2次試験の面接の事例については、22年度版でも解説したところですが、具体的な事例についての勉強方法を紹介します。
今からコツコツ日々勉強すればポイントもわかってくるのではないかと思います。

参考資料は消費者庁の行政処分の報道発表資料です。
そこには、処分にあたって根拠となる法律(特商法○条など)とどのような事項が違反対象になるのかが明示されています。
特に、具体的な被害事例がこと細かにあげられています。
この事例は、まさしく面接で、「このような場合はどうしますか」「他にどんなことが主張できますか」などの突っ込み場面そのものです。
最近は行政処分も増加しています。
普通は行政処分にまでならないことが多いのですが、よっぽどの場合は公表されるので、かなりの被害の積み重ねがあったものと思われます。
そして、それらの事例は、まさしく最新事例に近いものなので、悪質商法により消費者がどのような被害にあっているのかという動きがわかるのではないかと思います。
公表資料を読み込むだけで、面接対策だけではなく筆記試験対策にもなります。

公表資料は消費者庁のトップページの日々の新着資料(報道資料)また取引対策課のページに掲載されています。
消費者庁HP
http://www.caa.go.jp/

ホーム > 取引対策課
公表資料
http://www.caa.go.jp/trade/index.html#m02

例として、3月23日に公表された「カニの電話勧誘販売に関する行政処分」の公表事例を紹介します。
詳細は公表資料を参照してください。
http://www.caa.go.jp/trade/pdf/120323kouhyou_1.pdf

平成24年3月23日
消費者庁
特定商取引法違反の電話勧誘販売業者に対する業務停止命令(3か月)について
○ 消費者庁は、カニなどの海産物の電話勧誘販売業者である株式会社***に対し、本日、特定商取引法第23条第1項の規定に基づき、平成24年3月24日から平成24年6月23日までの3か月間、電話勧誘販売に関する業務の一部(新規勧誘、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。
○ 認定した違反行為は、名称不明示、再勧誘、書面不備記載及び迷惑勧誘・迷惑解除妨害です。
1.株式会社海善及び株式会社***は、消費者宅に電話をかけ、カニなどの海産物(以下「本件商品」という。)の電話勧誘販売を行っていました。
2.認定した違反行為は以下のとおりです。
(1)両社は、勧誘に先立って、販売事業者の登記簿上の名称を告げなくてはならないにもかかわらず、消費者宅に電話をかける際、「北海道お取り寄せ倶楽部」、あるいは「丸吉水産」などとその屋号を告げるだけで、事業者名(***)を告げていませんでした。(名称不明示)
(2)両社は、消費者が「年金生活だし、要りません。」、「カニは要りません。結構です。」などと、商品の売買契約を締結しない旨の意思を表示しているにもかかわらず、その電話で引き続き勧誘を続けるなどして勧誘を行っていました。(再勧誘)
(3)両社は、本件商品の売買契約を締結した消費者に対し、特定商取引法において定められたクーリング・オフに関する記載等に不備のある書面を交付していました。(書面不備記載)
(4)両社は、消費者が契約を断っているにもかかわらず勧誘を続けたり、消費者が電話を切ってもすぐに電話をかけ直したり、あるいは契約していない消費者に商品を送りつけた上で勧誘するなど、消費者に迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘を行っていました。また、契約の解除(クーリング・オフ)を申し出た消費者に対し、「解約されると困る。」、「どうしてキャンセルするのですか、約束したじゃないですか。」などと告げて、解約の解除についても消費者に迷惑を覚えさせる
ような仕方で妨げていました。(迷惑勧誘・迷惑解除妨害)

概要の後に詳細な説明がありますので一部紹介します。

3.行政処分の内容
業務停止命令
(1)内容
特定商取引法第2条第3項に規定する電話勧誘販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
①電話勧誘販売に係る売買契約の締結について勧誘すること。
②電話勧誘販売に係る売買契約の申込みを受けること。
③電話勧誘販売に係る売買契約を締結すること。
(2)停止命令の期間
平成24年3月24日から平成24年6月23日まで(3か月間)
4.命令の原因となる事実
同社は、以下のとおり特定商取引法に違反する行為を行っており、電話勧誘販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認められた。
(1)名称不明示(特定商取引法第16条)
同社は、勧誘に先立って販売事業者の登記簿上の名称を告げなくてはならないにもかかわらず、「北海道お取り寄せ倶楽部」などとその屋号を告げるだけで、事業者名を告げずに勧誘を行っていた。
(2)再勧誘(特定商取引法第17条)
同社は、消費者が「カニは要りません。結構です。」、「カニは間に合っているので要りません。」などと、商品の売買契約を締結しない旨の意思を表示しているにもかかわらず、その電話で引き続き勧誘を続けるなどして勧誘を行っていた。
(3)書面不備記載(特定商取引法第19条第1項)
同社は、本件商品の売買契約を締結した消費者に対し、特定商取引法において定められたクーリング・オフに関する記載等に不備のある書面を交付していた。
(4)迷惑勧誘・迷惑解除妨害(特定商取引法第22条第3号、省令第23条第1号)
同社は、消費者が契約を断っているにもかかわらず勧誘を続けたり、消費者が電話を切ってもすぐに電話をかけ直したり、あるいは契約していない消費者に商品を送りつけるなど、消費者に迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘を行っていた。また、契約の解除(クーリング・オフ)を申し出た消費者に対し、「どうしてキャンセルするのですか。約束したじゃないですか。」などと告げて、契約の解除についても消費者に迷惑を覚えさせるような仕方で妨げていた。

つまり、この事例では赤字の違反事項が4項目あります。面接の事例では基本的にはこれらのすべてについて突っ込まれると考えておいたほうがいいと思います。
カニ以外の事例では、不実告知などの場合もあるので他の処分事例を参照してください。

そして、公表資料には、いくつかの事例も公表されています。
その1つを紹介します。

【事例2】
平成23年11月頃、同社の営業員Xは、消費者Bに電話をかけ、会社名も自分の名前も名乗らずに、「カニがたくさん入りましたので買ってください。」と言った。Bは、「要りません」と断ったが、Xは「捕れたてで、とてもおいしいカニですので、是非、買ってください。」と勧誘を続けた。さらにBが「一人暮らしでたくさんは食べられないので、要りません。」と断っても、Xは「カニは湯がいてあるので、冷凍で3か月はもつ。おいしいから。」、「カニは660グラム、4匹で2万円です。」などと勧誘をやめなかった。それでもBは「年金暮らしで2万円は高いので、要りません。」と断り続けたが、Xは「はさみで切って、新聞にでもくるんで冷凍しておけばいい。正月に家族は何人来るんですか。」と話を続けるので、Bはつい「娘や孫が5人くらい来ます。」と答えてしまった。Xは「それならば娘さんやお孫さんに買ってあげれば喜びますよ。」と言うので、Bは結局、カニを買うことにした。これらのやり取りの間に、営業員は自分の名前をX、Bの住む県の出身であると告げた。配達日の確認等も含め、この電話は40、50分くらいであった。
契約から一週間ほど後、Bは娘のCにカニの電話勧誘を受けて契約したことを言ったところ、Cに反対されたため、契約の解除をしようと決め、その日のうちにあらかじめXから案内されていたフリーダイヤルに電話をかけ、電話に出た同社のWに「カニを注文したのですが、キャンセルとしたいのですけど、Xさんはいらっしゃいますか。」と言って取り次いでもらった。電話を代わったXは、「どうしてキャンセルするのですか。約束したじゃないですか。」と言ってきたので、Bは「娘も孫も要らないと言っているので、やはりやめます。」と言った。Xは「何でコロコロと言うことを変えるんですか。それじゃ、カニを880グラムの2匹にしましょ
うか。」と言い出し、Bは値段がそのままなのか、分量についても880グラムのカニが2匹なのか、2匹で880グラムなのか、よく分からなかったので返答できずにいた。すると、Xは「それにタバコか昆布と数の子の佃煮のどちらかをサービスで付けます。○○県の方なので送料もサービスします。」と言い、Bは「じゃ、880グラムのカニ2匹にします。」と答え、契約の解除をすることができず、また契約してしまった。この電話は30分くらいであった。
再契約の数日後、Bに代わってCが契約の解除を申し出ようと同社に電話をしたところ、Xが不在であったため、折り返し電話をもらうことにした。その後、XはCに電話をかけ、「何で娘が電話してくるんだ。お母さんとの約束でしょう。」と、怒ったような口調でくどくど色々なことを言い、解約に応じなかったため、Cは「心配だからに決まっているでしょう。もう、聞く耳は持ちません。」と言って電話を切った。その後、XはBの自宅にも電話をかけ、「何でコロコロと言うことを変えるんですか。約束したでしょう。何で約束したのに、買わないんですか。」と言った。Bは、「娘も孫も食べません。要りません。」と電話を切った。すぐに電話が鳴ったが、BはまたXからの電話だと思い、出なかった。
Bは消費生活センターへ相談し、契約を解除することができた。

事例はリアルでなまめかしいです。