問題23 (前半部分)[ ア ]~[ エ ]

一口に金融商品といっても、預金・証券・保険といった多くの人が関わるものから、一部の人が勧誘されて行う[ ア ]、だまされた人だけが巻き込まれる投資詐欺まで、さまざまなものがあり、業者や金融商品によって被害回復のポイントが異なる。
被害回復は、和解または請求認容の判決により任意の支払いまたは強制執行の手順でなされる。訴訟による場合、[ イ ]と[ ウ ]によって被害回復可能性が決まるという関係にある。銀行、証券会社、保険会社による被害では、ワラント事件、変額保険事件などでもそうであったが、[ イ ]が問題であり、[ ウ ]は高い。これに対し、投資詐欺業者による被害では、未公開株、投資事業組合、匿名組合CFD取引、[ エ ]、その他どんな金融商品取引の名称を用いていても、[ イ ]は高いが、[ ウ ]が低いことが問題である。[ ア ]業者による被害はこの中間である。すなわち、[ イ ]では過失相殺されて何割か減ることが多い。[ ウ ]は高い場合が多いが、ときどき業者が破たんすることもあり、その場合は[ ウ ]は低くなる。

語群

1.断定的判断提供 2.貸金 3.執行回収可能性 4.債務不履行 5.納得義務
6.国内商品先物取引 7.消費者契約法 8.不法行為 9.意向実情原則
10.誤情報提供 11.金融商品販売法 12.破綻可能性 13.請求認容可能性
14.特定商取引法 15.説明義務 16.投資信託 17.適合性原則
18.金融商品取引法 19.訴訟提起可能性 20.ロコ・ロンドン貴金属取引

【解説と解答】
穴埋めは[ ア ][ イ ][ ウ ][ エ ]の4つだけですが、[ イ ]と[ ウ ]は何度も重複して出てきます。
[ イ ]と[ ウ ]は「高い」か「低い」かという言葉に何度も続いています。
意外に難しいかもしれませんね。
・まず、[ ア ]は、「一口に金融商品といっても」に続いて、金融商品の名称が並んでいるので、金融商品の名前だと分かります。
預金・証券・保険→[ ア ]→投資詐欺、という序列で、簡単に言うと安全な商品から危険な商品まで順番に並んでいます。
・選択肢の中で金融商品に関するものは、「6.国内商品先物取引」「16.投資信託」「20.ロコ・ロンドン貴金属取引」の3つです。
「16.投資信託」はどちらかというと「預金・証券・保険」の部類に入るので、[ ア ]は「6.国内商品先物取引」になります。
・中ごろの「投資詐欺業者による被害では」から、危険な商品が[ エ ]も含めて列挙されているので、危険な商品ということになり、[ エ ]は「20.ロコ・ロンドン貴金属取引」になります。
・[ イ ]と[ ウ ]は相反する言葉が入ると思われます。また、「被害回復可能性が決まる」という部分から、語群の中にある「~可能性」という4つの言葉から選択するのではと直感的に感じますし、その中に正解があると考えてもよいと思います。
・4つの言葉を列挙しますと、「3.執行回収可能性」「12.破綻可能性」「13.請求認容可能性」「19.訴訟提起可能性」です。
・「訴訟による場合」とあったので、「19.訴訟提起可能性」は消えます。
・「請求認容」とは裁判により、請求が認められることですので、何の請求かというと、「その取引が違法であり、被害金額を弁償して欲しい」というようなことになります。明らかな詐欺では、認められやすいし、銀行預金などでは違法性を見つけるのは難しいかもしれませんね。そう考えると、選択肢の一つの[ イ ]には「13.請求認容可能性」が入ります。
・それに対して、訴えが認められたとしても全額が賠償されるかというと、賠償原資があるかどうかが問題になります。すると、[ ウ ]は「3.執行回収可能性」となります。ただし、「12.破綻可能性」も原資の回収率に影響があるので正解ではないかと思ってしまいますし、[ イ ]でも通じるような気がしますので少し混乱するかもしれません。
・一つ間違えれば、二つとも間違える可能性もあります。冷静にじっくり考えれば正解は出てきますが、考える時間がほとんどなく即答しなければならない試験本番では難しいのではないかと思います。おまけに、今回の試験では、ほとんど終わりの23問目です。
・ポイントとしては、少し法律用語的な言葉が出てきたときに知っているか知っていないか、知らなければどれだけ想像できるかにかかっています。
・ロコ・ロンドン貴金属取引についてご存知でない場合は国民生活センターのHPなどで勉強しておいてください。