2.次の文章の[   ]の部分に入れるのに最も適切な語句を、下記の語群の中から選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。

【語 群】

1.悪質事業者情報 2.事業者 3.勧告 4.偽装表示問題 5.建議
6.個人信用情報 7.消費者安全法 8.中国産冷凍ギョウザ事件 9.消費者基本法
10.消費者行政推進会議 11.都道府県知事 12.消費者事故情報 13.消費者政策会議
14.多重債務問題 15.内閣総理大臣 16.消費者行政推進基本計画 17.制限
18.焼き肉ユッケ事件 19.消費者基本計画 20.要求

問題2 (後半部分)[ カ ]~[ コ ]

平成20年度から本格的に開始された消費者庁の創設に向けた議論の過程においては、消費者行政の一元化というスローガンが掲げられ、 [ ア ] が官邸に設けられた。同年6月には、 [ イ ] が閣議決定され、これに基づいて消費者庁の権限等の制度設計が行われた。
まず、消費者政策の企画・立案、他省庁との調整のための権限が消費者庁に与えられた。
また、表示・取引・安全に関する約30の法律が、消費者庁の所管あるいは他省庁との共管とされた。とりわけ、表示に関する法律の多くが消費者庁の所管となった。これは、消費者庁の創設の議論のきっかけの1つが平成19年に頻発した [ ウ ] であったことによる。
他方、安全に関する法律は、基本的に従来の官庁の所管のままにおかれたが、 [ エ ] を消費者庁に一元的に集約して、分析し、素早く対応することを可能とする仕組みが導入された。これは、消費者庁の創設のきっかけの1つが [ オ ] への反省であったことによる。

消費者庁は、消費者被害の発生または拡大の防止のため、自らに執行権限のある法律上の措置を実施するだけではなく、他省庁にのみ執行権限のある法律による措置の実施によって消費者被害の発生や拡大の防止が可能なときは、そのような措置の実施を [ カ ] に基づいて、他省庁に対して [ キ ] することができる。さらに、消費者庁にも他省庁にも重大消費者被害の発生または拡大の防止のための権限のない場合(いわゆる法律のすき間案件)については、 [ ク ] に対して一定の措置をとるべきことの [ ケ ] や命令、譲渡や使用を禁止することができる独自の権限が消費者庁に与えられた。
消費者庁が上記のような権限を適切に行使していないときは、消費者委員会は、消費者被害の発生または拡大の防止のために [ コ ] に対して必要な [ ケ ] をすることができる。

【解説と解答】
5.建議
10.消費者行政推進会議 13.消費者政策会議
16.消費者行政推進基本計画 19.消費者基本計画
8.中国産冷凍ギョウザ事件 18.焼き肉ユッケ事件
1.悪質事業者情報 12.消費者事故情報 6.個人信用情報
4.偽装表示問題 14.多重債務問題
7.消費者安全法 9.消費者基本法
3.勧告 17.制限 20.要求
2.事業者 11.都道府県知事 15.内閣総理大臣
上のように語群を整理すると答えやすいですが、試験中では時間の関係があるので、語群に印を大胆につけて、漏れがないようにしてください。

後半は「消費者被害の発生又は拡大の防止のための措置」について説明されています。
これらの措置の実施を定めている法律は説明するまでもなく消費者安全法ですね。したがって、 [ カ ] は「7.消費者安全法」が正解です。
そして、自らの所管する法律による措置だけでなく、他省庁の所管する法律の措置が必要な場合には、消費者安全法16条に基づき、当該措置の速やかな実施を求めることができます。16条の表題が(他の法律の規定に基づく措置の実施に関する要求)となっています。ということで、 [ キ ]は「20.要求」が正解となります。「3.勧告」ほどのきついやり方ではないですね。「3.勧告」は別の問題の答えになるので間違えても気づくと思います。

次は、消費者安全法の目玉となっているものです。消費者庁にも他省庁にも権限がない「すき間事案」を消費者庁の権限とすることを定めています。
このすき間案件に対する措置については、消費者安全法第17条(事業者に対する勧告及び命令)と18条(譲渡等の禁止又は制限)に事業者に対しての措置が定められています。したがって、 [ ク ]は「2.事業者」が正解で、 [ ケ ]は「3.勧告」が正解となります。「3.勧告」「17.制限」「20.要求」は冷静に考えたら言葉の言い回しからも、うまく当てはめることができると思います。

最後の段落では、消費者委員会の役割に関する問題で、消費者安全法20条に規定されています。20条の表題は(消費者委員会の勧告等)となっており、条文に「内閣総理大臣に対し消費者被害の発生又は拡大の防止に関し必要な勧告をすることができる」とされています。したがって、[ コ ] は「15.内閣総理大臣」が正解となります。最後の [ ケ ]は先ほども出てきた「3.勧告」ですね。

消費者安全法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H21/H21HO050.html

第五章 消費者被害の発生又は拡大の防止のための措置

(他の法律の規定に基づく措置の実施に関する要求)
第十六条  内閣総理大臣は、第十二条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合その他消費者事故等の発生に関する情報を得た場合において、消費者被害の発生又は拡大の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置があり、かつ、消費者被害の発生又は拡大の防止を図るため、当該措置が速やかに実施されることが必要であると認めるときは、当該措置の実施に関する事務を所掌する大臣に対し、当該措置の速やかな実施を求めることができる。
2  内閣総理大臣は、前項の規定により同項の措置の速やかな実施を求めたときは、同項の大臣に対し、その措置の実施状況について報告を求めることができる。

(事業者に対する勧告及び命令)
第十七条  内閣総理大臣は、商品等又は役務が消費安全性を欠くことにより重大事故等が発生した場合(当該重大事故等による被害の拡大又は当該重大事故等とその原因を同じくする重大事故等の発生(以下「重大消費者被害の発生又は拡大」という。)の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合を除く。)において、重大消費者被害の発生又は拡大の防止を図るため必要があると認めるときは、当該商品等(当該商品等が消費安全性を欠く原因となった部品、製造方法その他の事項を共通にする商品等を含む。以下この項において同じ。)又は役務を供給し、提供し、又は利用に供する事業者に対し、当該商品等又は役務につき、必要な点検、修理、改造、安全な使用方法の表示、役務の提供の方法の改善その他の必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。
2  内閣総理大臣は、前項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、重大消費者被害の発生又は拡大の防止を図るため特に必要があると認めるときは、当該事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
3  内閣総理大臣は、重大消費者被害の発生又は拡大の防止を図るために他の法律の規定に基づく措置が実施し得るに至ったことその他の事由により前項の命令の必要がなくなったと認めるときは、同項の規定による命令を変更し、又は取り消すものとする。
4  内閣総理大臣は、第二項の規定による命令をしようとするとき又は前項の規定による命令の変更若しくは取消しをしようとするときは、あらかじめ、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
5  内閣総理大臣は、第二項の規定による命令をしたとき又は第三項の規定による命令の変更若しくは取消しをしたときは、その旨を公表しなければならない。

(譲渡等の禁止又は制限)
第十八条  内閣総理大臣は、商品等が消費安全性を欠くことにより重大事故等が発生し、かつ、当該重大事故等による被害が拡大し、又は当該重大事故等とその原因を同じくする重大事故等が発生する急迫した危険がある場合(重大消費者被害の発生又は拡大の防止を図るために実施し得る他の法律の規定に基づく措置がある場合を除く。)において、重大消費者被害の発生又は拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、必要な限度において、六月以内の期間を定めて、当該商品等(当該商品等が消費安全性を欠く原因となった部品、製造方法その他の事項を共通にする商品等を含む。)を事業として又は事業のために譲渡し、引き渡し、又は役務に使用することを禁止し、又は制限することができる。
2  内閣総理大臣は、重大消費者被害の発生又は拡大の防止を図るために他の法律の規定に基づく措置が実施し得るに至ったことその他の事由により前項の禁止又は制限の必要がなくなったと認めるときは、同項の規定による禁止又は制限の全部又は一部を解除するものとする。
3  内閣総理大臣は、第一項の規定による禁止若しくは制限をしようとするとき又は前項の規定による禁止若しくは制限の全部若しくは一部の解除をしようとするときは、あらかじめ、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
4  第一項の規定による禁止若しくは制限又は第二項の規定による禁止若しくは制限の全部若しくは一部の解除は、内閣府令で定めるところにより、官報に告示して行う。

(回収等の命令)
第十九条  内閣総理大臣は、事業者が前条第一項の規定による禁止又は制限に違反した場合においては、当該事業者に対し、禁止又は制限に違反して譲渡し、又は引き渡した商品又は製品の回収を図ることその他当該商品等による重大消費者被害の発生又は拡大を防止するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(消費者委員会の勧告等)
第二十条  消費者委員会は、消費者、事業者、関係行政機関の長その他の者から得た情報その他の消費者事故等に関する情報を踏まえて必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し消費者被害の発生又は拡大の防止に関し必要な勧告をすることができる。
2  消費者委員会は、前項の規定により勧告をしたときは、内閣総理大臣に対し、その勧告に基づき講じた措置について報告を求めることができる。

解答一覧

カ→7、キ→20、ク→2、ケ→3、コ→15

正直言って、問題2はラッキー問題かもしれません。全問正解を目指してください。