1.次の文章のうち、正しいものには○、誤っているものには×を、解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。また、誤っているものには、誤っている箇所(1カ所)の記号も記入(マーク)しなさい。
【解説と解答】
②③④は消費者センターの位置付けと業務内容です。頻出の基本事項です。
②消費者安全法での消費生活センターの位置づけで、定番必須問題です。そのほかにも押えるべきところを列挙します
★消費生活センターの設置・・・都道府県は義務、市町村は努力義務(法)・・頻出問題
★消費生活センターの相談日・・・都道府県と市町村ともに週4日以上(施行令)・・・過去に週3日以上か週4日以上かの二択あり
★事務の効率的な実施のために適切な電子情報処理組織その他の設備を備えているもの(法)・・・要はパソコン、PIO-NETのことです
★相談員の処遇・研修・人材の確保・資質の向上について努力義務(法)
★相談員の要件として3資格(施行規則)→(参考)固有の資格名を挙げているのは法ではあまりないというので、資格名でなく知識や技能等の要件が示されるように今後改正予定
ということで、消費者安全法の基本事項です。また、法を所管する大臣は内閣総理大臣になりますので、権限トップは内閣総理大臣になります。一部、権限委任があります(45条立入調査関連)。したがって、②はすべて正解です。
③消費生活相談は大きく分けて「助言」と「あっせん」があります。アとイは問題文の説明のとおりです。ウが正しいかどうかですが、消費生活センターでは「あっせん」を多くやっている印象がありますが、すべての事例で事業者に連絡するなどのあっせんをやっているほど時間も人員もありません。基本は「助言」であり、消費者自ら交渉してもらうためのアドバイスをします。自立した消費者ですね。ときどき、なぜやってくれないかといわれることもありますが、クーリングオフの書き方やメーカーへの相談方法など、比較的交渉がうまくいきやすいものなどは、まず相談者自身で交渉してもらって、うまくいかなかったら再相談してもらうという流れが基本になります。事故事例やメーカーとこじれてしまった事例、高齢者などで交渉能力に乏しい相談者には最初から「あっせん」にはいります。全国各地の消費生活相談の概要等を見ると、だいたい7割が助言というところですね。ちなみに、メーカーのお客様相談室でも苦情が多いと思われるかもしれませんが、圧倒的に一般的な問い合わせ相談が多いです。
したがって、③は㋒が不正解です。
④地方自治体での条例による規定ですが、法律に基づき権限が委任されているものであれば問題ありませんが、そうでないものは規定することができません。法律に規定がないものなどでも独自に行政指導として設ける場合もあります。法律よりも厳しい罰則等の規制を設けることは「上乗せ条例」といってできないこともありませんが、国と自治体間でのもめごとになります。
さて、問題であげられている3つの規定を見てみると、細かくはそれぞれの法律の委任などを見ていかなければならないのですが、そこまでする必要はありません。明らかに仲間はずれがありますね。アは立入調査権、イは勧告・公表制度、ウは取消権となっており、アとイは行為に対しての処分的なアクション、あわゆる行政処分であり、ウは法律行為の取り消しというステージが違う事柄があげられています。取消権は法律で厳密に規定されており条例の入る余地はありませんし、法律で規定のない行為を条例で規定すると問題も生じます。したがって、④は㋒が不正解です。こういう問題は一般論でも答えを導き出すことは可能です。