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論文が苦手な受験生が合格論文を書くための勉強方法

「論文を書いたことがなく、どのようにして勉強したらいいのか、不安である」という声が複数寄せられます

論文が全く苦手な受験生のための勉強部屋での勉強方法

回答は、ずばり!「論文を書いてみること」です。

書いてみて、第三者に見てもらい、添削を受けて、問題点を洗い出し、自分がどのレベルにあるのか?を確認しましょう。

添削の提出をするのはちょっと、という場合は、ほかの受験生の論文添削と比べて、自分がどのぐらのレベルにあるのかを確認してください。
そして、自分のレベルに合わせた対策をしてください。

チェックポイントの例

それらを第三者から指摘を受けて、重点的に対策をしていくことです。
会員の方は早めに論文添削に応募していただきたいと思います。

論文添削に応募しない場合は、他の会員の論文を読んで疑似体験してください。
自分で書くのと書かないのとは大きな違いですが、どのような点が添削されているのかを確認して、本番を意識して勉強してください。

勉強部屋の論文添削では、ぼろぼろに指摘され、何度も再提出といわれた受験生が何回か論文を修正していくうちに、上達して、めでたく合格している例もあります。

合格論文を書くためのポイント

  1. 論文の基本的な書き方ができること
  2. 求められた論文形式で書けること
  3. テーマに沿った論文内容が書けること
  4. どんな論文問題が出題されているのか傾向を知ること
  5. テーマを絞って得意分野を用意しておく

1.論文の基本的な書き方ができること

論文の書き方(2012/9/1)

論文試験対策といっても特に決まったものはありませんが、論文を書くにあたって私自身がポイントとしている点を紹介したいと思います。
この記事を書いた平成24年(2012年)から内容は特に変わっていません。

1.読みやすい文章を書く

①大きな段落に分けて書く。起承転結。序論・本論・結論など。なお、それぞれのボリュームがアンバランスにならないようにする。当然本論が一番多い。
②文章と文章のつなぎの接続詞を上手に使う。しかし・したがって・そして・一方・など
③1つの文章の中の接続詞を上手に使う。~だが、~。~であり、~。
④1つの文章があまり長すぎない。並列表現の場合は1点目は~、2点目は~。
⑤大きな段落の中で文章が連続してつなぎすぎない。適度に改行して小さな段落に分ける。

2.分かりやすい文章を書く

①矛盾が生じない論理的な文章を書く
②接続詞の前後の文章に接続詞としてのつじつまが合うこと
③同じような言葉を使いすぎない。
④事実と自分の気持ちを混同しない。
⑤何でもかんでも言葉を並べない

3.内容の正確性

①間違った内容は書かない
②自信がないときはぼやけて書くのもOK
③ウソ八百も使いよう

相談員試験でのポイント

必ず前提となることが説明された後、論ずるべき問題が出される。これに素直に従い、「序論=前提、本論=論ずる点、結論=まとめ・自分の考え」というような構成にすればいいと思います。本論のも、いくつかの段落に分かれて説明することになります。
上記(1)(2)に気をつけて、印象のいい論文を書きましょう。
(3)は知識力次第なのでがんばってくださいとしか言いようがありませんが、間違ったことを書くのは良くありません。自信のないことを書かなければならな いときはぼんやりとした書き方のほうがましかもしれません。そういう点では法律問題よりも自分の考えを書く行政問題のほうがウソ八百が通じるので何とかな るかもしれませんね。

きれいな文章を書くには

①普段から文章を書き慣れることです。
②相談員になれば相談内容まとめてをPIO-NET端末に入力する文章力が必要です。全国の相談員に見られてしまいます。
③新聞の文章構成を参考にする。
④ほかの人に文章を見てもらい添削してもらう。
⑥月刊国民生活などの書籍での相談事例などコンパクトにまとまっている文章を参照する。

いろいろ書いてみましたが、結局は具体的に文章をたくさん書いて、誰かに見てもらい、添削してもらいを繰り返すことが文章力UPの近道です。
下書きなしに一気に書いた文章、調べながら下書きし練り直して書いた文章、評価されることを前提に気合を入れて書いた文章など、書いた文章にも様々なタイプがあります。
相談員試験ではもちろん限られた時間内に定められた字数で論文を書かなければならないので、論文試験対策をするとすれば、それに近い方法が必要でしょう。 ただし、調べながら合格間違いないと思って書いた文章も問題だらけの場合がありますので目的に応じた練習が必要と思います。

なかなか、第三者に自信のない文章を見てもらうという気持ちにはならないと思いますが、とにかく一度添削してもらうと、文章の悪い癖が見つかり、それだけでも飛躍的に文章力がUPするかもしれません。

勉強部屋では、論文が会員に公開されますが、誰が書いたのかは分からないですので、思い切って、応募してください。

2.求められた論文形式で書けること

新試験制度に変わった最初の平成28年度試験では、論文があまりにもひどかったようで、29年度試験要項に注意事項が追記されました。30年度試験要項でも少し変化がありました。現職相談員の論文試験の不合格の声をよく聞きました。

これまでの注意事項をまとめておきます。

3.テーマに沿った論文内容が書けること

4.どんな論文問題が出題されているのか傾向を知ること(一覧があること自体が貴重かも)

テーマを絞って得意分野やパターンをいくつか用意しておく

繰り返し同じ分野(例えば高齢者など)が出題されているので、同じようなテーマが出題されたときに、ある程度書けるように準備しておくこと。
また、どんな指定語句も対応できるような文章パターンを用意しておくこと(例えば、事業者と消費者の格差の解消、消費者の自立を支援、高齢者の被害対策、若者の被害対策など)。

勉強部屋での勉強手順

準備

形式的なことを勉強する(1と2)

どんな問題が出題されているか知る(4)

勉強部屋での3つの実践

順番

  1. 「論文を書いてみる」
  2. 「論文の過去問解説を読んでみる」
  3. 「過去の添削論文を読んでみる」

この順番は、それぞれのレベルや勉強時間などに応じて調整してください

添削論文の作成

何も見ずに書いた論文を添削するのが一番レベルを判断しやすいのですが、論文が全く苦手な受験生にとってはハードルが高いかもしれません。

そういう場合は、参考書等を見ながら書いてみてください。

選ぶテーマは過去に出題された論文を時代変化に合わせて指定語句を少し代えると本番に近くなるのではないでしょうか。迷う場合は下記のテーマがいいのではないでしょうか。

なお、現職はテーマ1の行政問題を、一般受験者はテーマ2の法律問題を選択するのが大きな失敗を避けることができると思います。

29年度 テーマ1

若年者の消費者トラブル・被害の現状・特徴とその防止・救済策について論じなさい。なお、論述に当たっては、以下を踏まえること。
指定語句:知識・経験の不足、契約、成年年齢の引下げ、取消権、消費者教育

28年度 テーマ1

地方公共団体において消費生活相談を実施することの意義及び役割は何か、また、消費生活相談を実施するに当たって留意すべき点は何かについて論じなさい。
指定語句:相談者への聴き取り、あっせん、相談情報の活用、注意喚起、行政処分

28年度 テーマ2

高齢者の消費者被害が増大しているが、その被害の事例と特徴を具体的に挙げ、それに対して消費生活センターはどう対応すべきか、その課題と対策について論じなさい。
指定語句:判断能力、訪問販売、次々販売、過量販売解除、高齢者見守りネットワーク

27年度 テーマ1

危害・危険に関する相談を受けた消費生活センターに求められてる対応、及び危害・危険情報の活用に関して、下記の指定語句をすべて使用して論じなさい。
指定語句:事故情報の一元化、消費者安全法、重大事故等の通知、国民生活センター、苦情処理テスト

26年度 テーマ1

地方消費者行政充実のための取組として、消費生活センターや相談窓口の整備の強化というこれまでの課題に加え、地域ネットワークの構築が重要となってきている。こうした中で、地域の消費者被害の防止に向けた消費生活センターの今後の活動のあり方と課題について、下記の指定語句をすべて使用して論じなさい。
指定語句:高齢者見守りネットワーク、 相談情報の活用、消費者市民の育成、 消費者行政職員の役割、 地域の関連団体

26年度 テーマ2

近年、高齢者を対象とした、いわゆる健康食品の送りつけ商法に関する相談が急増している。この商法の実態とその法的解決への道筋について、下記の指定語句をすべて使用して論じなさい。
指定語句:特定商取引法、 意思表示の合致、ネガティブ・オプション、代金引換配達、 電話勧誘販売

参考書等を見た場合の添削チェックポイント

  1. 参考書等から必要なところが抜き出されまとめられているか
    どのレベルまで参考書等を見るかは、受験生それぞれのレベルや経験、モチベーションにもよる。
    ⇒次のステップは参考書等を見ずに書けるように知識を得ること
    ※したがって、細かい数字など、参考書を見なければかけないようなものは書かないこと
  2. 読みやすいきれいな日本語の論文になっているか
  3. 序論・本論・結論などの形式になっているか
  4. 求められた論文形式で書けているか

1の参考書をみるかどうかは知識があるかどうかなので、こればかりは受験生の努力に依存します。

しかし、2~4は論文添削でクリアできる部分が大きいです。