11.次の文章の[   ]の部分に入れるのに最も適切な語句を、下記の語群の中から選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。

【語 群】

1.地域懸賞 2.公正取引委員会 3.内容 4.取引価額の40倍 5.含まれない 6.一般景品 7.取引条件 8.消費者委員会委員長
9.共同懸賞 10.10分の2 11.総付景品 12.内閣総理大臣 13.住宅に関する不当な表示 14.公正取引委員会委員長 15.10分の1
16.消費者庁長官 17.含まれる 18.取引価額の20倍 19.パチンコ懸賞 20.有料老人ホームに関する不当表示

問題11 (前半部分①)[ ア ]~[ オ ]

①景品表示法は正式名称を、「不当景品類及び不当表示防止法」という。景品表示法では、消費者に誤認させるおそれのある誇大表示や虚偽表示を不当表示として禁止している。景品表示法の規制する表示にはセールストークは [ ア ] 。不当表示には大きく分けて、優良誤認表示・有利誤認表示・その他の [ イ ] が指定する不当表示の3つの種類がある。優良誤認表示は商品またはサービスの品質、規格、その他の [ ウ ] に関する不当表示をいう。カシミアが入っていないにもかかわらず「カシミア100%」と表示することは優良誤認表示に該当するおそれがある。その他、 [ イ ] が指定する不当表示には、例えば [ エ ] がある。景品表示法に違反した場合、 [ オ ] による行政処分がなされる。

【解説と解答】
前半は景品表示法の一般論の問題です。後半は懸賞の問題になるので、語群から懸賞関係を除いて抜き出し、分類しました。

2.公正取引委員会 3.内容 5.含まれない 7.取引条件 8.消費者委員会委員長
12.内閣総理大臣 13.住宅に関する不当な表示 14.公正取引委員会委員長
16.消費者庁長官 17.含まれる 20.有料老人ホームに関する不当表示
これを分類
5.含まれない 17.含まれる
2.公正取引委員会 14.公正取引委員会委員長 12.内閣総理大臣 16.消費者庁長官 8.消費者委員会委員長
3.内容 7.取引条件
13.住宅に関する不当な表示 20.有料老人ホームに関する不当表示
この中から答を当てはめていくことになりますので比較的答えやすいと思います。

ます、景品表示法の規制する表示にはセールストークは含むのか含まないのかですが、悩みますね。実は後半の問題にもどちらかが入ることになるので、後半のほうが明らかに分かるので、ここは一発回答できてしまいます。
不当表示の分類が3つに分けられるという基本です。
3つめは、「[ イ ] が指定する不当表示」ですので、法律のパターンからは組織の長が入ります。選択肢に4つもあげられています。意外に難しいかもしれませんね。
以下も含めて、前半の問題は、予想では答えにくいものが多く、基本的に条文や解釈などを知っておかなければならないので必ず覚えておいてください。

消費者庁のHP
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
http://www.caa.go.jp/representation/index.html
表示規制の概要
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/hyoji/hyojigaiyo.html
不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/090901premiums_1.pdf
改正景品表示法の概要
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/090927premiums_3.pdf

景品表示法のパンフレット ※特にこのパンフレットの8ページまでをしっかり読んでおいてください
よくわかる景品表示法と公正競争規約(平成23年2月)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110329premiums_1.pdf

不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)

http://www.caa.go.jp/representation/index.html(定義)
第二条
4 この法律で「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であつて、内閣総理大臣が指定するものをいう。→不当景品類及び不当表示防止法第二条の規定により景品類及び表示を指定する件
(不当な表示の禁止)
第四条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

改正景品表示法の概要より抜粋

http://www.caa.go.jp/representation/pdf/090927premiums_3.pdf
規制の内容-表示
不当表示の種類(第4条第1項)
優良誤認(商品・役務の内容について著しく優良と誤認)
有利誤認(商品・役務の取引条件について著しく有利と誤認)
上記のほか、取引に関する事項について一般消費者に誤認を与えるおそれがあるとして内閣総理大臣が指定するもの

よくわかる景品表示法と公正競争規約(平成23年2月) 4ページより抜粋

http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110329premiums_1.pdf
4条1項3号
以下の6 つが指定されています(平成23 年1 月現在)
1.無果汁の清涼飲料水等についての表示(昭和48 年公正取引委員会告示第4号)
2.商品の原産国に関する不当な表示(昭和48 年公正取引委員会告示第34 号)
3.消費者信用の融資費用に関する不当な表示(昭和55 年公正取引委員会告示第13号)
4.不動産のおとり広告に関する表示(昭和55 年公正取引委員会告示第14 号)
5.おとり広告に関する表示(平成5年公正取引委員会告示第17号)
6.有料老人ホームに関する不当な表示(平成16 年公正取引委員会告示第3号)

不当景品類及び不当表示防止法第二条の規定により景品類及び表示を指定する件

http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_6.pdf
2 法第二条第四項に規定する表示とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に関する事項について行う広告その他の表示であつて、次に掲げるものをいう。
二 見本、チラシ、パンフレット、説明書面その他これらに類似する物による広告その他の表示(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)及び口頭による広告その他の表示(電話によるものを含む。)

セールストークを含むかどうかで、法第2条には具体的な内容まで言及されていませんが、「不当景品類及び不当表示防止法第二条の規定により景品類及び表示を指定する件」という通知で具体的な定義について説明されています。
それによると、「口頭による広告その他の表示(電話によるものを含む。)」も含まれることになっており、何でもかんでも含まれるということになります。
ということで、[ ア ] は「17.含まれる」が正解となります。

そして、[ イ ] は「12.内閣総理大臣」が正解となります。いろんな選択肢があり覚えていないと難しいかもしれませんね。
優良誤認は商品・役務の内容について、有利誤認は商品・役務の取引条件についてのことなので、 [ ウ ]は「3.内容」が正解となります。
[ エ ]は「20.有料老人ホームに関する不当表示」が正解で、いくつかあるうちの直近に定められたものなので、記憶に新しいのではないかと思います。
最後に行政処分は法律を所管する省庁が行います。景表法は公正取引委員会から消費者庁に移管されているので、 [ オ ]は「16.消費者庁長官」となります。なお、都道府県にも委任されているので、都道府県知事が行政処分することもよくあります。→景品表示法のパンフレットの7ページ

解答一覧

ア→17、イ→12、ウ→3、エ→20、オ→16

アが正解なら5問正解というラッキー問題です。