遵守すべき基準の作成の支援その他の消費者の信頼を確保するための自主的な活動に努める一方、消費者団体は、情報の収集・提供、意見の表明、消費者に対する啓発・教育、消費者被害の防止・救済等、消費生活の安定・向上を図るための健全かつ自主的な活動に努める旨が規定されました。

(3)基本的施策の充実・強化
・安全確保の強化
(危険な商品の回収、危険・危害情報の収集・提供の促進)
・消費者契約の適正化の新設(契約締結時の情報提供や勧誘の適正化等)
・消費者教育の充実
(学校、地域、家庭、職域など様々な場を通じた消費者教育の実施)
・苦情処理及び紛争解決の促進の充実
(都道府県・市町村がともに苦情処理のあっせんを実施等)
等の改正が行われました。
(4)消費者政策の推進体制の強化
・消費者政策を計画的・一体的に推進するために、消費者基本計画を策定
・従来の「消費者保護会議」が「消費者政策会議」へと改組
・国民生活センターは、情報提供等の中核的機関として積極的役割を果たす
こと等が規定されました。
また、施行後5年を目途として、消費者政策のあり方について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられることになっています。
[3]消費者庁・消費者委員会の創設
1.消費者庁・消費者委員会創設の経緯
これまで、消費者行政は、事業者の保護育成を主な目的とする各省庁が、付随的なテーマとして、所管する分野ごとにいわゆる縦割りの形で規制を行われてきました。すなわち、消費者の保護は、事業者の育成・保護を通じた国民経済の発展を図る中で、事後的かつ個別的に行われてきたという側面がありました。
確かに、このような産業保護・育成中心の行政は、戦後の貧困からの脱却に大きな役割を果たしており、急速な経済発展は日本モデルとして世界から注目を集めました。また、当時の経済政策下では主として所得の拡大を通じて、生活水準を高めることが目指されており、国民の期待も標準的な生活に置かれていました。しかしながら、グローバル化、複雑化した社会においては、消費者問題は複雑化の傾向にあり、複数の省庁にまたがる事案も数多く発生するなど、これまでの行政では適切に対処することが困難な状況でした。加えて、昨今、食の安全・安心という消費生活の最も基本的な事項に対する消費者の信頼を揺るがす事件や、高齢者の生活の基盤である資産を狙った悪徳商法による消費者被害などが相次いで発生しております。
こうした社会状況の変化などを踏まえ、これまでの行政をパラダイム(価値規範)転換し、国民一人ひとりの立場に立ったものとするため、各省庁の所管分野に横断的にまたがる事案に対し、いわば消費者行政の司令塔として機能し、各行政機関の権限の円滑な調整を行うとともに、必要な事案に対しては、自ら迅速に対応する新たな組織の設立に向けた検討が開始されました。2.消費者庁について
消費者庁の任務は、設置法第3条において、消費者基本法第2条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのっとり、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて、消費者の利益の擁護及び増進、商品及び役務の消費者による自主的かつ合理的な選択の確保並びに消費生活に密接に関連する物資の品質に関する表示に関する事務を行うこととされており、まさに消費者行政全体の司令塔としての役割を果たしていくことが期待されています。
具体的には、
1)消費者の声に耳を傾け、自らが所掌する消費者関連法令を執行すること
2)消費者安全法に基づき、各府省庁、国民生活センターや地方の消費生活センターなどが把握した消費者事故などに関する情報を一元的に集約し、調査・分析を行うこと
3)消費者事故などに関する情報を迅速に発信して消費者の注意を喚起すること
4)各府省庁に対し措置要求を行うとともにいわゆる「すき間事案」については事業者に対する勧告や自ら措置を講じること
などの役割を果たします。
消費者庁の現在の重要課題は、2010年3月に閣議決定された消費者基本計画に盛り込まれている地方消費者行政の充実・強化、独立した調査機関の在り方の検討、食品表示の一元化、被害者救済制度の検討などを挙げることができます。
[4]「消費者基本計画」の概要
消費者基本法では、消費者政策の基本理念として「消費者の権利の尊重」及び「消費者の自立の支援」を掲げるとともに、その基本理念を具体的に実現する手段として、政府は、長期的に講ずべき消費者政策の大綱となる「消費者基本計画」を定めることとされています。これを受け、政府を挙げて消費者政策の計画的・一体的な推進を図るため、「消費者基本計画」が、2010年3月30日に閣議決定されました(同計画は2代目のもので、初代計画は2005年4月8日に策定されました。)。
1.「消費者基本計画」の全体構成
今次の「消費者基本計画」は、平成22年度(2010年4月)から平成26年度(2015年3月)までの5か年を対象としており、総論として、「消費者基本計画」策定の趣旨、消費者政策の基本的方向性、「消費者基本計画」の検証・評価・監視について記載するとともに、各論として、各府省庁等が取り組むべき171の具体的施策を掲げています。
2.消費者政策の基本的方向
「消費者基本計画」が目指す消費者政策の基本的な枠組みと主な課題は、以下のとおりです。
(1)消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援
① 消費者の安全・安心の確保
② 消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保
③ 消費者に対する啓発活動の推進と消費生活に関する教育の充実
④ 消費者の意見の消費者政策への反映と透明性の確保
⑤ 消費者の被害等の救済と消費者の苦情処理・紛争解決の促進
(2)地方公共団体、消費者団体等との連携・協働と消費者政策の実効性の確保・向上
① 地方公共団体への支援・連携
② 消費者団体等との連携
③ 事業者や事業者団体による自主的な取組の促進
④ 行政組織体制の充実・強化
(3)経済社会の発展への対応
① 環境に配慮した消費行動と事業活動の推進
② 高度情報通信社会の進展への的確な対応
③ 国際化の進展への対応

ハンドブック消費者からのピックアップだけでも概要をつかむことができます。
結局は消費者政策のあり方と課題をいかにまとめあげるかが焦点になると思います。
その消費者政策も何を選んでもOKということが分かると思います。

具体的な消費者政策は消費者基本計画を参照してください
消費者庁HP
ホーム > 消費者政策課
消費者の利益の擁護及び増進に関する基本的な政策
消費者基本計画等
http://www.caa.go.jp/adjustments/index.html