再現論文の評価とシェアをします

できるだけ試験当日の論文を忠実に再現してください。幹事等を含め再現中に間違いが分かった場合も、そのまま書いてください(気付いた点はコメントしていただければいいので)。

基本的には「不合格」と思われる論文が対象ですが、合格者の論文でもかまいません。

なお、後日、採点結果をお知らせください。

会員向けには詳しい添削をしますが、一般向けには評価とコメントになりますのでご了承ください。
なお、公開にご了解いただけること(名前等の情報は出しません)が前提となります。

評価に対する本人もしくは受験者の感想をいただければ、管理人のコメントを入れて追記します。

応募方法

  1. 再現論文をWORDで作成し、添付送付。1行20文字の原稿用紙設定にしていただくと助かります。
  2. 名前もしくはニックネームなど識別できる情報
  3. 個人的な出来栄えに関してのコメントや聞きたいこと
  4. 選んだテーマ
  5. 択一の自己採点の点数および合否
  6. 立場(現職相談員、行政職員、一般など)
  7. だいたいの年代があれば参考になります(50代女性、60代男性、など)
  8. 送付先メールアドレス
    contact@soudanshiken.com

再現論文の評価 その1 合格論文「テーマ2」(2016/11/23)

「テーマ2」合格 択一点数未報告

◎ 28年度一次試験 テーマ2 (30字×39行)
我が国は、4人に1人が65歳以上の超高齢化社会となっており、老夫婦だけの世帯や独居老人も増加傾向にある。高齢者は加齢とともに体力や判断力が低下しており、心疾患にり患している高齢者や認知症にり患している高齢者も存在する。
このような状況の中で、不意打ち的に訪問し、セールスは断りから始まるという勝手なセールス理論から、手練手管で、高齢者に対し、理解させないまま、次々販売や過量販売を行い、結果、高齢者被害は後を絶たない状況となっている。また、被害を救済すると持ち掛けてだますという二次被害も増えている。
民法は、認知症により弁識を欠く状況によって後見人、保佐人、補助人という後見人制度を設けて制限行為能力者として保護している。しかし、費用の面や本人の意向などによって後見人制度が利用されていないのが実態である。
また、特定商取引法の訪問販売は、訪問目的を告げる義務や再訪問の禁止、不実告知等を禁止するほか、民事ルールとして、民法で認めていないクーリング・オフを認め、不実告知等の誤認による意思表示の取消し、過量販売解除を認める等の規制を行っている。
これらを受け、消費生活センターは、被害者の行為能力が低下していたことを医師の診断書等の用意をしたり、あるいは普段の生活状況を訴えて勧誘時に行為能力がないあるいは低下していることを訴えるあっせんを行っている。
しかし、心疾患にり患し不自由な生活をしていることから、行為能力が低下していると思い、本人を交えた交渉の場で行為能力がないと強調したら、怒り出してしまった高齢者もいる。あっせんにより被害の回復ができたものの勧誘者にまた来てねと被害にあったという意識を持たない高齢者も中にいる。また、認知症だからといって常に行為能力がないような行動を行っているものではなく、外観や言動から行為能力があると思われるような場合もあるため、行為能力が低下していることに理解を得られない場合もある。このように高齢者だからといっても、一様ではない。
消費者庁は、強化作戦として、高齢者見守りネットワークの推進を図っている。これは、市町村、介護師、消費者協力団体、消費生活協力員などが連携して高齢者の見守りを行うというものである。常日頃から接触し、日常生活の状況を知ることによって、被害を防止することができるし、また、これによって行為能力の把握することもできる。
特定商取引法の改正により事業者に対する罰則強化が図られ、消費者契約法も新たに過量販売の取消しの導入が予定されている。今後、一層の見守りが必要である。

【感想】
思い出しながら、再現してみた。100%ではないが、95%程度の再現率である。
学科の自己採点は142点なので、心配しなかったが、論文は、次の点を明記しなかったので、65%ぎりぎりではないか、65%いかないと危ないのではと思い、合否発表までは不安であった.
結果、合格で、安心した。
① 制限行為能力者の意思表示の取消しについて明記しなかったこと。
② 消費生活センターの取組みの課題についての記述が曖昧であること。
③ 地域包括センターの取組みについて触れなかったこと。
④ 結び部分が、論旨と関係のない内容となっていること。

管理人の評価

  • よくここまで法律用語をかけていると思いました。私には無理かも。記憶力が必要ですね。
  • 法律問題の論文としてはきちんと要件を満たしています。
  • 書き足らなかった分は特に問題となりません。論文に出てきていませんので。あまり、山盛り書こうとしても字数が気になります。それよりも、間違ったことを書かないことが法律問題では大切です。
  • 難しい日本語表現や単語を使っていたり、堅い印象で、全体的に読みやすい論文ではないのが気になります。「心疾患」「り患」「手練手管」など、日常的にはあまり使わない表現です。
  • 法律問題の回答として押さえるべきところは押さえているので、基本的には大きな減点要素がないと思います。
  • 認知症と制限行為能力者がイコールでないところに、消費生活センターの「あっせん」の困難さがあることをもう少しうまく表現できてたらと思います。
  • 「地域包括センターの取組み」は不要です。
  • 結びは、この程度でかまいません。問題ないです。
  • 間違いなく合格論文としての評価です。

※お問合せフォームに記入いただいたメールドレスが間違っているようなので、ご本人には返信できませんでした。この場を借りて応募のお礼を申し上げます。