10.次の文章のうち、正しいものには○、誤まっているものには×を、解答用紙の解答欄に記入 (マーク) しなさい。また、誤まっているものには、誤まっている箇所 (1ヵ所) の記号も記入 (マーク) しなさい。

④ 医師が行う脂肪吸引やシミ取りなどの美容医療サービス契約は、㋐特定商取引法の「特定継続的役務提供」に該当しないが、㋑キャッチセールスの方法で呼び止められて同行して契約すれば「訪問販売」に該当し、㋒インターネットの広告を見てクリニックに行って契約したときは「通信販売」に該当する
⑤ いわゆるクレジットカードのショッピング枠の現金化は、㋐景品表示法の景品には該当しないと解されているが、㋑カード会員規約に違反する行為であり、㋒購入代金額と受取金額との差額を金利と考えれば、実質的には高金利貸付けの可能性がある

【解説と解答】

「医師が行う」というのがポイントで、医師が行う医療行為は特商法の継続的役務の「エステ」には該当しないと考えられています。ただし、医師が行うかどうか不明確な美容医療サービスは特商法の対象とすべきといわれています。
キャッチセールスの場合は単純に特商法の対象となると考えればいいです。
通信販売は、ネットや電話、郵便などの方法で申し込みをする遠隔地間取引のことですので、ネットの広告を見てクリニックに行った場合は「通信販売」にはなりません。
したがって、④は㋒が不正解です。アとイで悩む前にウが明らかに間違いなので、さっさと正解を選んで次に進みましょう。

特定商取引に関する法律の解説(逐条解説) P.229
http://www.no-trouble.go.jp/#1259300931251
(4) 政令第12 条で定める特定継続的役務は、以下の6役務である。
① 人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術を行うこと。
いわゆる「エステティックサロン」の役務等である。美顔や脱毛、体型補正、痩身のための施術を行うことを指す。
単にリラックスのために音楽を聴かせるとか、お香を焚くものについては「施術」には当たらないと考えられる。
また、いわゆる増毛、植毛の類は、通常「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し」には当たらないと考えられる。


クレジットカードのショッピング枠を現金化する方法は、大きく分けて「買取屋による方式」と「キャッシュバック付商品の販売による方式」の2 種類があります。
買い取り方式は、従来からある方法で、クレジットカードで購入した家電品や指輪などを、単純に買い取る方式です。当然買い取り金額は低くなります。商品の受け渡しをしないこともあります。新幹線の回数券もこれに該当します。
そして、キャッシュバック方式は、価値が不明の商品を購入すれば、同時にキャッシュバックを受けることができるとするものです。このキャッシュバック方式が急増しています。「キャッシュバック方式は景品表示法に違反しない合法なもの」「景品表示法を遵守しています。」と広告する業者もありますが、現金化は景品表示法の景品に該当しないに過ぎず、景品表示法に該当するかどうかの問題以前に、「クレジットカード現金化」はクレジットカード契約に違反する取引です。
とはいえ、カード規約に違反することが消費者に分かりやすく説明されていない問題もあることから、業界へは要望等も出しているところです。
そして、問題文中にあるとおり、購入代金額と受取金額との差額を金利と考えれば、実質的には高金利貸付けの可能性があります。
ということで、⑤はすべて正解です。特に難しくないと思います。
(参考)
国民生活センター公表資料

「借金をするとき、家を借りるとき、就職するとき・・・保証人紹介ビジネスのトラブルにご注意!」(H22.5.26)

http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100407_2.pdf
4.消費生活相談からみた現金化の危険性と問題点
(1)クレジットカード契約違反行為である
「クレジットカードの現金化」はクレジットカード契約に違反する行為であり、クレジット業界で禁止している行為である。「クレジットカード現金化」を利用すると、消費者は退会処分等になることもあり、退会処分になった場合には一度に利用金額を支払わねばならない等のおそれがある。
また、「クレジットカード現金化」が不正な利用方法であることを知りながら利用した場合、消費者自身も詐欺罪(刑法第246 条)等に抵触する可能性がある。

今回の5問ですが、実は、消費者庁のHPに掲載されている「設け話に注意!」というページで紹介されている8つに事例のうちの2つに該当します。
題文作成当時も同じだったかどうかは不明ですが、最新の事例としてチェックしておくことも重要だと思います。
消費者庁HP
ホーム > 消費者情報課 > 儲け話に注意!
http://www.caa.go.jp/information/kashikin.html

消費生活情報

・「保証人紹介ビジネス」の悪用
・クレジットカードのショッピング枠の現金化
・ドロップシッピング
・情報商材
・携帯電話契約の名義貸し
・換金性の乏しい外国通貨の取引に要注意
・「金貨の"即"現金化」の取引に要注意
・悪質な「有料メール交換サイト」に要注意

解答一覧

④→×㋒、⑤→○

問題10は②が難しいかもしれませんが4問以上の正解を目指してください。