(21年度の1番の問題は消費者庁の関連です)
1番の問題から一部抜粋します。

【問題】
地方における相談窓口の強化に早急に取り組む必要があることから、今後、 [ イ ] を地方消費者行政強化のための「集中育成・強化期間」とし、 [ ウ ] を集中的に支援することとしている。そのため、地方消費者行政強化のための基金を [ エ ] に造成し、消費生活センターの設置、拡充、、相談員の養成等を行うこととしている。

[ オ ] においては、消費生活相談等の事務を [ ウ ] の事務として明確に位置付け、消費生活センターの設置を、 [ エ ] においては [ カ ] 、市町村においては [ キ ] としている。また、消費生活相談員の適切な処遇について、 [ ウ ] の [ キ ] 規定を設けている。
(選択肢は省略します)

【解説】
後段の部分を先に説明します。
・「消費生活相談等の事務」「消費生活センターの設置」というキーワードから分かるように「消費者安全法」に基づく事務の位置づけ(第八条)と消費生活センターの設置(第十条)についてのことです。
・これにより、消費生活相談という事務を消費生活センターで行うように規定されています。
・では、どこで相談業務を行うかといえば「消費生活センター」ですよね。どこにあるかといえば、自分の住んでいる「消費生活センター」というものを知っていれば「都道府県」や「市町村」にあることが分かります。
・ [ オ ] は、20の「消費者安全法」が正解。
・ [ ウ ] と [ エ ] は意外に迷います。前段にも同じ語句が入っているので類推しやすいですが、 [ エ ] → [ カ ] 、市町村→ [ キ ] と対応しているので、 [ エ ] は9の「都道府県」が正解。そして設置については条文やポイントを読んだことがあれば、 [ カ ] は6の「必須義務」で [ キ ] は「努力義務」とすんなり入ると思います。
・そして、事務は都道府県と市町村の両方で行うことですので、 [ ウ ] は19の「地方公共団体」が正解となりますが、条文は「地方公共団体」という言葉ではないので少し入れにくいですね。

消費者安全法
(消費生活センターの設置)
第十条 都道府県は、第八条第一項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置しなければならない
市町村は、必要に応じ、第八条第二項各号に掲げる事務を行うため、次に掲げる要件に該当する施設又は機関を設置するよう努めなければならない

第十一条 都道府県及び消費生活センターを設置する市町村は、消費生活センターに配置された相談員(前
条第一項第一号又は第二項第一号に規定する者をいう。以下この条において同じ。)の適切な処遇、研修
の実施、専任の職員の配置及び養成その他の措置を講じ
、相談員その他の消費生活センターの事務に従事
する人材の確保及び資質の向上を図るよう努めるものとする

前段の部分は「基金」と呼ばれるものです。正式には「地方消費者行政活性化基金」です。消費者庁のHPに解説があります。
現職の方は日常的に使用している言葉です(たとえば基金で国民生活センターに研修に行かせてもらった)が、一般の方はあまりなじみがないと思います。
・消費者庁開庁と消費者安全法の施行により消費生活センターの位置づけが明確にされました。とはいえ、消費生活センターをすぐに設置するには費用がかかります。そこで、約223億円もの基金を設置し、100%国の補助となりました。また、基金には「消費生活センターのの設置」などのインフラのほか、消費生活相談員の資質向上のための研修の費用にもあてることができます。また、すぐには設置できないし、資質向上も継続して行う必要があるので、とりあえず「3年間」という期間が設定されました。すなわち、21年度・22年度・23年度ですが、継続中の事業は24年度まで延長可能です。この基金は、都道府県に交付され市町村に分配されます。人件費への充当も認められていますが、3年の期間限定ですので、4年目以降は各自治体が費用負担するので、相談員の増員や給与の引き上げには消極的ですね。

・ [ イ ] は、「集中育成・強化期間」となっているので選択肢では3年か5年になりますが、説明したように12の「3年程度」が正解です。知っているかどうかだけの問題ですね。
・ [ ウ ] は支援する対象が都道府県と市町村なので、19の「地方公共団体」が正解となります。
・ [ エ ] は造成という分かりにくい言葉ですが、予算を交付する先の、9の「都道府県」が正解となります。

・消費者安全法により、相談員の資格が規定されたので、消費生活専門相談員の試験も厳格になったのかもしれません。また、国民生活センターにも財源が措置されているため、消費生活専門相談員養成講座などが開催されています。また、自治体においては基金で、養成講座などに派遣するための旅費等がまかなえます。これについては、別途記事を書きます。