薬事法関係の問題は毎年出題されています。
法律上の区分や定義など法律の規定に準ずる問題が多く、暗記物になってしまいます。
出題数は5個と少ないので力を入れたくないところですが、深く覚える必要がないので、記憶にとどめておくと、出題されたときに、その記憶の断片と常識的な考え方や出題パターンで解答することができます。
また、「カラーコンタクトレンズや染毛剤のアレルギー」(平成24年試験)や「小麦アレルギーの石鹸」(23年度試験)などの薬事法に絡んだ事件やが毎年のように起こっており、報道等で消費者センターにも多く相談が寄せられることもあり、時事問題的な事件も知っておく必要があります。最近では「カネボウの美白化粧品」でしょうか。

また、大きな法律改正も重要ポイントであり、「平成21年度の薬事法改正」(医薬品を第1類から第3類に分類するなど)は今でも必須です。
さらに、平成25年12月に大きな法律改正(医薬品のインターネット販売)があり、こちらのほうが重要になるかもしれません。法律の名前も「薬事法」から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に変わります。6月12日に施行されます。

平成21年の薬事法の改正
厚生労働省HP
ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 医薬品・医療機器 > 一般用医薬品販売制度
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/ippanyou/index.html
薬事法の一部を改正する法律の概要[127KB]
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/pdf/kaiseiyakuji.pdf

平成25年度の薬事法の改正
平成25年12月13日に公布された「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律」に関する情報はこちらです。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/131218-1.html

薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律

改正法の概要 [185KB] 
改正法の参考資料 [281KB] 
要綱 [91KB]
条文、理由 [208KB]
新旧対照表 [431KB]
参照条文 [332KB]
衆議院厚生労働委員会における附帯決議(平成25年11月27日) [206KB] ・・・1ページだけなので1回読んでおいてください

条文、理由 [208KB]の最終ページを抜粋

理由
一般用医薬品のインターネット販売に関する最高裁判決等を踏まえ、医薬品及び薬剤の使用に際しての安全性の確保を図るため、医薬品の区分として要指導医薬品を新設し、その販売に際しての薬剤師の対面による情報提供及び薬学的知見に基づく指導を義務付ける等の医薬品の販売業等に関する規制の見直しを行うほか、指定薬物による保健衛生上の危害の発生を防止するため、その所持等を禁止する等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

最後に「薬事日報」http://www.yakuji.co.jp/に掲載されている厚生労働省医薬食品局長の新年のあいさつに薬事行政がまとめられています。
http://www.yakuji.co.jp/entry34210.html
2014年1月8日 (水)
【2014年年頭所感】2つの薬事法改正、円滑施行‐厚労省医薬食品局長
厚生労働省医薬食品局長 今別府敏雄
昨年11月27日に公布された薬事法改正は、まず、安全対策を強化するため添付文書の届け出義務を創設し、併せて、医療機器の登録認証機関による認証範囲の拡大、再生医療等製品の安全で迅速な実用化のための条件・期限付承認制度の創設等を行うものです。2006年以来の抜本的な改正であり、旧薬事法以来の60年の歴史のある「薬事法」の名称も「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」となります。施行は、法律の公布後1年以内とされ、今年秋頃を予定していますが、自治体や関係団体と調整し、円滑な施行に万全を期してまいります。
次に、昨年12月13日に公布された薬事法改正は、日本再興戦略を踏まえ、消費者の安全性を確保した適切なルールの下での一般薬のインターネット販売の仕組みを整備すると共に、指定薬物の所持・使用等に対し罰則を新設したものです。
インターネット販売のルールについて、法律に明確に根拠を置くと共に、スイッチ直後品目と劇薬について、医学・薬学の専門家の意見を踏まえ、薬剤師が対面で使用者本人の状態等を判断した上で販売することとしています。医療用医薬品についても、不適正な使用による健康被害の発生を防止するため、医師と薬剤師がそれぞれの専門性を生かし、協働して患者を診る必要があり、現在も薬剤師が対面で販売する仕組みとしていますが、その根拠を法律に規定しました。法律の施行は、公布後6カ月以内とされ、自治体等とも十分に調整しながら、万全の体制で施行できるよう、取り組んでまいります。
薬物乱用防止対策については、指定薬物の所持・使用等を禁止する法律改正に加え、昨年10月に麻薬取締官に調査権限を付与するなど取り締まり体制を強化しました。引き続き、覚醒剤や麻薬、大麻などの薬物の乱用防止、啓発活動の推進、薬物密売組織や末端の乱用者の取り締まりを徹底してまいります。
改正法による対応のほか、「日本再興戦略」を踏まえ、革新的な製品を世界に先駆けて実用化していくため、審査の迅速化と質の向上を実現するための体制の整備を図ってまいります。医薬品医療機器総合機構では、昨年10月に関西支部(大阪市)と薬事戦略相談連携センター(神戸市)を開設し、日本発のシーズの実用化に向けた薬事戦略相談を拡充しましたが、今年4月からは関西支部で製造・品質管理の実地調査もできる体制を整えます。
「日本再興戦略」では、薬局・薬剤師について、セルフメディケーションの推進の観点から、地域に密着した健康情報の拠点としての活用の促進が盛り込まれています。在宅医療や地域包括ケアの分野で、医師、看護師等と連携して、かかりつけの薬剤師としての機能の発揮が期待されており、国民の健康を守るため、大いに活躍いただきたいと思います。