3.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

①「京都議定書」において、日本を含む先進各国の温室効果ガス削減数値目標は、㋐1990年を基準年として㋑一律6%に設定されている
②平成11年の産業構造審議会における報告書「循環型経済システムの構築に向けて」の中で、いわゆる「3R]への取り組みの必要性が提言され、現在では、企業やNPO法人、学校等の活動でその取り組みがみられる。この「3R」とは、㋐リバース(Rebirth)、㋑リユース(Reuse)、㋒リサイクル(Recycle)のことである。
③循環型社会形成推進基本法では、環境基本法の理念に則り、循環型社会の形成について基本原則を定めているほか、㋐国、地方公共団体および事業者の責務を明確にしている。その一方で、㋑国民の責務については明確にしていない
④環境省より発表されている一般廃棄物処理事業実態調査の結果(平成21年度)によれば、平成21年度までの全国のゴミ総排出量は、㋐近年減少傾向にある。また、ゴミの排出量を排出形態別で見ると、㋑生活系ゴミが総排出量の半分以上を占めている
⑤家電リサイクル法では、消費者は特定家庭用機器廃棄物を排出する場合、当該特定家庭用機器廃棄物の再商品化等が確実に実施されるよう、㋐小売業者等に適切に引き渡し、その求めに応じ、㋑運搬や再商品化費用を支払うことにより協力しなければならないと定めている。

【解説と解答】
問題2は環境問題です。この種の問題は「暗記物」のパターンが多いですね。学生ではないので暗記力が落ちてきますが、常識力で補うようにしましょう


地球環境問題といえば、1997年のCOP3京都会議。定番の環境問題である「京都議定書」ですね。毎年、会議が開催されるごとに目標をどうするのか世界中でもめています。15年も前のことなので私もすっかり忘れてしまいましたが、いまだに話題になるほど強力な会議でした。目標は3%だったか6%だったか。完全に暗記物ですね。試験勉強しているのであれば「環境問題」には必ず必須知識になっているでしょう。そういえば、「チーム・マイナス6%」というキャンペーンに登録すれば、割引を受けられるので登録したような覚えがあります。このような自分の生活の断片から解答を導き出すことをできるのが常識力ですね。と思って「○」と考えたのですが落とし穴がありました。日本の数字が問題というのではなく、「一律」というところが問題で、実は国によって削減目標が異なるのです。というわけで、①は㋑が不正解です。最近の話だったら記憶にありますが昔の話は忘れてしまいました。ちなみに、2009年に鳩山政権が「チャレンジ25」という国民運動を開始しました。

ウィキペディア 京都議定書・・・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E8%AD%B0%E5%AE%9A%E6%9B%B8

92% (-8%) - オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、モナコ、オランダ、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、(欧州連合15か国)
93% (-7%) - アメリカ合衆国(離脱)
94% (-6%) - カナダ(離脱)、ハンガリー、日本、ポーランド
95% (-5%) - クロアチア
100% (±0%) - ニュージーランド、ロシア、ウクライナ
101% (+1%) - ノルウェー
108% (+8%) - オーストラリア
110% (+10%) - アイスランド


平成11年の産業構造審議会における報告書「循環型経済システムの構築に向けて」という問題を読んだとたん、頭がくらくらしそうですが、これを知らなくても全く問題はありません。要は、その次にでてくる「3R]とは何かという基本問題です。「3R]とは、リデュース(Reduse)・リユース(Reuse)・リサイクル(Recycle)のことですね。リデュース(Reduse)は覚えにくいですが、ゴミを減らす・排出抑制のことです。リバース(Rebirth)は笑ってしまいますね。残り2つが有名なので知らなくても分かるのではないでしょうか。ということで、②は㋐が不正解となります。


循環型社会形成推進基本法では、環境基本法の理念に則り、循環型社会の形成について基本原則を定めている、という問題も②と同じように頭がくらくらしてきますが、問題の本質は簡単で、この法律を知っていようが知っていまいが、消費者基本法と同じ考えでいけます。すなわち、権利と義務です。やっぱり、国民には責務があるというのが最近の法律の流れですね。そう考えると、常識力で持って、③は㋑が不正解となります。

④この問題も「環境省より発表されている一般廃棄物処理事業実態調査の結果(平成21年度)」という統計資料からの問題ですが、読んでいなくても、というか誰も読んでいないとは思いますが、事業系ごみは減少し、家庭系ゴミを減らすことが課題であるという一般論を素直に用いるのがいいと思います。ということで、④はすべて正解です。


家電リサイクル法はよく知られていますが「特定家庭用機器廃棄物」って何?という感じですね。あまり気にする必要はありません。実は「家電リサイクル法」は通称名で正式には「特定家庭用機器再商品化法」なのです。したがって、「特定家庭用機器」はリサイクルすることに決まっている家電品であるということが理解できると思います。対象となる電化製品について出題されますので、追加分等をよく確認しておいてください。まあ、そんな細かいことは知らなくても、こお問題は特にチェックする必要もなく、よく知られていることが書かれています。ということで、⑤はすべて正解です。

特定家庭用機器再商品化法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO097.html
(目的)
第一条  この法律は、特定家庭用機器の小売業者及び製造業者等による特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬並びに再商品化等に関し、これを適正かつ円滑に実施するための措置を講ずることにより、廃棄物の減量及び再生資源の十分な利用等を通じて、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
(事業者及び消費者の責務)
第六条  事業者及び消費者は、特定家庭用機器をなるべく長期間使用することにより、特定家庭用機器廃棄物の排出を抑制するよう努めるとともに、特定家庭用機器廃棄物を排出する場合にあっては、当該特定家庭用機器廃棄物の再商品化等が確実に実施されるよう、特定家庭用機器廃棄物の収集若しくは運搬をする者又は再商品化等をする者に適切に引き渡しその求めに応じ料金の支払に応じることにより、これらの者がこの法律の目的を達成するために行う措置に協力しなければならない
特定家庭用機器再商品化法施行令・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10SE378.html
(特定家庭用機器)
第一条  特定家庭用機器再商品化法 (以下「法」という。)第二条第四項 の政令で定める機械器具は、次のとおりとする。
一  ユニット形エアコンディショナー(ウィンド形エアコンディショナー又は室内ユニットが壁掛け形若しくは床置き形であるセパレート形エアコンディショナーに限る。)
二  テレビジョン受信機のうち、次に掲げるもの
イ ブラウン管式のもの
ロ 液晶式のもの(電源として一次電池又は蓄電池を使用しないものに限り、建築物に組み込むことができるように設計したものを除く。)及びプラズマ式のもの
三  電気冷蔵庫及び電気冷凍庫
四  電気洗濯機及び衣類乾燥機
2001年4月1日 - 家電リサイクル法、施行
2004年4月1日 - 冷凍庫を追加
2009年4月1日 - 薄型テレビ(液晶テレビ・プラズマテレビ)と衣類乾燥機を追加
解答一覧

①→×㋑、②→㋐、③→×㋑、④→○、⑤→○

①に引っ掛けがありますが、ほかは特に難しくはありません。