1.次の文章のうち、正しいものには○、誤っているものには×を、解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。また、誤っているものには、誤っている箇所(1カ所)の記号も記入(マーク)しなさい。

⑤ 国民生活センターの業務には、㋐全国の消費生活センターの相談情報を収集・蓄積し、調査・分析すること、㋑一般消費者への注意喚起や消費生活センターに情報提供すること、㋒全国の消費生活センター等で受け付けた商品にかかわる苦情相談の解決のための商品テストや技術相談への対応を行うことなどがある。
⑥ 国民生活センターの紛争解決委員会は、㋐同種の被害が相当多数の者に及ぶおそれがある消費者紛争や、㋑国民の生命・身体・財産に重大な危害を及ぼすおそれがある事案について、㋒消費者または消費生活センターが申請人となって、和解の仲介手続を行っている。

【解説と解答】
国民生活センターの業務内容に関する問題です。
国民生活センターの位置づけは法律で定められています。
独立行政法人国民生活センター法・・・http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO123.html
業務内容については国民生活センターHPを参照してください。


ざくっとした業務内容で特に悩むことはないと思います。国センの資格だから国センの仕事はこれですよとアピールしているようなものでしょうね。したがって、⑤はすべて正解です。

国民生活センターHP
トップページ > 国民生活センターについて > 国民生活センターの紹介 > 業務案内
http://www.kokusen.go.jp/hello/work.html
業務案内
独立行政法人国民生活センターとは
独立行政法人国民生活センターは、昭和45年10月に特殊法人国民生活センターとして発足し、その後「独立行政法人国民生活センター法」に基づき平成15年10月に独立行政法人に移行しました。
近年、IT化や国際化の進展、少子高齢化などにより、消費生活をめぐる問題も多様化・複雑化しています。消費者が安全で安心な生活を営むうえで信頼性の高い情報がますます重要となってきています。
独立行政法人国民生活センターは、「消費者基本法」に基づき、国や全国の消費生活センター等と連携して、消費者問題における中核的機関としての役割を果たしています。このために、消費生活に関する情報を全国の消費生活センター等から収集し、消費者被害の未然防止・拡大防止に役立てています。また、消費生活センター等が行う相談業務を支援するとともに、裁判外紛争解決手続(ADR)を実施しています。さらに、苦情相談解決のための商品テストや、広く問題点を情報提供するための商品群のテスト、地方自治体の消費者行政担当職員・消費生活相談員を対象とした研修、小規模な消費者生活センター等への経験豊富な相談員による巡回指導、生活問題に関する調査研究を実施し、さまざまなメディアを通じて消費者への情報提供を積極的に行うなど、一人一人の消費者が安全で安心な生活を送れるよう、くらしの支援に努めています。

独立行政法人国民生活センター 業務説明資料
国民生活センターの業務の必要性を広く知っていいただくために、以下の資料を提供しています。
※この資料は結構勉強になりますので、ぜひ読んでおいてください。

国民生活センターについて[PDF形式](990KB)(2013年8月16日更新)・・・http://www.kokusen.go.jp/hello/pdf/mi-gyoumu_01.pdf

3ページ
① 相談
・消費生活センター等では解決困難な相談の処理方法等をアドバイス〔経由相談〕
・「消費者ホットライン」で最寄りの消費生活センター等に繋がらなかった相談の受付〔平日バックアップ相談等〕
・相談に基づく注意喚起、制度等に関する改善要望
相談情報の収集・分析・提供
・PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)を通じた相談情報の収集・分析
・相談情報に基づく情報提供(報道機関からの取材、国会・中央省庁、警察、裁判所、弁護士会、適格消費者団体からの照会等)
商品テスト
・消費生活センター等における苦情相談解決のためのテスト
・被害の未然防止・拡大防止の注意喚起のためのテスト
・注意喚起のためのテストに基づく商品改善、規格・基準等に関する改正要望
広報・普及啓発
・消費者に注意喚起情報を提供するための記者説明会、出版物、リーフレット、ホームページ等を通じて、
広報・普及啓発
⑤ 研修・資格制度
・消費生活センター等の消費生活相談員や行政職員等の能力向上のための研修、巡回訪問支援
・資格認定試験を全国各地で実施し、「消費生活専門相談員」資格を認定
裁判外紛争解決手続(ADR)
・「重要消費者紛争」の適切・迅速な解決に向けた裁判外手続を実施
・手続の結果概要を公表

※少し補足ですが、13ページにあるとおり、商品テストは「苦情相談解決のためのテスト」と「注意喚起のためのテスト」の2種類あります。前者は地方のセンターで受けた相談解決のためのテストが自前でできない場合に国センに依頼するものです。以前は、受け入れ基準が厳しく件数が少なかったのですが、地方の商品テスト機能が縮小していくことを背景として、平成24年ごろから原則すべて受け入れるようになったので、国センの商品テスト担当者は業務量が激増しました。後者のテストは「試買テスト」といわれるもので、独自にテーマを探し出してテストして啓発等に役立てるというものです。この「試買テスト」は昭和40年代前後の消費者行政の初期のころは盛んにおこなわれ、消費者団体や雑誌等でも取り上げられ、商品の改善などに役立ち、社会への影響力も大きかったです。しかし、今は、商品情報があふれており、商品も複雑になり、地方の予算も減少したことから、件数は激減しています。商品テスト業務そのものの存在意義が問われたりもしました。国センは地方からの依頼テストを原則受け入れることで生き残りをかけてきたようです。


紛争解決委員会は現場でもあまりなじみのない仕事です。地域のセンターではいろんな意味を含めてもどうにもならない事案を国センに持っていくこともあります。国センにいくと、おまかせになるので、相談者が国センと直接やり取りしなければならず面倒ですね。と書くと答えが出てきますね。紛争処理は、消費者と事業者との間のことなので、当事者は相談者です。組織であるセンターが当事者になることはありませんので、⑥は㋒が不正解です。試験時間が短いのでこういう裏技的な解答感覚も必要です。
建前的には重要消費者紛争案件に限るとありますが、そこまで厳密ではなく、相談者と事業者の個別のこじれた案件で現場のセンターでは解決困難だったものでも対応してくれるようです。個別の案件の背景には大きな被害がつながっているという理屈になります。
どのような案件を処理したのかについては国センHPで公表されています。
また、ADR(裁判外紛争解決手続)という大きなくくりで業務が行われているということも理解しておくことです。ADRは国センだけでなくさまざまなところで行われています。消費者センターのあっせんもADRのひとつです。

国センHP
トップページ > 通報/相談窓口・紛争解決 > ADR(裁判外紛争解決手続)の紹介
http://www.kokusen.go.jp/adr/
国民生活センター紛争解決委員会のリーフレット
国民生活センター紛争解決委員会の概要を知るために活用してください。
国民生活センター紛争解決委員会 消費者トラブル解決のための新しいADR(PDF)
http://www.kokusen.go.jp/adr/pdf/adr_l.pdf
このリーフレットが一番分かりやすいと思います。アとイの問題文もそのまま出てきています。

解答一覧

⑤→○、⑥→×㋒