6.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

①豆腐・納豆の原料大豆の原産地表示については、2006年度に㋐「豆腐・納豆の原料大豆原産地表示に関するガイドライン」が作られた。ガイドラインに寄れば、㋑「国産大豆使用」と強調表示した場合には、その使用量は100%でなければならないが、㋒「国産大豆使用」表示の直近に使用割合を表示すれば100%でなくてもよいとされている。

【解説と解答】
「豆腐・納豆の原料大豆の原産地表示」なんてほとんど知らないと思います。
その前に、この問題の解き方ですが、ガイドラインについて聞かれている問題ですので、㋐「豆腐・納豆の原料大豆原産地表示に関するガイドライン」が作られたが間違っていると先に進めないので、知らなくても正解だと考えて問題ありません。要はガイドラインの中身になります。
「国産大豆使用」という強調表示は100%使用に限るかどうか、が問題の本質です。㋒が正解かどうか。
「~でなければならないが、~すれば~でよいとされている」という問題形式です。
今回は前後の文章のポイントを考えると、「~すれば」という部分が正しいかどうかを検討するのが適当だと予想されます。
一般的にこの書き方の問題は後半が間違っている確率が高いんですけどね。
「使用割合を表示すれば」、国産と表示できるかどうかですが、10%の使用割合で国産と表示するのは無理がありますよね。そうすれば、間違いだと考えて、「×で㋒」とするのが自然です。

さて、実はこの問題は食品表示について注目すべきポイントがいくつかあります。
このガイドラインは義務表示ではなく、あくまでもガイドラインで罰則はありません。しかし、農林水産省が作ったガイドラインで、義務に近い効力があると考えてよいでしょう。
「豆腐・納豆の原料大豆原産地表示に関するガイドライン」(http://www.maff.go.jp/j/soushoku/sansin/toufu_natto.html)
農林水産省が作ったガイドラインはほかに「外食の原産地表示ガイドライン」(http://www.maff.go.jp/j/soushoku/gaisyoku/gensanti_guide/index.html)があります。
そして、食品表示には、基本原則のような「品質表示基準」という義務表示があります。
品質表示基準一覧(http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/kijun_itiran.html)

「豆腐・納豆の原料大豆原産地表示に関するガイドライン」抜粋

5 原料原産地表示を補完する表示
(1)原料原産地表示を補完する情報提供として、商品パッケージに特定の原産地等の原材料を使用した旨を強調して表示する場合があるが、次の表示をする場
合にあっては、品質表示基準の規定に関わらず、本ガイドラインにおいては、それぞれ次に定める場合に限ることとする。
① 国産大豆を使用している旨の表示
原料大豆に国産大豆のみを使用する場合

② ○○県産大豆を使用している旨の表示
原料大豆に○○県産大豆のみを使用する場合
③ 契約栽培大豆を使用している旨の表示
原料大豆に豆腐・納豆の製造業者と農業者・農業協同組合等の間で栽培方法、品種、購入量、作付面積等を取り決めた契約により栽培した大豆のみを使用する場合
(2)品質表示基準の規定では、特定の原産地等の原材料を一括表示部分以外に強調して表示する場合、当該原材料の割合が100%ではない場合は、同一の種類の原材料に占める重量の割合を記載すれば、強調した表示が可能であるが、消費者の誤認を排除し、表示への信頼性を確保する観点から、(1)の対応によることとする。
(3)また、品質表示基準の規定では、当該原材料の割合が100%である場合は、割合の表示を省略することができるが、(2)と同様の理由から、(1)①~③の表示をするに当たっては、「100%」の表示を当該表示の近接した箇所等に行うこととする。

以上を考えると、㋒「国産大豆使用」表示の直近に使用割合を表示すれば100%でなくてもよいという部分は、品質表示基準ではOKとなるが、ガイドラインでは×となります。そして、国は義務表示ではないガイドラインを義務表示である品質表示基準よりも優先するように考えています。

解答一覧

①→×㋒