15.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

③ 郵送されてきたカタログを見て商品を選択し、郵便で購入申込みを行う方式でセーターを購入した消費者が、商品受領後に気が変わって返品したいと考えた場合、カタログ上にはっきりと「不良品等である場合を除き、返品は一切できません」と記載されているときは、改正特定商取引法の施行日(㋐2009 年12 月1 日)より前の取引については㋑返品できないが、施行後は、改正法に8 日間の返品ルールが導入されたため、商品を受け取ってから㋒8 日以内であればこのような記載があっても返品可能である
④ 相談者Aの自宅に学習教材の販売業者からある日突然電話がかかってきて、教材を購入するよう勧誘され、自宅で詳しく説明したいと言われ面談の日程を決めてしまった。業者は約束の日時に自宅に来てさらに教材の勧誘を行いAは結局その場で教材購入の契約をした。このケースは㋐電話勧誘販売に該当するので、Aは㋑法定書面交付日から8 日以内であればクーリング・オフが可能である。また、交付された書面に商品名の記載が無い場合には、㋒書面が交付されていないものと同視して、書面交付日から8 日間以上経過してもクーリング・オフできると考えるのが一般的である。

【解説と解答】
③は通信販売の返品特約のことで、直近の法改正の部分で重要であり、現場でもよく使いますので、しっかり覚えておいてください。
返品特約が表示されていない場合は、送料自己負担で返品可能です。
ということで、無条件に返品できるのではないので、㋒が不正解となります。

特定商取引に関する法律・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S51/S51HO057.html

(通信販売における契約の解除等)
第十五条の二  通信販売をする場合の商品又は指定権利の販売条件について広告をした販売業者が当該商品若しくは当該指定権利の売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は売買契約を締結した場合におけるその購入者(次項において単に「購入者」という。)は、その売買契約に係る商品の引渡し又は指定権利の移転を受けた日から起算して八日を経過するまでの間は、その売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。ただし、当該販売業者が申込みの撤回等についての特約を当該広告に表示していた場合(当該売買契約が電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律 (平成十三年法律第九十五号)第二条第一項 に規定する電子消費者契約に該当する場合その他主務省令で定める場合にあつては、当該広告に表示し、かつ、広告に表示する方法以外の方法であつて主務省令で定める方法により表示していた場合)には、この限りでない。
2  申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は指定権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、購入者の負担とする。

平成20年法律改正に関する情報(改正法テキスト)・・・http://www.no-trouble.go.jp/page?type=gallery&id=1251714214636
「特定商取引に関する法律」及び「割賦販売法」の一部を改正する法律について
(平成20年6月18日公布、平成21年12月1日施行)
消費者を守る法律を強化します

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PART4 インターネット取引等の規制を強化します
改正のポイント
返品の可否・条件・送料の負担を広告に表示していない場合は、8日間、送料を消費者負担で返品(契約の解除)を可能にします。
(特定商取引法第11条、第12条、第15条関係)
解 説
これまでも、通信販売では広告において返品特約を明記することを義務づけてきましたが、実際には、返品・交換に関するトラブルは多発していました。とはいえ通信販売は訪問販売と違って不意打ちの勧誘等を受けるものではなく、消費者の購入の自主性が尊重されていることから、クーリング・オフ規定を導入することは適切ではありません。
そこで通信販売においては、消費者からの「商品」または「指定権利」の売買契約の解除を原則可能としますが、事業者が通信販売の広告で返品特約に関する記載を経済産業省令で定めたルールにより行った場合はその限りではないとします。
なお、特約が表示されていない場合の契約の申込の撤回や解除は、購入者が商品等を受け取った日から8日までとし、返品のための送料は購入者負担となります。

経済産業省令で定めたルール
通信販売における返品特約の表示についてのガイドライン
http://www.no-trouble.go.jp/page?type=gallery&id=1249545324836

④は基本的な特商法の解釈問題です。はクーリングオフと適用除外についての問題です。
電話勧誘販売は電話での勧誘後に対面せずにその電話またはその後の郵便で契約が完結します。したがって、電話で訪問の約束をとり、自宅で契約した場合は「訪問販売」になります。ということで、㋐が不正解となります。

特定商取引に関する法律・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S51/S51HO057.html

(定義)
第二条  この章及び第五十八条の四第一項において「訪問販売」とは、次に掲げるものをいう。
一  販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下「役務提供事業者」という。)が営業所、代理店その他の主務省令で定める場所(以下「営業所等」という。)以外の場所において、売買契約の申込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は役務を有償で提供する契約(以下「役務提供契約」という。)の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う役務の提供
二  販売業者又は役務提供事業者が、営業所等において、営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者その他政令で定める方法により誘引した者(以下「特定顧客」という。)から売買契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と売買契約を締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は特定顧客から役務提供契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と役務提供契約を締結して行う役務の提供
2  この章及び第五十八条の五において「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の主務省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品若しくは指定権利の販売又は役務の提供であつて電話勧誘販売に該当しないものをいう。
3  この章及び第五十八条の六第一項において「電話勧誘販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が、電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ、その電話において行う売買契約又は役務提供契約の締結についての勧誘(以下「電話勧誘行為」という。)により、その相手方(以下「電話勧誘顧客」という。)から当該売買契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該売買契約を郵便等により締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は電話勧誘顧客から当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該役務提供契約を郵便等により締結して行う役務の提供をいう。
4  この章並びに第五十八条の五及び第六十七条第一項において「指定権利」とは、施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるものであつて政令で定めるものをいう。

特定商取引に関する法律・解説(平成21年版)・・・http://www.no-trouble.go.jp/#1259300931251

15ページ
電話勧誘販売は遠隔地者間の取引が原則であり、実態的に郵便等によって「申込み」又は「締結」がされていることから、過剰規制を排除するために、かかる規定を置いたもの。

解答一覧

③→×㋒、④→×㋐