22.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

⑨ 個人破産で破産手続開始決定を受けた場合には、一定の資格の制限があり、㋐生命保険募集員などはその例である。資格が制限される期間は、㋑破産手続開始決定がなされてから7年間である。㋒個人再生手続では個人破産のような資格の制限はない
⑩ 個人再生手続は、個人破産に比べて、㋐免責不許可事由がない、㋑住宅資金特別条項を利用して住宅を保持する制度があるなどの利点があるが、㋒再生計画認可決定には全ての債権者の同意を得る必要がある

【解説と解答】


個人(自己)破産者の欠格事項です。
22年度と同じような設問です。
自己破産したらつけなくなる職業があります。主に、士がつく資格職やお金を扱う職業です。それぞれの職業に関する法律で欠格事項が定められています。
資格が制限される期間は一定に決まっているのではなく、免責決定がされたら欠格期間は終了します。破産法では「復権」といいます。
ということで、⑨は㋑が不正解となります。
このHPに対象となる職業一覧表が掲載されていましたので興味がある方は参考にしてください。
http://1st.geocities.jp/mochybooo/shikaku.html

破産法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO075.html

第二節 復権
(復権)
第二百五十五条  破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。
一  免責許可の決定が確定したとき
二  第二百十八条第一項の規定による破産手続廃止の決定が確定したとき。
三  再生計画認可の決定が確定したとき。
四  破産者が、破産手続開始の決定後、第二百六十五条の罪について有罪の確定判決を受けることなく十年を経過したとき。
2  前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。
3  免責取消しの決定又は再生計画取消しの決定が確定したときは、第一項第一号又は第三号の規定による復権は、将来に向かってその効力を失う。

(復権の決定)
第二百五十六条  破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。
2  裁判所は、前項の申立てがあったときは、その旨を公告しなければならない。
3  破産債権者は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して三月以内に、裁判所に対し、第一項の申立てについて意見を述べることができる。
4  裁判所は、第一項の申立てについての裁判をしたときは、その裁判書を破産者に、その主文を記載した書面を破産債権者に、それぞれ送達しなければならない。この場合において、裁判書の送達については、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
5  第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
6  前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。


個人再生手続は負債を減額させて債務を弁済していく制度ですので、この手続がされれば免責不許可となることはありません。
大きな特徴として、住宅ローンを払いながら住宅を保持できる住宅資金と区別条項があります。
個人再生手続を受けるには、債権者の半数以上が再生計画に同意するなどの必要があります。
したがって、⑩は㋒が不正解となります。

民事再生法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO225.html

(目的)
第一条  この法律は、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする。

(住宅資金特別条項を定めることができる場合等)
第百九十八条  住宅資金貸付債権(民法第五百条 の規定により住宅資金貸付債権を有する者に代位した再生債権者が当該代位により有するものを除く。)については、再生計画において、住宅資金特別条項を定めることができる。ただし、住宅の上に第五十三条第一項に規定する担保権(第百九十六条第三号に規定する抵当権を除く。)が存するとき、又は住宅以外の不動産にも同号に規定する抵当権が設定されている場合において当該不動産の上に第五十三条第一項に規定する担保権で当該抵当権に後れるものが存するときは、この限りでない。
2  保証会社が住宅資金貸付債権に係る保証債務を履行した場合において、当該保証債務の全部を履行した日から六月を経過する日までの間に再生手続開始の申立てがされたときは、第二百四条第一項本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなる者の権利について、住宅資金特別条項を定めることができる。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3  第一項に規定する住宅資金貸付債権を有する再生債権者又は第二百四条第一項本文の規定により住宅資金貸付債権を有することとなる者が数人あるときは、その全員を対象として住宅資金特別条項を定めなければならない。

解答一覧

⑨→×㋑、⑩→×㋒

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